どの事業であれ、マーケティングは非常に重要です。顧客を獲得できない事業は存続ができないため、必要な客数を獲得し続ける必要があります。
マーケティングの意味は幅広く、そして全く別の意味で使われているケースも多く、初心者の人には実態が掴みづらい傾向にあります。そこで、基本的なマーケティングについて解説します。
マーケティングとは
マーケティングとは、取引を円滑にするための一連の施策のことです。また、現代経営学の父として知られるピーター・ドラッガーは、"マーケティングとは販売を不要とするもの"と定義しています。
具体的な定義は、時代によって変化しており、顧客との双方的なコミュニケーションからニーズにマッチした商品開発を実施し、流通、販売促進をするのが現在の定義でもあります。
B2Bマーケティングでは、認知活動をマーケティングとし、メールやzoomなどでやりとりをする内勤営業をインサイドセールス、クロージングを行うことをフィールドセールスと分けます。
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マーケティングの基礎的なプロセス
マーケティングの基礎その1.市場の選択
市場とは対象にすべき顧客の塊のことです。対象にする市場が大きいほど顧客が豊富に存在しますが、競争が激しくなります。そして、対象にする市場が小さいほど顧客が少なくなりますが、競争は起こりません。
収益力のある事業にしたい場合は、市場規模はある程度大きいものを選択します。ニッチ市場の選択は、競争は起こりませんが、ニーズを持った人に情報がリーチしづらく販促費がかかります。そして客数も獲得できないため、どうしても高価格戦略しか選べないからです。
<確認すべき統計>
- 人口(年齢、性別、生産労働人口)
- 平均世帯年収
- ニーズが合致する母数の多いアンケートの回答データ
- 商圏が合致する競合店の数、価格帯
上記のようなデータが揃えば、おおよその市場規模を概算することが可能です。例えば、週末家族で食事をする家庭を考えた時は、周囲の平均世帯年収が一定以上の割合もしくは週末家族で食事をする家庭のアンケートから割合をもってきて、商圏の世帯数にかければ概算することは可能です。
マーケティングの基礎その2.コンセプトの設定
コンセプトとは存在意義のことです。開業してから付加的に設定する企業も多いのですが、店舗を作る場合はコンセプトにあった内装や設備を用意する必要があるため、事前に設定する必要があります。
スターバックスでは、サードプレイスをコンセプトとし、家庭でもない、職場でもない、気軽に人が集まれる場所として設計されています。そのため、ドトールなどの回転率の高い店内設計とは違い、場所によっては、座り心地の良いソファーなどを設置しています。
<チェックする項目>
- 対象顧客にコンセプトは共感を得られるのか?
- コンセプト通りに認知されるためには、どのような設備やサービスが必要なのか?
マーケティングの基礎その3.目標月商から客数・顧客単価の計算
事業を存続させるためには、できるだけ短期に投資を回収し、収益化しなければなりません。
例えば、店舗では、出店場所が決まった時点で、目標月商が決定します。その市場で可能な顧客単価がわかっていれば、必要な客数も算出できます。さらに、営業日で割れば、1日に必要な客数を算出できます。その客数を動員することが可能な店内のレイアウトにしなければなりません。また、回転が必要であれば、店内の利用時間に制限を加えるルールを設置する必要もあります。
マーケティングの基礎その4.事業開始コストの概算
事業をスタートさせるためのコストを算出します。できる限り費用は小さくし、素早い開始(アーリースタート)が原則ではありますが、競争力がなければ、意味がありません。
必要な費用を算出します。節約することも考える必要がありますが、それ以上に資金を調達しなければなりません。
マーケティングの基礎その5.商品開発戦略
提供する商品は売れないと意味がありません。また、想定する顧客単価をカバーする品質が求められます。小売では、売れ筋分析を行い、傾向から取り扱い商品のバリエーションをブラッシュアップしていきます。
最近では、顧客の意見を反映した商品開発を行う手法も流行しており、どのような商品を望むのかを定期的にアンケートするのも重要になっております。
マーケティングの基礎その6.顧客単価向上戦略
顧客単価向上は、マーケティングの中ではコアな戦略です。顧客単価が低ければ客数を増やす必要があり、集客力にネックを抱えている、現在の市場では多くの客数が望めない環境では、ここがビジネスの成否を分けます。
顧客単価は、生涯顧客価値(LTV)で考えた方が良いとも考えられています。この場合は、1回の取引金額が低くても、頻度および長期間の関係性を維持することで、LTVを上げることができます。これは、1回の取引では1万円に満たなくても、年間で見れて1人の顧客から12万円を超える売上があれば良いという考え方です。
例えば、ラーメン屋などの場合は、来店頻度の高い事業設計を行います。名物になるラーメンを無理なく支払える気軽な価格に設定し、券売機の中で一番目立つ位置に設置します。このラーメンには力をいれていることから満足度も高くなり、次回の来店が望めます。
また、コンサルティングの場合は、相手側の事業の収益から費用として捻出するものであるため、対象企業の収益構造を事前に調査して無理のない金額に設定した方が契約しやすくなります。つまり、収益性の高い業種の企業を対象にした方が高い金額の報酬が望めます。
マーケティングの基礎その7.流通戦略
流通も重要な戦略です。製品やブランディングを意識して流通を決定します。
日常的に購入して欲しい最寄品では、スーパーやコンビニエンスストアなど日常的に活用されている小売店に流通することが最適です。これが、特定のショップやオンラインストアでしか取り扱っていなかったら、知名度がそこまでは売れません。
購入頻度が低い買回品のような商品は、同系統の商品を多く取り扱っている専門店が売れます。スーパーで洗濯機を販売しても売れませんが、家電量販店に洗濯機は買いに来る人がいるので売れる可能性が高くなります。
ブランド価値の高い専門品は、メーカーが運営している専門店や認可を与えた格式高い取り扱い店のみを対象にし、希少性を出す流通を行うこともあります。
マーケティングの基礎その8.プロモーション戦略
ほとんどのマーケティングがこのプロモーション戦略を指します。商品開発を行い、流通をしても、情報をエンドユーザーに伝えなければ、商品・サービスの価値を理解してもらうことができません。店舗に並んでいた手軽な金額のお菓子ならば購入するかもしれませんが、BtoB向けの競合が多いWebサービスなどでは間違いなく情報がなければ何が良いのか全く分かりません。
プロモーション戦略では、購買行動を起こすことが目的です。これは、商品・サービスの存在を知ってもらうことからはじまり、購買に至るまでの行動で、そのプロセスは、商品・サービスの特徴や買い手が一般消費者なのか企業なのかでも変わってきます。
例えば、以下のようなプロセスになります。
飲食店・・・AIDA(認知→興味関心→欲求→来店)
BtoB向けWebサービス・・・AISCEAS(認知→興味関心→検索→比較→検討→契約→シェア)
ブランド品・・・AIDA→AIDMA→AMA(購入を繰り返すことで、ブランドへのロイヤリティーが高まり、情報を受け取っただけで購入を検討するようになる。)
上記のようなプロセスを促進するのが、プロモーション施策となります。
マーケティングの基礎その9.フィードバック
"とにかく売れ"という時代は終わり、利益を最大化するためには、市場のニーズを受け取り、それに準拠した形に改善を繰り返す必要があります。そのためには、顧客の声を聞いたり、売上を分析して、売れ筋・死に筋などの分析を行い、商品の改善・新商品開発もしくは仕入れを最適化していきます。
的確な指標管理ができるように、ITを積極的に導入する他、顧客から的確にフィードバックがもらえるようにコミュニケーション専用のチャネルを作ります。例えば、顧客とコミュニケーションをとる目的でSNSの運用を始めるのもこの手の施策の一環になります。
マーケティングの基本を学ぶ方法とは?
マーケティングは、事業を成功させるための流れを作ることが大原則であるため、"何を学ぶべきか?"ではなく、"どうすれば売れるのか?"を徹底的に考え、必要な知識を本で補って、実際に実行してみることをおすすめします。本に書いてあることは、体系的なものであり、実際のリアルで実践してみようとするとその通りにはなりません。どのような違いがあるのかも実践で得られた経験値から学ぶことになります。
また、大手企業を相手にしているのであれば、用語でやりとりをしますので、用語を覚える必要がありますが、中小企業を主に対象にしている場合は、用語は通じないことが多いです。機能をしっかり理解し、説明する力も求められることになります。
また、マーケティングの施策は、財務とも深く関わってきますので、基本的な経営分析やキャッシュフローについてもあわせて学びたいところです。
世の中はマーケティングで溢れており、検索などで調べることよりも街の中を探索してみて、仕組みを理解するのが良いでしょう。
以下優先的に身につけた方が良いスキルについて紹介します。
コピーライティング
文章は外注も可能ですが、売るための広告を時間をかけないために自分で編集して作成することもあります。相手に魅力的に情報を伝える技術としては、文章力は必須ですので、表現やどのような書き方をすると売れるのかは知っておいて、実際に書けるようにした方が良いでしょう。
戦略論
ビジネスによって有効な戦略は異なります。ビジネスを考える上で、成功確率の高い戦略のフレームワークを瞬時に構築できる方がマーケティングは有利になります。
PDCAサイクル・OODAループ
PDCAは施策の精度を上げるためのプロジェクト管理の方法であり、OODAループは、観察を繰り返すことによりニーズに計画を近づける方法です。この2つは並べられがちですが、シーンによって用途が分けられます。
リスティング広告
顧客を獲得したい時に真っ先に考えられる施策の一つ。顕在ニーズを抱える人を対象にするため、今すぐ客を獲得しやすいですが、比較検討されやすいため、オウンドメディアなどの対策も合わせて必要になっています。
オウンドメディア運用
オウンドメディアは、マーケティングの目的に合わせて運用されます。例えば、BtoBマーケティングであれば、決済者向けのコンテンツとして顧客インタビューを用意し、検討者向けには、商品・サービスの使い勝手や仕組みを紹介するコンテンツを用意します。
SEOのみがピックアップされがちですが、無闇な露出をするための運用ではなく、見込み客を効果的に惹きつけることを意識したコンテンツ作りを行なっていきます。
MA(マーケティングオートメーション)
MAは、現在のWebマーケティングの基軸になりつつあります。(ただし、法令によりヨーロッパでは使えません。)ユーザーの行動ごとにマーケティングシナリオを用意し、効果的なマーケティングを仕掛けます。
世の中の仕組み
例えば、コーヒー2杯目を140円で提供したり、スーツの2着目を半額で提供するのはなぜなのか?実際行われているマーケティングの原理を紐解くのもマーケティング力を向上させるスキルになります。
マーケティングプロデューサー。大学卒業後、店舗マーケティングツールのASPにて、500店の顧客フォロー及び導入の支援業務に従事。その後、2009年にサクセスパートナーを設立し、集客のコンシェルジュとして、コンサルティングを提供開始。
▶︎過去に協力したメディア
- 第一興商発行のDAM CHANNEL for Bizにて、ソーシャルメディアを使った集客方法の特集を8ページ監修(2018/4号)
- 株式会社リクルートの経営者応援マガジンパートナーズプレスにて、ホームページ作成やSNS活用のポイントのインタビュー記事が公開される。