共感マップとは?ペルソナのインサイトを整理する。

共感マップ(Empathy Map)とは、製品やサービスを使用するユーザーの考えや感情を深く理解するための整理方法です。マーケティング戦略の立案では、ペルソナを中心にインサイトを整理することに使われます。インサイトとは本質のことで、その行動をするに至った心情や原因を指します。ここで導き出したインサイトは、カスタマージャーニー図に活用します。
共感マップの作成方法とは?
共感マップは、ペルソナを定義する時に行なったインタビュー、アンケートや観察を用いて得られた情報を6つの構成要素に整理します。6つの構成要素とは、以下のものが該当します。

- Think and Feel : 考えていること、感じること。発言では出ていない要素をここに分類。
- See : 見ていること。生活の中で、見ているもの、出会う問題、触れている人物や商品・サービスなどの情報をここに分類。
- Hear : 聞いていること。周囲の人物から聞こえてくる声、メディアから聞こえてくる情報をここに分類。
- Say and do : 言っていること、やっていること。どのような発言や行動、振る舞いをしているのかをここに分類。
- Pain : 痛みになり得るもの。障害、リスク、ストレス、恐怖心を抱いているものをここに分類。
- Gain : 得られるもの。望むもの、欲求、ニーズ、幸福度を決める要因をここに分類。

共感マップのテンプレートは上記のような図になっており、中心にペルソナに該当する人物像を貼り付けるのが一般的です。付箋に簡単に事象をまとめて、それぞれの項目に分類します。
この分類は、一人で作成すると作成者のバイアスがかかったものが出来上がってしまいますので、多くのスタッフとブレインストーミングをして作成した方が良いでしょう。さらに精度の高いものにするのであれば、ペルソナに近い思考の人物から、共感マップの作成の参考人として協力してもらいます。
共感マップのテンプレートは、作図ソフトウェアのmiroを使うと、時間をかけずに作成することができます。
共感マップを作成することで実際にわかるもの
共感マップでは主に以下のようなものを判別することができます。
- 情報収集源 : ペルソナがよく見ているものは、広告の出稿先やSNSの選定に役立ちます。
- 興味関心 : ペルソナが興味関心を持っていることや思考の偏りを理解することができます。
- 不安 : 商品やサービスを認知するにあたって懸念すること、抵抗する要因が何かを知ることができます。
- 期待 :商品やサービスを認知するにあたって期待すること、ポジティブに考えられている要因が何かを知ることができます。
これらの要素を消費者行動ごとに整理することで、消費者が購入に至るまでのカスタマージャーニーマップの素案を作ることができます。
まとめ
ペルソナのインサイトを理解する方法として、共感マップの作成を解説しました。ここから得られた情報は、実際のマーケティング戦略の略図でもあるカスタマージャーニーマップの作成で活用します。
共感マップの作成では、ペルソナに該当する人物像から、インタビュー、アンケートや観察の方法で情報を収集します。6つの要素に分類できる情報を獲得するため、プライベートな雑談から様子がわかるように録画するのが良いでしょう。
6つの構成要素から、顧客インサイトを導きだし、実際のマーケティングの施策に反映させることが目的です。