20組中1組の会計が無料に!?ガストのごちガストキャンペーンの仕組みとは?

すかいらーくグループのガストで現在ごちガストキャンペーンを行なっています。
このキャンペーンは20組に1組の確率で会計が無料になるというなんとも太っ腹なキャンペーンです。
実は、我が家も半熟フレッシュが出ているCMをみて、つい昨日ガストに行ってきまして、見事に当たりました。
「やったー!」とテンションがあがった体験を行なったわけですが、このキャンペーンはよくよく考えるとどんな規模の飲食店でも行える単純な仕組みのキャンペーンなんですよね。
このキャンペーンの目的
このキャンペーンの目的は3つあると思われます。
1つは、話題性による再来店顧客の呼び込みです。
新規顧客の呼び込みというよりは、ガストほどのリーズナブルな価格帯のファミレスの場合では、「今、運がよければ会計無料なんだって。」と言われても、ガストを利用したことがない人にとっては魅力がないと思われます。なぜなら、ガストほど手軽にいけるファミレスを利用しない顧客の来店しない理由は、安さや手軽さではないと考えられるからです。
インパクトが強めのイベントを打つことにより、競合他社のイベントが相対的に霞んで見えます。その結果、このタイミングでガストに行ってみようぜということにもなります。
2つ目はアプリの登録促進です。
安定した売上を作るためには、迅速なコミュニケーション手段の確立が重要だと話をしています。もし、知らないという方は、こちらの記事をご参照ください。>迅速なコミュニケーション手段とは?
特に、最近はスマホアプリをいかにダウンロードさせるかが課題の一つになっています。厳密にいえば、いかに削除されないようにするのかも課題になっていますが。
このイベントの前提条件が、アプリのダウンロードです。つまり言い換えれば、20組に1組は無料ですが、アプリに登録しましょうキャンペーンということになります。
3つ目は、SNS上での話題の提供です。
後述していますが、5%の当選確率は、当たる可能性があるかもと思われる絶妙な数値であり、販促費の範囲内で収まる理にかなった数値です。
当選した人はツイッターなどで当選したことを報告します。それをみた人は、キャンペーンの存在を知る結果になりますので、告知費用を節約して集客する意図もあると思います。
このキャンペーンの仕組み
このキャンペーンの仕組みは、
顧客にアプリをダウンロードさせる→ごちガスト挑戦権が付与されている。→会計時提示→タブレットにルーレットアプリがインストールされていて、それにチャレンジして揃うと会計が無料になる。
というものです。
会計無料キャンペーンなんて、うちには無理だと思っている飲食店も多いと思いますが、実は、このキャンペーンを紐解くと全然そんなことはないことに気がつきます。
1.このキャンペーンの当選確率は5%であること。
20組に1組の確率ということは、挑戦して成功する確率が5%です。
この確率が高いととるか、低いととるのかはそれぞれですが、大金をかける人も多いスマホゲームのガチャの大当たりの確率が、3%であればかなり高いとされています。
そのため、利用者層からすると、運がよければ当たるかも!!と思える絶妙な数値です。
そして、仮に顧客単価をどのレシートも同じくらいだと仮定します。
つまり、このイベントを開催するのに、告知費用を除けば、販促費は約5%ということになります。
(ただし、この計算は正しくはない。なぜなら、無料になった会計で店舗側が実際に支払うのは、製造にかかった原価及び接客にかかった人件費のみだからです。)
10回購入で1回無料のよくありがちなスタンプカードの販促費は約10%と考えると、実はお金がかかっていないのに、インパクトが高い見せ方ができていることに気がつきます。
2.確率で完全に制御されていること
そういえば今日ガストでランチ食べたんだけど、#ごちガスト っていう太っ腹な企画やってて挑戦したらまさかの当選!ありがとうございます🙏 pic.twitter.com/7EIOlBUvsp
— しょーほ (@sho__ho) July 20, 2018
ガストやべぇ笑笑#ごちガスト pic.twitter.com/uGRMzNqar8
— いわさきなおき (@mooNFwalker) July 21, 2018
ごちガスト当たった🙌🙌🙌
ホントに当たりあるんだな😆
絶対3つ目がスベってハズレると思ったw
レジのお姉ちゃんに、当てたいんだけど…って話してたからお姉ちゃんもビックリw#ガスト#ごちガスト pic.twitter.com/CNYOc10G87
— かず (@tttakayukiii) July 22, 2018
結構、みなさん当たっています。
5%という数値は、アプリを使うことで完全制御されます。
そのため、手でひくくじ引きの場合は、最初の方に偏って当たりが出たり、想定以下の集客数だった場合は、結果的に5%以上の販促費がかかってしまうこともありうるのですが、アプリを使うことで、排出率は常に均一になります。
期間中、ずっと当たりがでる可能性があるので、SNS上での話題も途切れることなく、キャンペーンを続行することができます。
3.当たりかハズレしかない。
今回の場合は、無料かお支払いかの2つの選択肢しかありません。
それを了承しているため、空くじなどは用意する必要もありませんし、複雑な順位を用意することで、オペレーションが乱雑になることもありません。
まとめ
実は、この企画は目新しいものではなくて、同じような企画は昔から存在していました。
インパクトを使って、顧客を掴み、ただ掴むのではなくて、自社媒体に登録させる。
この発想は、大手専用のものではなく、小規模な店舗でも全く同じです。
しかもこの企画自体、タブレット端末とくじ引きアプリとスマホアプリにかわるアプリ(LINE@でもよくやります。)を用意すれば実施可能ですので、実施の準備自体は時間もお金もかかりませんので、模倣は可能です。
ただし、SNSでの話題提供はブランド力ありきですので、小規模な店舗の場合は効果は望めないと思います。