WordPressの表示を高速化するプラグイン5選

WordPressのパフォーマンスを十分に発揮するためには、表示速度を気にする必要があります。
表示速度が3秒のとき、1秒のWebサイトに比べると離脱率は約30%高くなるとされています。これは、成約率を下げる要因になり、顧客をみすみす取り逃していることになります。
そこで、プラグインを使うことで、WordPressの表示速度を向上させる方法について解説します。
WordPressの表示を高速化するプラグイン5選
WordPressの表示速度を高速化するには、キャッシュを有効化して表示速度を上げる方法、データを圧縮する方法、データベースの無駄を取り除く方法などがあります。ここで紹介する5つのプラグインでそれらの対応を行うことができ、表示速度を上げることができます。
WP Fastest Cache
WP Fastest Cacheは、キャッシュの有効化を簡単に行うことができるプラグインです。特に、「キャッシュの更新頻度設定」や「ページごと・ユーザーごとのキャッシュ有効化設定」など、様々な便利な設定が用意されています。また、このプラグインを使用することで、初心者でも簡単にキャッシュ管理を行うことができます。
機能一覧
機能名 | 説明 |
---|---|
キャッシュの有効化 | 一度読み込んだサイトのデータを一定期間端末内に保存しておくことで、再び閲覧する時により速くサイトを表示させる機能 |
先読み | 設定した項目のキャッシュをあらかじめ生成してくれる機能。初めて読み込む際でもスピーディーに閲覧できる機能 |
ログインユーザー | サイト管理者にキャッシュ機能を適用させるか選択できる機能 |
モバイル | モバイルユーザーにキャッシュを有効化していると、レイアウトが崩れることがあります。そのため、モバイルで閲覧した時にレイアウトが崩れていたら、モバイルユーザーへの反映を無効化することができる機能 |
新規投稿 | 新しく記事を公開した時に、すべてのキャッシュが削除&更新される機能 |
Update Post | 記事を更新した時にすべてのキャッシュが削除&更新される機能 |
HTMLの圧縮 | HTML を圧縮してページサイズを小さくする機能 |
CSSの圧縮 | CSS ファイルを圧縮してページサイズを小さくする機能 |
JSの結合 | JavaScript ファイルを結合してHTTPリクエスト数を減らす機能 |
Gzip圧縮 | サーバーから送信されるファイルをGzip圧縮する機能 |
ブラウザキャッシュ | ブラウザキャッシュを利用してロード時間を短縮する機能 |
W3 Total Cache

W3 Total Cacheは、WordPressのサイトを高速化するためのキャッシュプラグインです。ページキャッシュ、ブラウザキャッシュ、オブジェクトキャッシュ、データベースキャッシュなど、様々な種類のキャッシュを管理することができます。
機能一覧
機能名 | 説明 |
---|---|
透過的なCDN管理 | メディアライブラリ、テーマファイル、WordPress自体のCDN管理を行う |
モバイルサポート | リファラーやユーザーエージェントのグループごとにページをキャッシュし、テーマの切り替えも可能 |
AMPサポート | Accelerated Mobile Pages (AMP)をサポート |
SSL/TLSサポート | Secure Socket Layer (SSL/TLS)をサポート |
ページと投稿のキャッシュ | メモリ、ディスク、またはCDN上でのページと投稿のキャッシュ(ユーザーエージェントグループ別) |
CSSとJavaScriptのキャッシュ | メモリ、ディスク、またはCDN上でのCSSとJavaScriptのキャッシュ |
フィードのキャッシュ | メモリ、ディスク、またはCDN上でのフィード(サイト、カテゴリー、タグ、コメント、検索結果)のキャッシュ |
検索結果ページのキャッシュ | メモリ、ディスク上での検索結果ページ(クエリ文字列変数を含むURI)のキャッシュ |
データベースオブジェクトのキャッシュ | メモリ、ディスク上でのデータベースオブジェクトのキャッシュ |
オブジェクトのキャッシュ | メモリ、ディスク上でのオブジェクトのキャッシュ |
フラグメントのキャッシュ | メモリ、ディスク上でのフラグメントのキャッシュ |
キャッシュ方法 | ローカルディスク、Redis、Memcached、APC、APCu、eAccelerator、XCache、WinCacheなどのキャッシュ方法を提供 |
CSS、JavaScript、HTMLの最小化 | 細かい制御を可能にするCSS、JavaScript、HTMLの最小化 |
投稿、ページ、RSSフィードの最小化 | 投稿、ページ、RSSフィードの最小化 |
インライン、埋め込み、またはサードパーティのJavaScriptの最小化 | アセットの自動更新を伴うインライン、埋め込み、またはサードパーティのJavaScriptの最小化 |
インライン、埋め込み、またはサードパーティのCSSの最小化 | アセットの自動更新を伴うインライン、埋め込み、またはサードパーティのCSSの最小化 |
非クリティカルCSSとJavascriptの遅延 | ページのレンダリングをより速くするための非クリティカルCSSとJavascriptの遅延 |
Lazy Loadを使用したオフスクリーン画像の遅延 | ユーザーエクスペリエンスを改善するためのLazy Loadを使用したオフスクリーン画像の遅延 |
ブラウザキャッシュ | cache-control、future expire headers、entity tags (ETag)を使用したブラウザキャッシュ、”cache-busting”付き |
テンプレート別のJavaScriptグルーピング | ホームページ、投稿ページなどのテンプレート別のJavaScriptグルーピング、埋め込み位置の制御 |
非ブロッキングJavaScriptの埋め込み | 非ブロッキングJavaScriptの埋め込み |
メディアライブラリへの投稿添付ファイルの直接インポート | メディアライブラリ(およびCDN)への投稿添付ファイルの直接インポート |
複数のCDN統合の活用 | 画像の最適化のための複数のCDN統合の活用 |
WP-CLIサポート | キャッシュのパージ、クエリ文字列の更新などのWP-CLIサポート |
さまざまなセキュリティ機能 | ウェブサイトの安全を確保するためのさまざまなセキュリティ機能 |
キャッシング統計 | 任意の有効な機能のパフォーマンス洞察のためのキャッシング統計 |
拡張フレームワーク | Cloudflare、WPMLなどのカスタマイズや拡張性のための拡張フレームワーク |
リバースプロキシ統合 | NginxまたはVarnishを通じたリバースプロキシ統合 |
Image Service API拡張 | 一般的な画像形式からWebP画像形式への変換を提供するImage Service API拡張(アップロード時とオンデマンド時) |
Autoptimize

Autoptimizeは、WordPressサイトのパフォーマンスを向上させるためのプラグインです。主にウェブサイトの読み込み速度を高速化することを目的としています。これは、サイトのSEO評価を向上させるとともに、ユーザーエクスペリエンスを向上させるために重要です。
主な機能
- HTML、CSS、JavaScriptファイルの最適化: ファイルを圧縮したり、リサイズしたり、遅れて読み込ませたりすることで、ファイル容量を小さくし、サイトスピードを高速化します。
- 画像の最適化と遅延読み込み: 画像の品質を人の目ではわからない程度に落とすことでファイルサイズを減らし、また、画像の遅延読み込み(Lazy-load)機能により、ページの初期読み込み量を減らし、表示までの待機時間を短くします。
- Googleフォントや絵文字の読み込み設定: Googleフォントの読み込み方法を設定したり、絵文字の読み込みを削除したりすることができます。
- CDNの設定: CDNを有効化することで、ウェブサイトを高速で読み込めるようにします。
WP-Optimize
WP-Optimizeは、WordPressのデータベースの最適化と不要なデータの削除を行うプラグインです。データベースの最適化を行うことで、ブログのパフォーマンスを向上させることができます。
WordPressは、動的URLであるために、初回にデータベースの情報を読み込ませるところから表示の準備が始まります。データベースに不要なデータが多いと、その分だけ表示時間fが長くかかります。
主な機能
- データベースの最適化: 不要なデータを削除し、データベースのパフォーマンスを向上させます。
- 自動クリーンアップ: 定期的にデータベースの最適化とクリーンアップを行います。
- データ保持: データベースの中の「直近2週間」のデータを保持できます。
- テーブル容量確認: データベースのテーブルごとの容量を確認できます。
- 不使用テーブル確認・削除: 現在利用していないデータベースのテーブルを確認し、削除することができます。
- 一括有効化・無効化: トラックバック・コメントの一括有効化・一括無効化ができます。
WebP Express
WebP Expressは、WordPressのプラグインで、サイトの画像をWebP形式に変換することが主な利用用途です。WebP形式は、PNGやJPEGよりも高い圧縮率を持ちながら、画質を維持することができる画像形式で、サイトの読み込み速度を向上させることができます。
表示を高速化するプラグインの活用上の注意点
表示速度を高速化するプラグインは、サーバー、テーマ、ほかのプラグインとの相性があり、以下のように表示が変わってしまったり、他のプラグインが機能しなくなるような不具合が発生することがあります。
Cache系プラグインを使用する時の注意点
既に「.htaccessファイル」を編集してキャッシュ有効化の設定が済んでいる方や他のキャッシュ系プラグインを導入している方は、競合が起きる可能性があります。そのため、導入するキャッシュ系のプラグインは1つだけにしておくことが推奨されています。
また、WordPressテーマの機能に高速化がある場合、どちらか一方を採用しないと同様に競合が起きてしまいます。テーマ側が、Cache系プラグインが推奨されていなければプラグインを使わないのが良いでしょう。フォーラムなどのログインを必要とする環境では、キャッシュにより情報漏洩が起こってしまうリスクがありますので、使わない方が良いWebサイトもあります。
Autoptimizeを使用する時の注意点
Autoptimizeの設定は、WordPressテーマや他のプラグインとの競合により、レイアウトが崩れることがあります。そのため、設定を行う際には注意が必要です。特に、CSSやJavaScriptファイルの最適化設定は、レイアウトが崩れる可能性があるため、設定変更後には必ずサイトの表示を確認しましょう。
表示速度を計測する方法とは?
表示速度対策の合格点は、Googleが提供しているPageSpeed Insightsを使います。このサービスを使うと、URLを入力するだけで、表示速度についてスコアリングをしてくれます。また、問題点があるときは、具体的にどの部分に問題があるのかも表示されます。
また、Chrome拡張機能のWeb Vitalsを使うと、ページごとの評価をブラウザで表示することができます。
まとめ
ここでは、WordPressの表示の高速化に効果のあるプラグインを紹介しました。キャッシュを使った高速化プラグインや画像をWebP形式にすることで読み込みにかかる時間を短縮化することができます。
ただし、表示速度は、利用しているサーバーのスペックやWordPressテーマにも強く影響を受けます。そのため、表示速度に定評のあるサーバーやテーマを導入するの対策の1つです。
