ネット炎上とは何か?炎上を回避するためには?

ネット炎上とは?
炎上とは、不祥事や勘違いの情報が出回り、TwitterなどのSNSで急激に話題の中心になる現象を言います。その勢いが、燃え上がる炎のような勢いであるため、炎上と呼ばれます。炎上が起こると、批判の的になり、さまざまな弊害を及ぼすことになります。
ネット炎上事案
人気番組からの炎上。Googleビジネスプロフィールが非公開、Twitter・Youtubeが削除に。
人気番組のお正月特番では、人気企画の一流料理人がコンビニやレストランチェーンの人気メニューをジャッジする番組がありました。
そこで、ツナマヨおにぎりの見た目が食欲をそそらないということをシェフが指摘し、担当者が涙したことが火種になり、炎上するに至りました。食べずに不合格判定をしたようにTwitterを中心に拡散していきましたが、実際は食べており、的確なアドバイスしている姿も放送されていました。
シェフが運営していたYoutubeやTwitterとお店のGoogleビジネスプロフィールには、シェフへの誹謗中傷のコメントが殺到しました。その結果、Googleビジネスプロフィールは非公開になり、YoutubeとTwitterは削除されました。
不適切動画がSNSで拡散。謝罪することに。
飲食業のアルバイトで不適切動画が拡散し、本部が謝罪することが定期的に起こっています。友人に見せるために悪ふざけをした動画が友人に拡散され、炎上しているケースが多いようです。結果的に信頼の回復が難しいと判断したフランチャイジー企業(実質的な運営企業のこと)が閉店を強いられることが多く、悪ふざけをした本人に損害賠償請求をしている企業もあります。
人事のTwitterアカウントの発言が切り取られ炎上
採用の一環としてTwitterなどのSNSを活用するケースが増えており、人事や経営者が企業名をつけてポストするケースが増えています。
個人的な意見としつつも、経営者は会社の最高責任者であり、人事は採用の責任者です。そのため、見ている人からすれば、個人の発言としてとることは難しく、企業の意見としてリポストされ、炎上するケースが2022年に入ってから目立つようになりました。
ネット炎上はなぜまずいのか?
株価の下落につながる。
ネット炎上は、日本証券業協会の調査では、株価下落に影響を与えることが分かっています。ネット炎上が、マスメディアで取り上げられた時にそれが起こり、謝罪や反論のコメントをすることでさらに影響があります。そのため、ネット炎上の発生自体が、企業の活動にとってネガティブなものです。
負のサイテーション、UGCが量産され、業績の下落に影響する可能性が高い。
Twitterなどのネット炎上は、マスメディアが取り上げなくても、個人ブログなどで拡散されることになります。Google検索では、話題になった情報が優先的に表示される仕組みもあり、例えば、企業名や個人名で検索すると過去の炎上事案の記事が表示されることも多くなります。
人の意思決定には、損失回避性があります。これは、「損した気持ちになるものは購入しない」というものです。一度ネット炎上が起こるとなかったことにはできません。そのため、業績の下落につながる可能性もあります。
炎上を回避するには?
大衆の基準に併せた情報発信を行う。
シェフがおにぎりの審査で炎上したバラエティ番組の視聴者は、そのおにぎりを購入している客層と一致していました。過去には別の有名シェフのお店で水が有料で提供されていることがSNSで話題になったことを、シェフが反論し、顧客の年収にまで発言が及んだことから炎上しました。その結果、経営しているレストランを閉店するまでに至りました。
炎上の中心は、一般大衆であり、大衆に愛着があったり、心情を逆撫でするようなメッセージを発信すると炎上に至ってしまいます。それらのメッセージを回避した表現を選ぶことが炎上を回避することにつながります。
スタッフが悪ふざけをしないように、最悪のケースではどのようになったかを事前に伝える。
定期的に拡散される動画は、炎上させるつもりで撮影されたものではないことが知られています。仲間内でシェアした動画は、拡散されないと勘違いされているケースが多くみられます。動画は他人のデバイス(スマホやタブレット)で閲覧できるようになった時点で、画面キャプチャーなどで複製が可能です。そこで、他人の手で拡散される可能性があります。
全ての責任は、動画を撮影した人物、悪ふざけを行った人物にあり、損害賠償が発生する危険性があることを事前に伝えるべきです。
ネット炎上が発生した後のガイドラインを予め決めておく。
ネット炎上が発生することを前提に、その後の対応策を予め決定します。事案への対応はもちろんのこと、事案の悪質性を客観的に判断し、該当スタッフへの処罰を含めた対応策も含めたガイドラインを作成しておく必要性はあります。また、ネット炎上は大手だけのものだと思われがちですが、過去には小さな蕎麦屋が、ネット炎上し破産に追い込まれています。スタッフを雇用していれば、事業規模の大小は関係ありません。