【事例あり】2018年8月1日のGoogleYMYLアップデートでえげつない順位低下

マーケティングプロデューサーの小形です。8月に入り、クライアントと自社運営サイト合わせて、Googleの順位の変動が見られていました。
私のようなビジネス系のカテゴリーでは、大した下落や上昇もなかったのですが、クライアントサイトの下落が激しく、特に美容や医療に関わるカテゴリーのサイトは、例え、執筆者が国家資格を持ち、Googleマイビジネスから直リンクを貼っていても影響を大きく受けていました。
どの程度の影響を受けてしまったのか?それについて、現象のログを残す意味も込めて、記事化しておきたいと思います。
コアアルゴリズムのアップデートとは?
This week we released a broad core algorithm update, as we do several times per year. Our guidance about such updates remains the same as in March, as we covered here: https://t.co/uPlEdSLHoX
— Google SearchLiaison (@searchliaison) August 1, 2018
直訳すると、年に数回実施されているコアのアルゴリズムルールのアップデートを今週行いました。3月と同等のアップデートを行ったとの事。実際は、4月も行われていますので、今回で3回目のコアアルゴリズムのアップデートになります。
コアアルゴリズムがアップデートされたということは、検索ランキングを決定する要因がまるまる新しいものに入れ替わったということにもなりますので、7月の結果と8月の結果は全く別のものになる可能性がありますよ!ということになります。
私のこのサイトもスマホの検索ランキングを中心に微小なランキングの下落が実は見られました。しかし、これに関しては、対処を行った結果、速攻で回復しました。ですので、厳密にはコアアルゴリズムの影響を受けたのかはわかりません。
ただし、クライアントサイトに関しては、大きな順位変動が見られましたので、間違いなく影響を受けているということになります。
事例1:歯科のウェブサイト
医療系のカテゴリーは、昨年末に日本で独自に行われました健康アップデートに続き、さらなる追い討ちが全体でかけられたということになります。
基本的に医療従事者に監修されているコンテンツを主に扱っているキュレーションサイトや医学的根拠を示すことが不十分とされているアフィリエイトサイトが対象にランクダウンを起こしているのですが、そんなのお構い無しに下がっているケースもあります。

上記は歯科医院のサイトです。オウンドメディアを組み込むことでアクセス数を獲得しており、はてなブックマークなどでホッテントリに登録されるようなコンテンツも含まれています。
監修ではなく、自分で書いているのにも関わらず、ページビュー数では約半減しています。
そして、その原因は明確にわかっています。

サーチコンソールの検索アナリティクスの結果です。8月になった途端に、 検索経由のアクセス数が1/3になっています。

検索キーワードの例として、親知らず系のワードがあるのですが、ほぼ2位に表示されていたのにも関わらず、7位〜8位に順位が低下しています。

この順位の変動は、あからさまにクリック数にも影響しています。
ちなみに、1ページ目から圏外に飛ばされているキーワードも存在しており、歯科医師が書いているサイトなのに、ひどい有様です。もちろん、コンテンツの品質が悪いのかと言われれば、従来上位表示されているため、正直そんなことはありません。

ちなみに、12月6日前後の健康アップデートの時と今回を比較しても下落の具合が今回のものが大きかったです。
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事例2:薬局

上記の歯科医院よりひどくはありませんが、下落していることがわかります。
今回のアップデートで下落した場合の対処方法
現在、順位が下がったWebサイトの抜本的な回復は残念ながら見られていません。
9月に入って、屋号や特に専門性を求められない記事が一律でランキングの回復が見られていますが、特に高い専門性が求められるキーワードでは回復が見られておりません。
対策は、医療機関としての信頼性をWebサイトに付与すると共に、Webサイトの被リンク対策及びサイテーション対策を実施します。
ランクダウンしなかった医療系サイトの傾向を分析し、自社コンテンツに反映させる。
コンテンツの品質をあげることが唯一の対処方法と紹介されていますが、前回のアップデートで下がらなかったコンテンツが今回は下がっていることもあります。
キーワードによっては、公式サイトや有名メーカーを優先して上位表示しているキーワードも存在しますが、そうじゃないキーワードでは下がらなかったコンテンツを見ることで、何が医療系コンテンツとして良いものとみなしているかがわかります。
自社コンテンツとの差をみて、コンテンツの改善を行うことで、順位の回復が見られるかもしれません。
順位の低下が見られなかった医療系コンテンツの特徴
・専門性が高いコンテンツで占めており、医学的に根拠がない領域のコンテンツが少ない。もしくは存在しない。
・被リンクが医療に関連する、しない問わず影響力の大きいWebサイトからリンクを取得している。
・読み物系コンテンツは、医学的に根拠が示されている上で、十分なコンテンツ量を保有している。
GoogleマイビジネスのURLに設定する。
医師が書いている公式サイトであることを認識させることが、情報の信頼性を高めることになるわけですから、医院の公式Googleマイビジネスからリンクを設置することが対策方法になるはずです。
ただし、URLは、オーナー以外でも変更ができてしまうため、Googleマイビジネスは、ビジネスオーナー登録を行い、Googleマイビジネスの情報の信頼性も高める必要性があります。
信頼されている医療系サイトからリンクを設置してもらう。
医療機関として認識される方法としては、被リンクも方法の一つです。例えば、他の医療系サイトからリンクを設置してもらうことによって、そのウェブサイトも医療機関であることを認識させることが可能なはずです。
医療系のサイトに登録したり、医療系のオウンドメディアにネイティブ広告を出稿することも医療機関として認識させるのには有効な手段のはずです。
被リンク及びサイテーションの獲得を行う。
被リンクは知っている人が多いと思うのですが、サイテーションは知られていません。サイテーションは、被リンクのように直接評価を渡すものではなく、nofollowが設置されているもの、ブランド名が言及されていることなど評価を渡すものではなく言及されているものを総合的に指します。
これらの対策を実施することが、SEOだけではなくMEOにも有効とされています。
対策の例としては、プレスリリースを実施する、無料で登録が可能な媒体に自身の情報を入力するなどがあります。
また、SNSが口コミが集まる場であり、それらの評価が全くされないこと自体が考えづらいです。SNSでも言及されるような対策の実施が必要になります。
論文や権威のあるWebサイトへのリンクを設置する。
専門性の高いコンテンツの代名詞は、論文です。
論文とは、言及される結論が、再現性のある実験や正しいことが前提の論文で発信された既成事実を組み合わせて言及されるものです。掲載に必要な情報として、実験を実施するに至った仮説、その実験のプロセス、そして、事実が正しいものとされる論文の引用元、結論が必要になります。
そこまで書く必要があるのかと言われると、目的は上位表示だけではなく、そこからの集客であるので、そこまで突っ走る必要性はないと思います。論文のテイストで記事を書いても、素人にわからないのであれば上位表示しても大した意味がないからです。
ただし、そのコンテンツの信頼性を担保するものが、信頼される既成事実であることは、ここからわかると思います。
信頼される論文からの引用や権威のある医療系のWebサイトからの引用は、そのコンテンツを執筆している著者の専門性を担保することにも繋がる可能性があります。
もちろん、単純なペナルティーの類の問題の可能性もあり。
YMYLという言葉に注目されるアップデートだったわけですが、従来のアルゴリズムも平衡して動いています。
例えば、構築したリンクが自演と判定されれば圏外に飛ばされることは当然のことでしょうし、相対評価でコンテンツの評価がよくなければ順位が低下します。
順位の回復が見られた対策
様々なWebサイトでも回復の報告がありましたが、被リンク及びコンテンツの見直しは順位回復に効果が見られています。2019年3月14日周辺のコアアップデートで、ランキング付けがおかしかったキーワードでのランキングが改善されました。
被リンクの見直し
特に大昔のSEOの遺産とも言える相互リンクや中小検索エンジンへの登録を実施している場合は、今現在もそこからリンクされている可能性が高いです。
現在の医療系の検索エンジンのアルゴリズムは、信頼性の高い医院のWebサイトなどを優遇しております。そのため、あまりにも中小検索エンジンなど関連性のないところからリンクが多いと専門性が希薄になります。そのため、サーチコンソールにて、リンクを確認し、選択的にリンクを否認します。
コンテンツの見直し
特にブログを同一ドメインで書いている場合に注意が必要です。
相談があった医療系サイトの全般で言えることなのですが、ブログを好きなもの、もしくは非論理なコンテンツを量産している傾向があります。Googleアナリティクスのランディングページの項目を見ると、案の定ブログページのアクセス数が急激に減っており、それに対して、本来の医院のページのアクセス数はそこまで下がっていませんでした。
ここからブログページは少なくとも検索エンジンからは評価されていないという仮説が生まれます。案の定、ブログの削除、もしくは書き直しで順位回復が見られました。
まとめ
医療系のカテゴリーは、昨年から続き荒ぶっていますね。人の健康に関係することですので、仕方のないことですが、医療従事者のサイトまで下がってしまうのであれば、求められるコンテンツの品質が高すぎて、医療機関の選択を逆に阻害してしまうのではないかと心配しています。
また、整体院のウェブサイトや美容系のキーワード、金融系でも順位変動が大きいそうなので、最近の検索エンジンを巡る社会問題(医療系情報の信頼性、仮想通貨などの詐欺防止)が適用されている印象です。
なお、この分野のコンサルティングは、パートナーコンサルタントとの協業にて現在対応しております。
今回のアップデートは放置していても回復はまず望めないと考えられるため、対策を実施する必要性があります。