集客の対策は新規が先か?既存が先か?
集客の話になると、間違いなく新規顧客の獲得からのお話のスタートになります。
新規顧客獲得ができていない実感がある、Googleなどの口コミへの参入が原因で、ポータルサイトからの集客が減少し、費用対効果が悪化しているなど、危機感を抱く理由はさまざまです。
もちろん、新規顧客が増えない限りは、アクティブな顧客数が減ってしまいますので、着眼点は間違っていません。
しかし、問題は、その顧客を必要としている理由が、新規顧客が定着せずに数打てば当たると考えている場合です。結論から言いますと、新規顧客を獲得する前に、獲得した顧客を3回来店させるまでのシナリオ作りをすることが優先です。
なぜ、新規顧客を先にしてはいけないのか?

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新規顧客の獲得には、お金がかかります。ポータルサイトの場合、今では数万円程度の出資では、激戦区の場合3ページ目以降に表示されるということは珍しくありません。
これは、自分が顧客の立場になって考えると、3ページ目までじっくり見て決めるということはありえません。
つまり、ポータルサイトから集客したいのであれば、上位表示を前提にして戦えるプランでなければ、そこに集客を頼ることができないことがわかります。
それで実際良い結果になるのかと言われるとそうではありません。飲食店の場合、2回目の来店を約半数がしないと言われているからです。そして、3回来店をするまでには、約8割の顧客が離反します。
集客の難易度が高く、集客のコストも高い新規顧客の8割が黙っていなくなることを考えると、それをそのままにすれば当然儲かりません。
新規顧客の集客に集中するということは、これ以後の8割の離反をそのままにするということにもなり、延々と新規顧客の集客に追われる原因を作ってしまう結果を導いていることになります。
3回目の来店を意識する必要性はなぜ存在するのか?
3回既存10回固定の法則というものがあります。特定の期間内に3回来店することで、こちらからアプローチしなくても来店してくれるようになり、10回来店した顧客は常連客と言っても良いという法則です。
10回来店で10%キャッシュバックのポイントカードが多いのは、10回固定の法則からです。
しかし、実際考えてほしいんですが、「10回来店したら、こんなにおとくですよ」と言われて、ポイントカードとレシートを一緒に手渡してくる店員に何か言いたくなりませんか?「10回って、そんなにこないと何ももらえないのかよ。」と。
正直、こんなポイントカードはいらないわけで、それなら、キャッシュバック率の低いTポイントをもらった方が何倍も嬉しいことになります。
そのため、目を向ける必要があるのは、3回既存の法則です。3回の来店をどのように作るかで、顧客の離反を最大限に抑えることができ、アクティブな顧客数の総数の目減りを抑えることが可能になります。
3回利用するまでのストーリーを作る。
3回利用を行わせたいので、他の施策とは別個に考えます。
期間内の3回利用をKGIに設定し、それまでの指標を明確にして管理します。
1.期間の設定を行う。
まず必要になるのは、期間の設定です。1ヶ月間と何も考えずに設定するのは無謀です。常連客の平均来店頻度を算出し、そこから無理のない期間を割り出します。
無理のある期間設定で施策を組むと、強引な売り込みが発生します。あくまで理想の来店頻度というものがそれぞれにあると思いますので、それ以内に来店してもらえればいい程度の考えを持ち、離反の原因を無駄に作らないことがポイントです。
2.ツールの選定を行う。
3回目の利用をさせるまでに何をメインのツールとして利用するのかを決めます。1人の顧客を3回利用させるわけですので、複数のツールにまたがるととにかくかさばります。
ポイントカードであれば、3回来店した時点でもらえるものを設定します。例えば、半年以内に3回来店していただければ、サイドメニューが無料などがそれに該当します。
また、こちらから来店のきっかけを提示して、来店頻度をコントロールするためには、SNSが適しています。そのため、LINE@を活用するなどの選択肢があります。
3.2回目の利用までのコミュニケーション戦略はどのようにするのか?
前述の通り、ほとんどの顧客は、2回目の購入を行うことがありません。この部分をどのように減らすかが、集客においての最重要な部分と言っても過言ではありません。最悪、この部分さえよければ、新規顧客は、獲得予算をあげても問題がなくなるためです。
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例えば、ベタなことで言えば、1回目来店の直後にお礼の手紙を出すことも離反を防ぐ方法になります。3回目来店までの期間を半年と決めていれば、2回目来店を達成するまでの期間は2〜4ヶ月の間でも構わないことになりますので、この期間用の手紙やDMを用意しておくと良いでしょう。
通販の場合は、ステップメールの活用を行います。ステップメールは登録時や商品購入時から計算して、決まったタイミングに決まったメールを送信するツールになります。
もっともリーズナブルなところで言えば、アスメルが該当しますが、アスメルの場合、成果の算出は自分で行う必要性があります。予算を割り振ることができる売上があるのであれば、willmailなどの高機能な分析機能や配信環境がトップクラスのメール配信システムを導入するのもありです。
どちらも共通して言えることは、来店の経過に応じたメッセージでコミュニケーションをとる戦略をとっているということです。
目標 | |
1段階目 | 新規顧客へのツールの配布数、配布率 |
2段階目 | 決められた期間内の再利用数 |
3段階目 | 決められた期間内の3回利用数 |
まとめ
新規顧客のリピーター化は、新規顧客獲得に使える予算幅にも影響しますので、重要な視点です。この部分を軽視すると、広告予算をざるに流していることと一緒ですので、獲得単価が高いことを嘆くことになります。
1:5の法則というものがありますが、実は私が新卒の頃は1:4の法則と言われていました。この法則は、新規顧客の獲得が固定客に再利用してもらう費用に比べて、5倍高いという法則です。インターネットを使った集客方法が定着化するにつれて、この費用はどんどん収縮しますし、自社媒体の充実化を行えば、さらに10分の1まで減らすことも可能になります。