店舗の開業の失敗を防ぐために考えておくべきこととは?

飲食店の店舗数は減少傾向にありますが、競争は相変わらずです。平成28年経済センサスの速報によると、店舗数は1.5%減少していますが、平成23年と平成27年の売上比では、31.5%の増加がみられます。
これは100%希望が持てる数値というわけではなくて、付加価値額も32.3%増加していることからも経営の統廃合による市場の寡占化が進んでいるということです。強い飲食店がますます強くなっているということですね。
また、美容師の世界は、独立してなんぼの世界です。そのため、毎年のように店舗が増加します。
参考:美容室で一番の激戦都道府県は、なんと秋田県だった!?
このような状況の中で、失敗を防ぐために考えておいた方がいいと思うことを記します。
1.開業後の集客をどうするのか?
人脈に恵まれて、品質も抜群!
みんなそんな状態で開業できれば良いのですが、そうではありませんね。
強力なコンセプトを持って、山の上でも繁盛している珈琲屋やレストランは確かにありますが、これには運もかなり必要になるため、わざわざ不利になる条件で開業する必要はないんじゃないかと思います。
もちろん、良い立地はそれだけ家代が高いです。そのため、ちょっと離れた立地に劣るところからスタートするわけですが、そこで絶対困ってくるのは集客です。「遠いからうちのお店までなかなか来てくれない。」と。
チラシの反響率は1000枚撒いて1人の世界なので、投資対効果はよくありませんし、即効性のあるみなさんがよく知っているポータルサイトも高いですよね。数十万投資している人もいるため、それに張りあう投資ができるのかといえば、なかなか難しいです。
この辺を甘くみすぎた結果、「思ったより人が集まらない、どうしよ?」と悩んでしまうわけです。
そのため、開業前にどのような集客方法を行えば、そのお店に人が来てくれるのか見えた状態での開業をオススメします。
また、人件費を節約しすぎて、自身がぶっ倒れるまで仕事するパターンもありますが、これは周辺の出店、市場の動向などの外部環境の調査ができなくなりますし、当然体力も無くなりますので、愚策です。
店舗ビジネスの場合、集客がかなり重要であることから、ここにオーナーである自身が全く手をつけられなくなれば、安定した売上を作ることが困難になります。
2.独自性をどこに置くのか?
競合が多い店舗ビジネスの場合は、閉店数も多いですが、出店数も多いです。そのため、店舗の循環が非常に早く、気がついたらちょっとした繁華街の飲食店の店舗が全く違う顔ぶれになっていたなんてざらです。
そんな中で、長く生き残るためには、やはり根強いファンを獲得することが重要だと考えます。根強いファンというのは、その店舗の独自のカラー、つまり経営方針やサービスについて来ます。
ちょっと話はずれますが、テレビ東京で居酒屋ふじという深夜ドラマが放送されています。このドラマはamazonプライムで見逃し放送をみることができます。
親父とお母さんの2人が経営している居酒屋ふじ。ハチャメチャな過去をもつ亡き親父が、お母さんの夢のために居酒屋をオープン。その人間性のファンになり、芸能人もお忍びでやってくるというようなストーリーですが、昭和の下町の人間劇のようなドラマです。
こういった店舗の場合は、その料理の味が好きということもありますが、常連が住み着く理由は、やはりそこに行くと楽しいと思っているからです。このような店舗になったのは、分け隔てない親父とお母さんの人間性もあったと思いますし、昔ながらのサービスもしたでしょう。顧客間との距離も近く、他では味わえない第二の家みたいだからといって住み着くわけです。
もちろん、これは戦略的にやっていることではありませんし、これで儲かるのかと言われれば、完全に場所によるといった回答になります。
どうありたい、どうあって欲しいのかを明確にし、そこに至るための筋書きが書けるのかが独自化の焦点になります。
3.口コミの対策はどのようにするのか?
集客の究極系は、やはり口コミで人が集まってくることだと思います。
「料理が美味しければ、サービスが美味しければ、口コミが自然と広がって、、、」と描きがちですが、普通はそんなに良いお店であれば、紹介せずにいつも入れるようにしたいと思うのが顧客側の心理です。
口コミでどんどん紹介が増えるというのは、コミュニティーを持った人を対象にしなければなりませんし、浸透にも時間がかかります。つまり、何もせずに口コミが発生するのは運頼みということになります。
そのため、紹介制度の充実など、できる限りの口コミ対策をあらかじめ用意しておくことが重要になりますし、気軽に友人を連れてこれるような立地の候補地を選ぶことも重要になるでしょう。
続きはあとで。