いきなりステーキでも使われているマーケティングは?

いきなりステーキ(正式には、いきなり!ステーキ)が店舗数が300店舗を突破し、運営母体である株式会社ペッパーフードサービスがナスダック市場で上場しました。

そこで、ナスダック市場上場記念キャンペーンとして、ワイルドステーキ300gを1,000円(税別)で提供するなどが実施されました。

いきなりステーキは、徹底的なマーケティングを実践している店舗としても知られています。

マーケティングは事業の活性剤です。マーケティングを考えていない店舗が多く、実際相談から始める店舗もマーケティングは何もやっていないというケースがとても多いです。

そこで、どんなことを各施策を実施しているのか、客観的な視点で解説をしていきたいと思います。

また、飲食店で使われるようなマーケティングの考え方は、人気コンテンツである「飲食店の集客必勝法24選!繁盛店もやっている飲食店サバイバル集客法」もしくは、「飲食店の売上アップ・集客の増加をするための具体的な手法と考え方【2018年改訂版】」に書いています。

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目次

肉マイレージカード

肉マイルとは、いきなりステーキのポイントカードの通称で、1人に1枚という単位で使われます。会計の金額ではなく、実際食べたグラム数がカウントされることが特徴で、グラム数によってカードがランクアップします。

ランクは、メンバーズ、ゴールド、プラチナ、ダイアモンドに分かれており、主に、バースデー特典、店舗で使えるクーポンの発行、毎回の来店特典(ドリンク)が徐々にランクアップする仕組みになっています。

ランクアップの仕組みは、ロイヤリティを高める手法の一つです。つまり、1回来店した人を何度も足を運ぶ固定客にするためのツールの一つになります。

ランクアップの仕組みは、ユーザーの来店意欲を高めます。いきなりステーキではユーザーランキングを発表しており、上位の競争を促しております。

また、運営側は、ユーザーを視覚的に色分けすることができますし、活用しやすい形のデータの収集も実施することができます。

ちなみに、この仕組みは特許で守られているため、まんまのシステムで固定客化対策を実施すると、特許侵害になります。(ステーキの量り売りの特許は無効化されています。)

アプリの導入

肉マイレージカードは、スマホのアプリ版も存在します。

スマホアプリの活用は、同一ブランドで多店舗展開しているか、顧客が回遊する関係にある複数ブランドで密集出店をしている場合に選択します。これは、独立したお店アプリは、スマホを更新する度にアプリの削除のリスクがあるためで、ブランドに力がない場合は、削除のリスクが少しでも小さいLINEやメルマガを選択します。

また、マネーチャージ機能も実装しており、売上が料理提供時ではなくチャージ時にまとまった金額で入る、チャージ機能を活用していれば、アプリの削除のリスクが低下するなどがあります。マネーチャージには、ボーナスが存在するため、肉マイルに力をいれている人や赤身肉を健康のために食べようと思っている人にとってはお得に越したことはありません。

コラボ

いきなりステーキはコラボを頻繁に行なっているで有名な企業です。

アプリでのチャージボーナスの話を書きましたが、それよりもお得な10%お得なプリペイドカードをコストコで販売しています。(コストコへの入会金が4,000円ちょっとかかりますので、マネーチャージ機能を活用しているユーザーが一概に損をしているとは言えません。)

また、入れ歯でステーキと題したコラボをコンフォートと行なっていたことも知られています。簡単に言ってしまえば、入れ歯を注文された人に3000円分のクーポンをいれた肉マイルカードをプレゼントしているということです。このコラボで、お肉を食べて欲しいと思っているお子さんなどからのプレゼント需要による入れ歯の発注が増加したということだそうです。(現在、このキャンペーンはやってません。)

コラボは、お互いがWIN-WINになる関係で実施されます。例えば、ガストと吉野家の定期券クーポンのコラボは、お互いが持っている顧客を送客し合うことを目的としています。

実際、ゼロから顧客開拓を実施する場合は、費用と時間を費やすことになるのですが、コラボの場合は、お互いが持っている資源を活用するため、費用も時間も節約した上で、今までと違った流れを作ることができる手法として、本来は広く実施されています。

期間内に2個スタンプで特典に応募の権利獲得

ナスダック上場のキャンペーンの第一弾として、”期間内にスタンプを2つ集めると3,000円分の肉クーポンを抽選でもらうことができる”というものが実施されていました。

この2個というのは、おそらく3回来店の法則から設定したものだ思われます。

3回来店の法則とは?

3回来店を特定の期間内に実施すれば、その後、こちらから積極的に働きかけをしなくても自然に来店するようになるという法則です。

この場合、3回来店ということになりますが、期間設定を見て見えると、9日~18日と実質10日間と短いため、2回の来店をここで稼ぎ、あとはアプリなどから働きかけることで、3回目の来店を稼ぐことを狙っているのではないかと思われます。

390円引きのセットがある店舗よりも圧倒的にワイルドステーキの390円引きがインパクトがある理由とは?

嫁が、ふとしたことを口にします。

ケンタッキーにも同じくらいの値引きを実施していて、1,000円程度のセットがあるのに、いきなりステーキのワイルドステーキを食べる人が多いのか?

これには、考えられる理由は、いくつかあります。

ケンタッキーの値引きは、珍しいことではない

結構頻繁にやっているのを見るよね。だから、また食べる機会がある。

こんなことを感じている人が多いと想定される可能性です。

やはりたまにしかやらないので、話題になっていた

私もTwitterでこのキャンペーンの存在を知りました。そして、そのステーキを食べにわざわざ店舗に出向いています。

そもそも、いきなりステーキは、55%の高い原価率で設定していることで有名になっています。そのため、29%の割引に該当する今回の値引きは、利益が全く出ない計算になります。それどころか、売れ方次第では、赤字になる可能性もあります。通常100円の肉マイレージカードを無料配布も並列して実施していましたので、今回の値引きは、あくまでロイヤルティの高い顧客の士気を高める感謝祭という側面と新規の顧客を掴む宣伝である側面があっての実施と考えられます。

ちなみに、原価率30%が飲食店では常識になっていますが、黒字店舗の原価率は、これよりも高く設定されています。ただし、販促費も高騰化しているため、原価率を高くすることで競争力を高めるのか、プロモーションで差を出すのかは判断が分かれるところです。

まとめ

肉マイルの仕組みは、肉を食べた金額ではなく、食べた量がポイントになる仕組みであるため、良い肉を食べるのではなく、たくさん食べる人の方がランキングの上位に出やすい。そのため、お財布事情ではなく、どれだけいきなりステーキの肉を愛しているのかの指標になり、競争意欲を沸かせる面がある。

ランクアップの仕組みは、固定客化を目的にしたもの。ただし、一回の食事が300gと想定すると、最初のランクアップには、10回の来店が必要。最初のランクアップはもっと短い方がいいのではないかと思っている。

短期で3回来店すると、あとは自然に来店しだす3回来店の法則を意識すると、集客のベースを作りやすくなる。(3回、10回来店のシナリオを考えるといいかもしれない。10回来店は、固定客化の法則によるもの。)

値引きする場合は、その後の集客もセットで考える。ただ安く提供するだけのイベントは、その後の集客を悪化させる傾向にあり、常態的に値引きに頼る体質を作る元になってしまう。必ず、固定客化施策との組み合わせが必要になってくる。

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