新規顧客とは
新規顧客とは、自社のサービスや商品の購入経験がなく、初めて利用する人のことを指します。
新規顧客の獲得は、経営的な意味合いでは成長です。これに対して固定客化、リピーター対策は安定を意味します。
新規顧客の獲得ができなければ、顧客離反により客数が目減りし、固定客に依存するビジネスモデルになっていきます。結果的に、固定客の高齢化に伴った大量の顧客離反の時期がビジネスの寿命となります。
新規顧客を獲得するためには
新規顧客を設定する。
新規顧客は、提供している商品やサービスの利用が未体験です。そのため、存在を知られていない可能性が高いです。そこで広告を出稿するわけですが、なんでも良いわけではありません。対象にするべき新規顧客がライフスタイル上でよく閲覧しているものでなければ意味がありません。
ここで登場するのがペルソナです。ペルソナは対象顧客に仮の人格を与え、対策を具体化する一つの方法です。ペルソナの設定は、上位の固定客を数名ピックアップし、アンケートなどでヒアリングします。
新規顧客が閲覧する媒体に広告を出す。
例えば、ポストが圧迫されるくらいポスティング広告が多い地域で、ポスティング広告の費用対効果が高いとは考えづらいです。それは、住民がポストから読まずにゴミ箱に広告を捨てることをライフスタイルにしている可能性があるからです。
アンケートの結果から、よく閲覧されている媒体を割り出し、広告を出稿します。この時、安さで集客してしまいがちですが、客質の低下を招く結果に繋がります。適切な媒体と魅力的なコンテンツを用意することで、値引きによる集客は選択肢には入れません。
ただし、ソフトウェアなどの場合は、成約までマーケティングオートメーションにより手間をかけない方針をとっています。また、実際に利用してみないとわからないことが多いですので、一般的には一定期間無料のフリーミアム戦略をとっていることが多いです。
購入方法、予約方法を明示する。
購入しづらいなどが原因で、購入を諦めることがあります。
例えば、大きく電話番号を記したり、ネットで予約ができるようにしたり、決済までできるようにしたりします。
コンテンツマーケティングにより検索できる情報は豊富に用意する。
消費者行動では、スマホの普及により、まず検索します。そこでなんの情報も出ないのであれば、まず怖くて購入できません。
そのため、ブログ、SNS、各種媒体で自身の魅力が伝わるコンテンツを積極的に情報発信します。
また、消費者発信のUGCは、個人消費であれば新規顧客の意思決定を促す重要なコンテンツです。SNSなどのポストを行いやすいようにする工夫が新規顧客を増やすことにも繋がります。UGCの増加には、各コミュニティーに影響力を持つマイクロインフルエンサーやナノインフルエンサーを取り込むことが重要です。
新規顧客に対する重要な視点とは?
新規顧客獲得と固定客化はセットで考えなければなりません。顧客離反してしまえば、獲得できる利益が小さいままだからです。
ここで期待値と体験価値が登場します。体験価値とは、実際にそのサービスや商品を利用してみたユーザーが感じた心理的な価値のことで、消費者ごとに体験価値は異なります。
期待値を体験価値が上回ることが重要です。例えば、松坂牛を使っていることをキャッチフレーズにしているのに、適切な調理方法をしていなければ、「自分の方が美味しく作れる。」と判断してしまいます。この店舗には、2回目の来店はないという判断はこの時に行います。
同じ飲食店でも駅から近い立地の店舗は、料理の質を求められているわけではなく、長く話ができる空間が価値と判断されている場合があります。この場合は、空間に付加価値をつけることで新規顧客の固定客化が望めます。