客数×客単価の矛盾

売上アップを考える時に、集客の視点では、古くから客数×客単価で考えるのが一般的でした。しかし、売上はごく少数の上位顧客が全体の大半を占めるため、顧客全員を平等な評価で考えることに矛盾が発生しました。

そこで、深い付き合いの度合いを示す指標である購入頻度に分離することで、固定客化の視点を客数×客単価の計算式に加えます。

客数×客単価×購入頻度

客数

顧客の構成は、新規顧客、既存顧客、固定客(常連客)、離反客の4通り。
客数との関係性は以下の方程式で表すことができます。

客数=新規顧客+固定客(既存客含む)×平均購入頻度-離反客

客数の増加は成長を意味します。パレードの法則により2割の上位顧客が全体の8割の売上を作ることから、固定客を重視する考え方が一般化しましたが、客数を増やさない限り、離反客は発生するため、時間と共に客数が減少し、全体の売上は徐々に減少していきます。さらに、固定客に合わせたサービスは、対象年齢の徐々に高齢化を促し、結果として健康や離職による顧客離反で大きな売上ダウンを招く原因になります。

客単価

客単価は、安ければ良いと考えている人もいますが、実はそうではありません。

客単価は多くの場合は、客の質を決定します。例えば、激安のスーパーと高級スーパーの客の質は明らかに違います。実際に運営してみるとわかるのですが、クレームなどの質もかなり異なります。

また、客単価が低いと、儲けが少なくなる上に販促費を捻出することができません。結果として、新しい顧客獲得が自力でできなくなり、新規の対策が取りづらくなります。

購入頻度

購入頻度は安定性を表します。購入頻度が高いほど、1人の顧客の再購入回数が多いことを意味しています。

新規顧客の集客コストは既存顧客の再購入を促すコストの5倍です。このことからもわかる通り、新規顧客よりも既存顧客、固定客の方が利益率は高くなります。

購入頻度の改善には、体験価値の向上及び関係性マーケティングの導入が効果的です。特に体験価値の向上は必須です。

体験価値とは簡単にいうと、心理的に感じたその商品やサービスへの価値基準なのですが、この体験価値が低いと再購入はそもそもありません。関係性マーケティングを導入したところで、登録や熱心にメッセージを閲覧されることがないからです。

まとめ

客数×客単価のみの視点の場合、売上を大幅に上げる固定客化の視点と顧客離反の視点が抜けがちになります。

安定した売上アップには、購入頻度の向上を考慮する必要性もあり、この対策の実施が求められます。

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