居抜き物件とは?飲食店が居抜き物件を選ぶ時に注意すべきポイント
飲食店における居抜き物件は、前の店舗が使用していた厨房設備や客席の内装をそのまま引き継いで利用できる不動産物件を指します。
新規出店や店舗拡大を考える飲食事業者にとって魅力的です。それは、厨房設備や店舗内装が既に整っているため、新規に一から店舗を立ち上げる場合と比べて、初期投資を抑えられます。また、内装工事や設備導入の期間が短いため、迅速な開業をすることができます。
ただし、前の店舗のコンセプトや料理のジャンルによっては、設備や内装が自身の店舗プランに適さない場合もあります。そのため、物件選びの際は、既存の設備や内装が自店のコンセプトに合うかどうかを慎重に検討する必要があります。
居抜き物件の注意点とは?
設備が綺麗に残っている居抜き物件の場合は、注意すべき点が多いです。
例えば、綺麗に設備が残っていることは、短期で前回の飲食店が閉店に至っていることになります。この時の閉店理由が立地による集客の問題、顧客単価を上げることができない問題、人材採用ができずに営業が持続できない問題であれば、同じ立地に何も考えずに出店した時に、同じ原因で閉店に至る可能性があります。
また、居抜き物件は転貸の可能性があることは、契約時に注意すべき重要な点です。転貸とは、賃借人が賃貸人の承諾を得て、借りている物件を第三者に転貸することを指します。
- 契約関係の複雑化 転貸の場合、元の賃貸人、転貸人(前の店舗経営者)、そして新たな賃借人(あなた)という三者間の関係が生じます。これにより、賃貸借契約の内容や責任の所在が不明確になる可能性があります。
- 権利関係の確認 物件の所有者や、誰が賃貸借契約の当事者なのかを明確に確認する必要があります。転貸の場合、直接の契約相手が物件所有者でない可能性があるため、注意が必要です。
- 承諾の確認 物件所有者が転貸を承諾しているかどうかの確認が不可欠です。無断転貸の場合、契約解除のリスクがあります。
- 賃借人の債務不履行 賃借人と賃貸人の契約で債務不履行が生じ、契約が解除されると、転貸も解除されます。
まとめ
居抜き物件は、開業コストを節約できる点で魅力的ですが、その立地で勝負ができるのかを検証することがとても重要です。居抜き物件があるということは、何らかの原因でその立地で、以前の飲食店が閉店しています。その原因がわからないと、同じ問題に直面しやすくなります。例えば、広告をかけても、なかなか集客ができないなどの問題を抱えることは考えられます。
また、複雑な賃貸契約になっている可能性もあり、自身の債務不履行に関わらずに店舗の明渡しをしなければならないリスクが増します。必ず、居抜き物件を探す時は、契約の詳細まで確認をしましょう。
最終更新日 : 2024年7月25日