店舗アプリとWebサイトの違いとは?どちらを導入するべきか?

「今は、ほとんどの人がスマホを持っており、店舗アプリの方がサクサク動く。高機能だし、店舗アプリの方を導入した方が良いように思えています。」という店舗のマーケティング担当者も多いでしょう。
実際、Webサイトと店舗アプリでは、店舗アプリがWebサイトのようなビジュアルを意識して開発されていますので、非常に見た目はよく似ています。しかし、この2つは全く異なる用途で使われますので、しっかりと違いを把握しておく必要性があります。
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最大の違いはダウンロードの必要性

Webサイトは、インターネットに接続し、各ファイルが格納されているサーバーと通信をしてデータを読み込む方式です。それに対して、アプリは、ダウンロードを行う必要性があります。つまり、ファイルは自分のスマホやタブレット端末の中に存在することになります。
この違いは、実は通信速度や実装できる機能に大きな差を及ぼしてきます。
例えば、Webサイトの場合は、新しいページを閲覧するごとに新規のファイルを読み込みます。キャッシュにより、通信速度は2回目からの閲覧の場合は、軽減されますが、初回では、必要なファイルをそのまま読み込んでいることになります。そのため、Javascriptのファイル数が多い演出重視のWebサイトや画像を圧縮せずに表示しているWebサイトでは、現環境の4Gで閲覧した時に、閲覧しづらい事態が発生します。
特に、東京や大阪などのいわゆる大都市では、Webをモバイル通信で閲覧する時間と環境は、通勤や帰宅の電車の中ですので、同時接続になる場合が多いです。そのため、ファイル数の多いWebサイトの場合、表示になお時間がかかってしまう可能性が高くなります。
これに対して、アプリの場合は、ファイルをダウンロードしてから閲覧しますので、データを閲覧するのは、アプリの方に軍配があります。また、スタンプやクーポン発行などのいわゆる顧客ロイヤリティを高めるための機能やBeaconを活用した通知など高度なマーケティングを実施することができます。
新規顧客の獲得にはWebサイトが良い。
最大の違いは、ダウンロードの有無です。そのため、アプリはダウンロードしなければ閲覧することができませんので、新規顧客の獲得に活用することは難しく、新規顧客の獲得には、ダウンロードの必要がないWebサイトを活用します。
ただし、Webサイトは構築しただけでは新規顧客を集めることができません。閲覧されなければ意味がありませんので、SEOやリスティング広告などのマーケティングを行う必要性があります。
固定客育成にはアプリが良い。
お気に入りの店舗の情報を獲得する場合は、LINEや店舗アプリを使って情報を獲得する傾向にあります。
ダウンロードしたファイルが継続してモバイル端末の中にあり続ければ、こちらから積極的にスマホに向けて情報を配信することが可能です。
また、同じ用途で活用した携帯メールマガジンは、行政法による規制がありますが、アプリの場合は今のところは行政法による規制が存在しません。そして、メールとは違い、受信フォルダがユーザーによって運営企業が違うなどの問題もアプリには存在しないため、情報を発信しやすく、チェックの有無はあるもののシステム側の問題で情報が届かないということはありません。
店舗アプリ運用の問題点とは?
ここまでの情報を見ると、店舗アプリの選択肢も良さそうに思えますが、店舗で運営する以上大きな留意点も存在します。
いくら顧客側のスマホ保有率が高くなっても、アプリをダウンロードして設定してもらわない限り使えないという事実です。
アプリを提供するASPは、簡単に登録できるというでしょうが、空メール配信ですらできないお客様も存在しますし、他人のスマホほどよくわからないことはありません。スタッフ全員に登録の講習をしたとしても、登録の方法がわからず、積極的にダウンロードをおすすめできない運用上の問題点が必ず出てきます。
そして、ダウンロードさせれば良いわけではありません。そのダウンロードしたファイルがモバイル端末の中に存在し続ける必要性があります。アプリは登録は難しいですが、削除は簡単です。長押しして、削除もしくはアンインストールを選択するだけで削除されます。また、機種変更の際も、店舗アプリを引き継いでもらわなければなりません。
つまり、運用のハードルが非常に高いということです。使い慣れないオリジナルの店舗アプリであれば、混乱することは間違いなく、綿密な調整を前もって行う必要性があります。
LINEと独自の店舗アプリのどちらを選択するのか?
例えば、イオンなどは各店舗でLINEを過去に活用していましたが、現在はオリジナルの店舗アプリに完全に移行しております。各業界でシェアの高いブランドも同様にLINEからオリジナルのアプリに変更しております。
この理由は、当然そちらの方が都合が良いからであり、どのような環境でも店舗を訪れたように買い物ができるオムニチャネルや連動しているクロスチャネルの実現には、自前のシステムで運用することが大前提になるからです。もちろん、各店でLINEを運用するよりも、ブランドで一括してアカウントを運用した方がコストも抑えることができるなどのメリットもあるでしょう。
これらができる理由としては、規模の優位性があり、指名買いをしている人の割合が多いため、ダウンロードという面倒な手間を惜しまない顧客が多いと想定できるからです。これらの顧客は、そのブランドや店舗への依存度も高いため、アプリの削除もしづらいと想定できます。
逆に知名度が低く、そこまで固定客化ができていないところでは、ダウンロードを促すオペレーションがうまく行かず、ダウンロード数がそこまで増加しない可能性が高いです。また、ダウンロードした状態を維持する人も少ないでしょう。スマホの容量は、写真や動画、そしてゲームなどもいれていると深刻な問題になりやすいからです。
この場合は、アプリ自体が削除されないLINEを導入することが定石になります。
まとめ
もちろん、アプリを使ったところで魅力がなければ、スルーされるわけで、メッセージが届いてもなんの意味がありません。
そのため、引き込まれるような世界観のある店舗にする努力は行なった上で、来店頻度をコントロールすることで、定着化を図るためのツールとしてアプリを割り切ることが必要です。
一見するとスマホの時代であり、ほとんどの広告媒体や店舗はアプリをダウンロードすることを促すCMを打っていますが、アプリのダウンロード数が集客力に直結することは間違いないからです。
かと言って、小規模の店舗が同じようにアプリをダウンロードさせようとしても、スマホの容量は有限ですので、簡単に削除されてしまうことがオチです。それでも、スマホに入れ続ける人は、本当の意味での常連ですが、その常連とのやりとりのために、高額なランニング費用を負担することはナンセンスでLINEで間に合うというのが結論です。
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