飲食店にホームページは必要性あるの?相場や集客ができるホームページ制作のポイント

飲食店のホームページは必要ないと言われがちですが、単一的に言えるわけではありません。ブランディングができていない店舗は、知名度が低いので、積極的に広告をかけていくことが重要になります。例えば、グルメサイトやSNS広告にコストをかけることで、予約を直接獲得することができます。ホームページは、検索されるのを待つ媒体ではありますので、知名度が低い飲食店では、ホームページの効果は薄く、高いデザイン費用のホームページは、毎月の広告費を圧迫する危険性が高いです。
それに対して、ブランディングができている飲食店は、リピーターも多く、店名で検索を行い、予約を入れることが一般的です。この時に、予約手数料がかからない予約システムと連携をしたホームページを用意しておくと、広告費を大きく節約できる可能性があります。
この記事では、飲食店がホームページの作成を検討していく上で、注意した方が良い点をまとめて解説をしています。
ホームページを保有した方が良い飲食店とは?
ホームページを保有した方が良い飲食店は、以下の3つの要件を全て満たす場合です。
- 予約制が基本である
- 席数が多いが、リピーターも多い(ブランディングができている)
- コース料理がメインであるため、顧客単価も高い
ホームページは、特に屋号で検索されて閲覧される傾向にあります。ほとんどの場合は、1度お店を利用したことがあるリピーターです。これらの人々を予約手数料のかからない予約システムから予約を受け付けることで、予約手数料を節約します。例えば、もし、1ヶ月の予約を200件グルメサイトから置き換えることができれば、食べログ経由であれば、4万円分手数料を削減できます。
予約獲得ができる飲食店のホームページを作成するポイント

予約を獲得するためには、来店動機を引き起こす必要があります。株式会社リクルートライフスタイルの調査では、初回の来店動機は、料理が、51.7%と最も高く、続いて価格・コスパ、店内の清潔さ、客層、利便性と続きます。
これらの情報が直感的に伝わるホームページにすることで興味を惹くことができ、目的に条件が合致した時に予約を獲得することができます。
ホームページを作成する時は、店舗の強みを整理して、コピーライティングを心がけます。コピーライティングとは、商品やサービスの魅力を言葉で伝える技術です。飲食店の場合、メニューや広告文に心地良い言葉を選び、お客様の興味を引き、店に足を運んでもらうために役立ちます。
料理
飲食店のホームページでは、料理の画像でシズル感を演出することが重要です。シズル感とは食欲がそそられることを意味しており、一般的には、水水しい料理の画像を指します。5割の人は来店動機が料理と答えているため、トップページやホームページを最初に開いた時のファーストビューに1番人気の料理の画像を見やすく表示するのが良いでしょう。
コースの予約を増やしたい時は、全体の集合写真にするのではなく、メインの料理に焦点をあてるなど工夫をしましょう。食品サンプルの画像のような画像は、予約獲得には逆効果です。
ホームページを作成するのであれば、グルメサイトやSNSでも使える写真をプロに撮影してもらいましょう。
価格・コスパ
飲食店の価値に見合った価格設定をすることで、顧客を惹きつけることができます。また、コース予約を増やしたいと考えた時には、松竹梅(特上)の3〜4段階価格を採用します。これは、行動心理学の極端性を回避する性質を利用したもので、中間の価格帯のコースを選択する傾向があるからです。
中間の価格帯の予約数をさらに増やすためには、下位(梅)を基準にするのではなく、中間(竹)を基準にします。これにより、中間コースがおすすめのコースになり、写真の見栄えも良くなるため、予算の制約があっても下位のコースを選びづらくなります。
メニューページの作成、更新が面倒なのであれば、おすすめの限定メニューのみを掲載し、PDFをアップロードしましょう。
店内の清潔さ
飲食店の価値には、料理を食べるだけではなく、その店内に滞在する時間も含まれます。例えば、記念日のお祝いで同じような料理が提供され、価格帯も一緒なのであれば、不潔で狭く見える店内よりも、清潔で空間が広く見えるロケーションの良い店舗の方を選択します。
ホームページには、テーブル席や個室の画像が見れるページを用意し、ロケーションが良ければ、その画像をヘッダーに設置しましょう。
客層
客層とは、他の顧客のことです。例えば、居酒屋であれば賑やかな店内ですが、単価の高い高級店では静かな空気で食事を楽しまれています。つまり、客層とは、雰囲気のことを指します。
客層は、目的来店の場合に影響します。わかりやすいのは、記念日のお祝いや会食は、コースよりも雰囲気で選択します。
利便性
利便性とは、立地が大きく影響します。宴会をイメージすればわかりやすいですが、複数人で集まる場合は、アクセスの良い立地を選択し、駅からの距離が選択の基準に挙げられます。駅から遠いと集まりづらくなり、駅に戻るためにタクシーが必要になることもあります。
立地の良さをアピールできる場合は、以下のポイントをフッターに掲載します。
- 住所
- 最寄りの駅(複数ある場合は複数掲載)
- 最寄りの出口
- 出口から店舗までの徒歩での所要時間
- 店舗の外観
ネット予約システムへのCTAを設置する。

CTAとは、特定の行動を誘導するためのボタンやバナーのことです。飲食店のホームページでは、予約数を増やすことが目的なわけなのですから、ネット予約を促すCTAを用意します。飲食店のホームページは、出先で閲覧されるケースが多いので、スマホで閲覧されます。つまり、スクロールすることが前提になります。追従バナーを固定でフッターに設置するのが良いでしょう。
飲食店のホームページの制作費用はいくらが適正なのか?
飲食店のホームページの制作費用の適正価格は、撮影の有無、ページ数、ネット予約システムなどの有料システムの組み込みなどで大きく変わってきます。また、SEO対策のマーケティング費用をかける場合は、予算を大きく割かなければなりません。

ホームページの目的も「予約数を増やす目的」と「メニューを掲載するだけの目的」では全然コストも違ってきます。
また、飲食店の売上の規模も違えば、捻出できる販促費が異なります。
飲食店が捻出できる販促費は、売上の3〜5%が平均とされています。つまり、年商が3,000万円の個人店であれば、年間の販促費は150万円です。そして、年商が10億円の複数店舗を運営している企業であれば、5,000万円までは販促費に使うことができます。
背丈に合っていないホームページを保有していても、それをマーケティングできるだけの予算がなければ、アクセス数が増えないため、ホームページから予約を増やすことができません。
そのため、飲食店のホームページは、予算をかけすぎないことが原則で、20万円~30万円程度の予算が適正だと思われます。
飲食店はホームページ制作に分割払いを選択してはいけない。
実際にホームページ制作の営業でよくありがちなのは、2~3年の分割払いです。 たとえば、月4万円を2年間支払うのであれば、ホームページの制作費用は、合計で96万円です。年商1,000万円の店舗が使える年の販促費は50万円です。つまり、2年間の販促費の全額をホームページ制作費用に費やすことになります。
また、問題はこれだけではなく、分割払いは初期投資ではなく、将来の月商から支払う選択肢です。つまり、本来は、その月商で露出を増やさなければならないのに、ホームページ制作費用の返済に販促費を使わなければならなくなります。
小規模事業者持続化補助金でホームページの制作費の負担を減らす。

ホームページ制作の負担を減らすために、補助金を使う選択肢があります。補助金には全国どこでも申請ができるものとその自治体独自のものがあります。
ホームページ制作に使える補助金には小規模事業持続化補助金があります。
小規模事業者持続化補助金は、持続的な経営を目指す小規模事業者に対し、販路拡大や生産性向上などの取り組みに要する経費の一部を補助する制度です。経営計画を作成したうえで、地道な販路開拓や業務効率化を支援します。最大で200万円までの補助が可能です。申請受付は中小企業庁が行っており、公募が定期的に開かれます。
参考:小規模事業者持続化補助金 商工会議所
小規模持続化補助金には、年に数回の応募期間に応募し、採択されることで活用することができます。ただし、デメリットとしては、採択されない可能性もあることやホームページがほしいと思ったタイミングで制作ができないことが挙げられます。
IT導入補助金では、ホームページやECサイトの作成が対象から外れています。この補助金は、他の補助金よりも補助額が大きいですが、そもそも生産性を向上するためのITツールの導入を継続的に行うことが前提ですので、この補助金の目的からはずれています。
おしゃれなホームページである必要性はあるのか?
飲食店はブランドイメージが重要なので、「ホームページをオシャレに作る必要があるのか?」と聞かれますが、これは制作費次第ではないでしょうか?
過剰なスクリプトによる演出の多いホームページは、スマホでの表示の速さと安定性に影響を与えます。また、おしゃれなデザインよりも、お店選びの情報を伝えることができて、ネット予約に結びつくことが重要です。
再三ですが、知名度が低い飲食店ではマーケティングが優先です。そのため、広告費が圧迫されるような高額な制作費がかかるおしゃれなデザインのホームページは必要ありません。
飲食店のホームページを作成するのにおすすめのツールとは?
飲食店のホームページを制作する上で、運用ツールに何を使うのかが重要になります。ホームページは作って終わりではなく、情報を最新のものに変更したり、追加をすることで、最新の情報を伝えるものです。そのため、運用ツールがないと、HTMLやサーバーの知識がないと制作業者なしに運用することができなくなります。
① WordPress
当社で作成したホームページは、WordPressを標準装備しています。WordPressとは、ライセンスフリーで利用することができるシステムです。また、さまざまな開発者が、デザインテンプレートであるWordPressテーマと、予約フォームやSEO機能を実装するプラグインがあり、ほとんどが無料で利用することができます。
この場合の制作費用の目安は以下の通りになります。
サーバー料金: 1,000円程度(月額)
WordPress:無料
WordPressテーマ:各種 1万円〜4万円くらい
TENJIKU(TCD)

TCDのテンプレートはデザイン性に優れたホームページを制作するのに向いています。TENJIKUは、高級感溢れるホームページデザインをするのに向いていて、高級レストランのホームページ制作には向いているWordPressテーマです。
ただし、TCDは若干制作難易度が高く、使い慣れた人でも使いづらさを感じる部分がありますので、もし制作が難しそうであれば、フリーランスやコンサルタントに依頼して制作をしてもらうのも手ではあります。
KADAN(TCD)

居酒屋や日本料理店のホームページ制作の依頼を受けた時に活用するWordPressテーマです。縦書きを有効活用したデザイン性の優れたホームページを制作することができます。
このデザインも写真のビジュアル性を活かした構成のWordPressテーマなので、写真撮影のテクニックが求められます。プロのカメラマンに依頼して素材を集めてから制作するのもありです。
SWELL

SWELLは、ホームページ制作用のWordPressテーマというよりは、アフィリエイト向けのブログテーマです。しかし、ビジュアルがWebサイトよりであることや、結局露出を増やすことに行きつけば、積極的にブログを書くというところに行き着きます。
また、SWELLは、最近のブロガーのトレンドのWordPressテーマなので、副業でブログを書きたいというときにも購入しておけば利用することができます。
② 予約システム
ネット予約システムでは、いわゆる予約台帳を導入します。予約台帳サービスは、飲食店で利用される予約管理ツールです。顧客の予約情報をデジタル化し、利便性と効率性を高めます。オンライン予約対応、顧客データの管理、空席情報のリアルタイム更新などの機能があり、店舗運営の円滑化に貢献します。インバウンドの多い飲食店では、多言語化に対応している予約システムを選択しましょう。
TableCheck
Table Checkは、送客手数料が不要で、公式ウェブサイトから24時間365日予約を自動受付するシステムです。18ヵ国語に対応し、海外ゲストの予約もスムーズです。グルメサイトの予約を自動取込み、一元管理が可能で、業務効率化を実現します。また、メールやSMSでの予約リマインド自動化機能も備えています。
ノーショー対策でクレジットカードを事前に登録してもらう設定が行えます。

TORETA
TORETAは、直感操作で誰でも使える予約管理システムです。20以上のグルメサイト・10以上のPOSと連携し、予約から顧客管理まで一元化できます。99.9983%の稼働率で安定性も抜群で、顧客の来店回数や注文履歴を活用し、きめ細かいおもてなしでリピーター獲得を支援します。

ebica
ebicaは、ホームページやGoogle、LINE、Instagram、Facebookと連携し、オウンドメディアの集客力を強化する予約システムです。無料で利用できる「スマート予約」機能により、お店のホームページ経由の予約を増やし、各種SNSからの予約も自動転記されるため、管理が容易です。CRMサービスとの連携により、顧客へのメールマーケティングも可能になります。

Respo by AutoReserve
Respo by AutoReserveは、送客手数料0円で利用できる予約管理システムです。予約をタイムラインで一元管理し、カレンダー機能で日程変更もスムーズ。リピーターの顧客情報管理も可能で、ネット予約の受付も簡単に導入できます。多言語対応で海外からの予約も可能で、キャンセル料の自動徴収やグルメサイトとの連携も特長です。柔軟な予約受付設定とメッセージ機能も備えています。
まとめ
飲食店の販促費の予算から考えます。年売上の3~5%の金額が販促費になりますので、そのうちの一部をホームページの費用にあてます。
ホームページは作成しただけでは露出されないため、一番開業時に欲しい新規の顧客を増やしてくれるわけではありません。集客の予算を制作料金に全て割り当てたら、何も集客ができなくなり、1年もせずに潰れてしまいます。そのため、開業したばかりであれば、マーケティングを併存することができるグルメサイトの導入などの対策を優先してください。
また、ホームページ料金は、補助金を利用することができます。小規模事業者持続化補助金のほかにも、各地方自治体の補助金もある可能性がありますので、是非チェックしてみてください。