知名度のない高級飲食店を繁盛店にするためには?

高級飲食店は、一般大衆店のようにリーズナブルな金額で訴求することができません。高単価でもリピートしてくれる客層を選んで集客をする必要があります。
また、知名度が低く、ブランディングができていない高級飲食店は、待っていては口コミによる集客が期待できません。そのため、ターゲットを絞り込んだ集客を積極的に行うことが重要です。
この記事では、具体的な高級店の集客手法を提示していきます。高級飲食店の定義は、ランチタイム10,000円〜、ディナータイム15,000円〜を想定しています。
高級飲食店が目指すべき集客とは?
カウンターの業態であれば、口コミのみで予約が埋まる状況が望ましいです。そのためには、口コミのもとになる顧客を集客する必要があります。ブランディングができれば、そのブランドを生かした新規店舗を増やすことができます。また、席数が多い店舗では、典型的なウェブマーケティングの実施が重要です。
なお、高級飲食店のウェブマーケティングのメニューは次の通りになります。
- リピーターの対策
- グルメサイトの活用
- SNSの運用、広告の運用
- Googleビジネスプロフィールの運用
- 口コミ対策
- 予約獲得用のウェブサイトの作成
高級飲食店の集客で重要なポイントとは?

高級飲食店ではコンセプトストーリーが特に重要
顧客単価の高い高級飲食店では、ストーリー性が重要です。これは、ストーリーが、その店舗のこだわりを分かりやすく顧客に伝える役割を担っているからです。
「新鮮な国産食材にこだわりたいから。」
「本当のフレンチの味を知って欲しいから。」
これらを直接伝えたところで、おそらく魅力は伝わりません。
「素材一つ一つにこだわっているのは何故なのか?」
「何故、フレンチという分野にこだわっているのか?」
これらを1つのストーリーにまとめることで、その店舗が特別な存在になります。これが、強い来店動機になり、集客力を高める結果に繋がります。
シェフのブランディングを実施する
高級飲食店ほど、シェフの属人性が集客力に影響します。特に、カウンター形式では、評判が直接影響します。
そのため、高級飲食店の集客では、シェフをブランディングすることも効果があります。例えば、ウェブサイトなどに「シェフの受賞歴」や「技術」を積極的にアピールします。また、SNSではまるで個人運営のようにショート動画を軸に運用するのも効果があります。鮨屋などでは、InstagramやTikTokで「魚の捌き方」「美味しい魚の調理方法」を解説したアカウントが人気です。
名物メニューを作る
口コミが広がる時は、店名のみで広がることはほとんどありません。飲食店の場合は、「あのお店の〇〇は美味しい」という特定のメニューの評価が伴います。特に、名物メニューが評価されるため、最重要です。知名度を効率良く上げるのには効果があります。
名物メニューである要件
- みんな知っているメニュー
- 人気があるメニュー
- その地域で名物メニューで競合しない
- こだわりを出しやすく、理解されやすい
非現実的な空間とプライベート空間を重視する
高級飲食店では空間が重要です。高級飲食店を利用する理由は、料理だけではなく、その空間に滞在することも含まれているからです。そのため、非現実的な空間、雰囲気、プライベート空間である個室の有無で選ばれることがあります。
これらの空間も料理と同様に積極的に訴求します。それぞれの個室やテーブル席のイメージ画像を撮影し、それぞれの用途を解説します。例えば、カウンター席ではデート目的、個室では会食や冠婚葬祭用などと付記します。
高級飲食店の基本的なウェブマーケティング

認知度が低いことを悩んでも、むやみに広告を出しても意味がありません。客層を絞り込むことができるウェブマーケティングを軸にします。また、リピーターの維持も重要で、顧客に向けていつでもやり取りができる環境づくりも重要です。具体的には、LINEの登録数を増やすことが重要です。
LINE公式アカウントの運用
LINE公式アカウントは、店舗専用のLINEアカウントです。登録者のLINEにメッセージの一斉配信などを行うことができます。LINE公式アカウントは会員証のような使い方も可能です。それに加えて、リッチメニューに予約システムやホームページへのリンクを設置することで、いつでも予約をしやすくできます。
LINE公式アカウントの登録者数はわかりやすい指標であるため、最低、客席の20倍〜(または、500名〜)目指しましょう。
グルメサイトの運用
グルメサイトは、飲食店を検索し、予約をする代表的な手段です。一般大衆店の検索に役立つ食べログ、ぐるなび、ホットペッパーとは別に、高級飲食店向けのグルメサイトも存在します。それらのグルメサイトは、成果報酬費用のみがかかるアフィリエイト型のグルメサイトが多いです。
おすすめのグルメサイト
- 食べログ:日本国内では集客力が最も強い、取り扱い幅が広いため、超高級店には向かない
- 一休.comレストラン:高価格帯、ラグジュアリーホテルの取り扱いが中心
- OZmall:女性向けのコース料理がある店舗が中心
- ヒトサラ:中〜高価格帯の取り扱いが多い
- OMAKASE:予約システム。インバウンドの集客にも対応
- OpenTable:予約システム。英語圏のインバウンドの集客に強い
SNS広告を運用する
グルメサイトでの集客は手間がかからないメリットがありますが、サイト内の検索順位が集客力に影響するため、安定した集客が難しい時があります。そのため、Meta広告などのSNS広告を活用します。SNS広告は、表示対象を地域を中心に絞り込むことができます。また、画像や動画を拡散することができるため、来店見込みの高い効率的な集客が可能です。
これだけではなく、いいね、リプライ、フォローなどのエンゲージを獲得することができますので、その後の集客にも継続して貢献することが特徴です。
おすすめのSNS広告は、Meta広告です。この広告は、InstagramとFacebookを対象に広告を出稿します。これは、国内向けにはInstagram、海外向けにはFacebookページを使って情報発信をすることが効果的なためです。
Googleビジネスプロフィールの運用
Googleプロフィールは、Googleマップに店舗の情報を表示する機能で無料で活用ができます。また、飲食店の情報を探す時に、一番最初に表示する可能性が高い箇所であるため、整備が必要です。情報はメニューに至るまで掲載することが望ましく、料理や客席の画像をアップロードしましょう。画像はホームページグルメサイトと共通で構いません。
Googleビジネスプロフィールの登録方法は、Googleビジネスプロフィールの設定方法と運用方法とは?で解説をしています。

Googleビジネスプロフィールの検索対策をMEOと呼びます。MEOでは、評価の対策のほかに、サイテーションと呼ばれるほかのウェブサイトでの情報掲載も影響します。
MEO対策(レビューの収集)

Googleマップで検索した時の順位を上げる対策をMEO対策と呼びます。Googleで店舗を検索した時も、Googleマップの情報が出力されます。この時に、上位表示される重要な要素には、距離や知名度(視認性)の高さが挙げられます。継続して集客力を向上するためには、知名度の対策が必要です。対策は以下の通りです。
- 実際の集客数を増やす
- 高評価のレビュー数を増やす
- 様々なメディアに紹介してもらう
- SNSなどの情報発信を強化する
特に、レビューの収集は意識的に行わないとなかなか増えない傾向にあります。対策としては、SMSメッセージやLINE公式アカウントでサンクスメッセージを送信するなどがあります。
プレオープンの実施とフィードバック活用
ゆかりのある知人に顧客を限定するプレオープンは、とても重要なマーケティング施策です。プレオープンでは、実際の営業体制でサービスを提供し、料理やサービスの質、オペレーションの効率性などを確認します。
また、プレオープンの参加者からのフィードバックは、改善点を洗い出す貴重な機会となります。料理の味や提供時間、接客の質、店内の雰囲気など、あらゆる面での意見を収集しましょう。
プレオープン参加者には、SNSでの投稿を促すなど、口コミ拡散にも協力してもらいます。参加者には特別感を演出するとともに、グランドオープン後の再来店を促す特典の用意効果的です。
フィードバックを元に迅速に改善を行いましょう。そして、グランドオープンでは完成度の高いサービスを提供できるよう準備しましょう。プレオープンは単なるリハーサルではなく、マーケティング機会であることを忘れないでください。
予約用のウェブサイトを用意する

予約を直接獲得することを目的としたウェブサイトを用意します。これは、ウェブサイトに予約システムを設置することで、リピーター向け、口コミで店舗のことを知った人向けの集客方法です。ただし、知名度がない店舗は、店舗名を検索されることがないため、最初のうちは効果を感じない可能性があります。
予約用のウェブサイトは、グルメサイトと異なり、自由にデザインができる点が強みです。イメージを使うことができ、積極的に知って欲しい情報を蓄積することができます。万が一、店舗名を忘れても、「地域 料理名」などで検索することで、店舗を見つけることができます。
予約システムは、機能が様々あり、月額利用料が発生します。
おすすめの予約システム
- OMAKASE:月額利用料は4,980円〜と安め。テーブル料のチャージをかけることができる
- TableCheck:ノーショー(ドタキャン)の対策をすることができる
- トレタ:中〜高価格帯に人気。ノーショー対策もできる
富裕層向けメディアとのタイアップ
富裕層向けの雑誌やウェブメディアとのタイアップ企画も検討に値します。店舗の魅力を詳しく紹介する記事広告は、信頼性の高い情報として受け止められます。有名シェフへのインタビューや料理教室の開催など、店舗の個性を打ち出す企画を提案してみましょう。
富裕層が購読する雑誌やメディアは、読者の信頼度が高く、掲載されることで店舗の信頼性や高級感が増します。特に、料理の背景にあるストーリーや、食材の選定における哲学など、深い内容を伝えることができる点が魅力です。
また、高級時計やファッションブランドなど、他の高級品と共同でプロモーションを行うことも効果的です。例えば、特別なディナーと腕時計のプレゼンテーションを組み合わせたイベントなど、富裕層の関心を引くコラボレーションを検討するとよいでしょう。
知名度が低さを懸念する時は営業をかける
高級飲食店は属人性が強い面があり、ある意味、士業などと集客は近い点もあります。例えば、ターゲットになりうる経営者が集まる場に出向くことも知名度を高める代表的な手法とも言えます。例えば、ケータリングを率先して行うことも当てはまります。
積極的に外部に関わることで、知名度を高めることができます。人脈により、会合はお店を利用してもらうということは比較的お願いもしやすいですし、堅実な方法だったりします。
リピーターに喜んでもらえるサービスや演出も重要
特に、高級飲食店の場合は、期待していたもの以上の満足感や驚きが口コミの評価につながります。サプライズやえこひいきの仕組みは、高級飲食店の顧客定着には基本的なことです。何かあれば入り浸りたい気持ちを高めることが高級店の固定客化を助けることになります。

集客のかちプロジェクトのサービスの紹介
集客のかちプロジェクトでは、飲食店のマーケティングの支援を行っています。ノウハウが不足しがちな飲食店のためのサービスをご用意しております。サービスの特徴としては、集客コンサルタントとして小規模な事業所の支援を行っていたことから早期に成果を上げることができます。また、生成AIを積極的に活用していることで、精度の高いマーケティングが可能です。
予約用のホームページ作成

予約を獲得することを目的にしたホームページを作成します。ホームページのCMSは基本的にWordPressを使用しますが、管理の状況に合わせて別のシステムを選ぶこともできます。
HPをリニューアルしたことで、訪問者数が1年で5倍になったほか、前年比年商150%アップなどの実績もあります。
飲食店集客コンサルティング

飲食店に必要なマーケティングの対策を行います。SNSマーケティング、グルメサイトの選定、カスタマイズ、レビューの収集の対策などを行っていきます。
優先して行う必要性のある対策を早期に行うことで、右肩上がりの業績の実現のサポートをいたします。施策に未着手な店舗は、次月売上2倍を達成しています。