小さな飲食店を開業するメリットとは?新時代に生存しやすい小店舗の魅力とは

飲食店の成功要因は、立地が9割と言われています。また、最初の店舗の場合は、アルバイトを雇う予算も十分に確保できないことから、人を使わずに営業ができることが重要になります。そのため、席数が少ない小さな飲食店を開業するのが良く、立地を重視した方が良いです。また、最近は、UberEatsや出前館などのフードデリバリーやテイクアウトを使うことで、客席以上のキャパシティでメニューを提供することもできます。
小さな飲食店を開業するメリットとは?
最初に飲食店を開業する時は、小さな飲食店が望ましいとされています。
良い立地を選びやすくなる
飲食店は立地が非常に重要です。立地が良い広いテナントを借りるには、相応の信用が必要なほか、多額の契約金や月額賃料がかかります。また、家賃の10倍の売上を作ることが原則になりますので、客席が多い分だけ、目標にすべき月商も高くなります。
客席が狭くても開業ができる小さな飲食店にすることで、小さなテナントでも良いことになります。都市部では、建物のフロアが狭い傾向がありますので、一定以上の広さを求める飲食店よりもテナントが探しやすいメリットがあります。
小さな飲食店の方がブランド力を伸ばしやすい
小さな飲食店では、行列を作りやすく、予約制であってもすぐに満員になりやすいです。人の心理からすると、いつでもいけるお店よりも圧倒的に興味が湧きやすく期待も大きくなります。
ブランド力を先行して伸ばすメリットは大きく、例えば、そこから派生する多店舗展開や通販の成功率を上げることができます。
人手不足になりづらい。
全席カウンターにしてしまえば、ホールの必要はなく、席数を減らすことで、少ない人数で店舗運営をすることも可能です。飲食店は長らくコロナ禍も影響し、長期的に働くことができないなどを理由に飲食店は、アルバイト先として敬遠されがちになっています。スタッフの採用コストもバカになりません。
退店費用も節約ができる。
飲食店を開業する時に、水回りや内装を改装します。しかし、物件では借りた時点に戻す原状回復が基本で退店費用についても考えておく必要性があります。テナントに入店する際は、引き渡しの際の条件を必ず確認しましょう。居抜きで入店したからと言っても、実際の賃貸の条件は異なることはあります。
小さな飲食店を開業するデメリットとは?
小さな飲食店では、大型の宴会を受け入れることができません。また、個室を用意することは難しいことから会合需要を吸収することができません。そのため、単価も客数も獲得しやすい法人単位での利用を吸収することができず、個人利用に頼らざる得ない部分があります。
物件探しは資金調達より先に実施
飲食店の成功を分けるのは、良質な客層が狙える立地です。フードデリバリーサービスも戦力に入れて考える上では、ロングドロップにならない3.5km圏内の商圏の調査が必要になります。
また、資金調達には、事業計画書が必要になります。つまり、どの物件で何をするのかを示しておく必要性があり、物件は先に仮押さえする必要性があります。
小さな飲食店の開業にはいくらかかるのか?
小さな飲食店の開業には平均で1,000万円ほどかかると言われています。しかし、居抜き物件を取得することで、内装工事費や設備投資費用を抑えることができます。工事も自分達で材料を調達し、自分である程度のところをやることで費用を押さえている飲食店もあります。
そのため、飲食店の開業では居抜き物件が人気なのですが、居抜きは以前の店舗が閉店したから存在します。なぜ、閉店したのかも予め調べておく必要性はあるでしょう。
- 物件取得費(保証金、礼金、仲介手数料、前家賃)
- 内装工事費
- 厨房機器費
- 空調設備費
- 備品(食器、調理器具、ユニフォーム)
- 広告費および運転資金(半年以上分)
物件取得費用は家賃半年分~10ヶ月分の中に含まれていることが多いです。また、飲食店では最初は集客に苦戦する可能性があります。この期間中にお金がないことになると、精神的にも追い込まれ、手詰まりになってしまう可能性があります。
そのため、初期投資の他に、しばらくは店舗が運営できる分のお金を残しておきましょう。
物件を検討する際には施工業者や第三者を連れて行った方が良い
開業予定の店舗のイメージがあると、その物件でその店舗を開業可能なのかを検証する必要性があります。そのため、依頼するつもりの施工業者を一緒に連れて行くことで、その物件であれば大体どのくらいの施工工事が必要になるのかを概算することができます。
また、くどいですが、飲食店は立地が客足に影響します。客層の予測、視認性の高さ、自動車の場合駐車場に入りやすさまで客観的に検討する必要がありますので、協力関係にあるコンサルタントや同業者に意見を聞くことも重要です。
ちなみに、立地ごとに売上を予測するGISを導入しているコンサルタントに依頼することで商圏属性を予め知ることもできます。
小さな飲食店を開業する時に活用したいツールとは?
POSレジ
POSレジは決済をするだけが目的ではなく、売れ筋や曜日別の売上などの経営に関するデータを日常的に蓄積していくことができます。また、訪日外国人が増えている中では、現金以外のキャッシュレス決済に対応することが重要になってきました。昨今では、キャッシュレス決済が店舗側に手数料がかかることで見合わせている事業者も増えていますが、最低でもクレジットカード決済に対応することは推奨されます。

予約管理システム
小さな飲食店では、予約を受けることも難しいです。電話のみが窓口の場合、店舗側は電話を取れない可能性もありますし、顧客側も営業時間内に電話をしなければなりません。今の時代、ネットで簡単に予約ができるわけですから、予約システムを持たない飲食店は、予約が入りづらいです。
もちろん、グルメサイトで代用するのも良いですが、固定費のほかに、予約席数またはコース予約売上に手数料がかかります。

フードデリバリー管理システム
フードデリバリーは、席数以上に顧客を増やすための施策の1つです。配達のスタッフを雇用しなくても、デリバリーができることがメリットです。フードデリバリーは配達エリアが限定されていますので、立地が良いほど有利に働きますので、小さな飲食店との相性も良いです。

小さな飲食店を開業するおすすめの戦略
飲食店を開業する時は、可能な限り小さく開業してブランドを取りに行ってから事業拡大をすることがおすすめです。食べ物を扱う仕事ですので、「予約が取れない」ブランドは何よりも強い武器になります。
ただし、集客が困るような立地を選んでしまうと、少ない客席すら埋まらないことも考えられます。可能であれば、職場も多い住宅街の駅の近くで物件を探したいところです。フードデリバリーを中心にしたい時は、注文単価の高い家族世帯の多い立地を選択します。
ポスティングやSNS広告を計画的に活用し、周辺の認知度を向上し、可能な限り予約で回します。 飲食店の集客方法については以下の記事で解説しています。

自社ブランドを立ち上げて通販をするのも良い
例えば、銀座 佐藤養助では、自社の商品であるうどんを提供しており、店舗やオンラインストアで小売も行っています。店舗で美味しいと思った人が、自分用、贈答品用として購入を促す仕組みが出来上がっています。また、最近は、ラーメン店が冷凍麺を宅麺として提供することも増えてきました。
ブランドが育つことで、店舗での営業以外での幅を広げることができるようにもなります。