Googleのクチコミの記入者の特定方法とは?

Googleのクチコミは、匿名性であるため、記入者を判別することは原則できません。しかし、例外があります。それは、開示請求が認められるケースです。

開示請求は、ネット上の権利侵害や違法行為の加害者特定のための手続きです。プロバイダ責任制限法に基づき、被害事実の証明と必要書類を提出し、IPアドレスや発信者などの情報開示を求めます。開示請求は、低評価をつけたからできるものではなく、明らかな権利侵害、名誉毀損、十分な証拠、また外部から見ても明らかな損害を被っているなどの要件を満たす必要があります。

開示請求は、発信者情報開示命令事件に関する裁判手続を行う必要がありますので、時間がかかる上に、確実に行われるわけではありません。また、訴訟手続きなので、本人ができなければ弁護士に依頼する必要があります。そのため、費用もかかります。

なお、施行時期は不明ですが、「情報流通プラットフォ-ム対処法」にプロバイダ責任制限法は改正されます。新しい法律の中では、大型情報プラットフォームが権利侵害の対策を明確化することが法的義務になります。窓口を用意することや何らかの返答を14日以内に行うこと、権利侵害に対する有識者を配備しなければなりません。これにより、開示請求の難易度は下がる見込みです。

目次

是認できないクチコミをGoogleにつけられた場合

優先すべきは、クチコミの削除です。クチコミの削除はビジネスオーナーの判断ですることはできませんが、違法やガイドライン違反をGoogleに通報することで、審査され削除されます。審査基準を満たさなければ、削除されることがありません。

削除に関するガイドラインの基準は以下のようになっており、個人の主観的な感想を超えている場合は、削除されます。

項目説明
関連性のないコンテンツこのビジネスでの経験とは関係ないクチコミ
スパムボットまたは虚偽のアカウントからのクチコミ、あるいは広告かプロモーションを含むクチコミ
利害に関する問題該当のビジネスまたは競合するビジネスと関係するユーザーが投稿したクチコミ
冒涜的な表現汚い言葉、露骨な性描写、詳細な暴力描写を含むクチコミ
いじめ、嫌がらせ特定の人を個人的に攻撃するクチコミ
人種差別、ヘイトスピーチ身元を理由に個人またはグループを中傷する表現を含むクチコミ
個人情報住所や電話番号などの個人情報を含むクチコミ
役に立たなかったこの場所に行くかどうかを決めるのに関係ないクチコミ

リプライで削除を依頼する

明らかに個人を特定されるコメントが追加されているなどのクチコミにリプライをつけて削除を直接依頼します。最速で削除ができる可能性がありますが、第三者に見えることがわかっている悪意のあるユーザーであれば、削除してもらえる可能性は非常に低いです。

例えば、以下のような文章を書き換えてリプライをします。

拝啓 クチコミご投稿者様

この度は、当店へのクチコミをお寄せいただき、誠にありがとうございます。お客様からのご意見・ご感想は、私どもにとって大変貴重なものです。

さて、お寄せいただいたクチコミの内容を拝見させていただいたところ、個人情報と思われる内容が含まれているようです。具体的には、[個人情報の種類:例えば電話番号、住所など]が記載されております。

個人情報の保護は非常に重要な問題であり、意図せずに公開されてしまうと、様々なリスクにつながる可能性があります。つきましては、お手数をおかけして大変恐縮ではございますが、クチコミから該当の個人情報を削除していただけますようお願い申し上げます。

もしくは、このクチコミを一旦削除の上、個人情報を除いた形で再度ご投稿ください。お客様のプライバシー保護とサービス向上の両立を図るため、何卒ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

ご不明な点やご質問がございましたら、お気軽にお問い合わせください。今後とも当店をよろしくお願い申し上げます。

敬具

[あなたの名前/店舗名]

Googleのクチコミの書き込みから生じた事件

書き込みした者に200万円の損害賠償命令

グーグルマップ上で眼科医院が不当な口コミを投稿され、医療法人が訴訟を起こした事件の判決が大阪地裁であり、投稿者に200万円の賠償と削除が命じられました。投稿は「勝手に医療行為をした」という内容で、裁判所は名誉毀損を認定しました。グーグルマップの口コミ機能をめぐっては、全国の医師らが不当な投稿の削除遅延で米グーグルを提訴する事例もあります。本件では、匿名投稿だったため発信者情報開示を求める訴訟を経て投稿者が特定されました。この判決は、オンライン口コミの責任と影響力に関する重要な先例となります。(2024年5月31日)

書き込みのみ削除命令

東京地裁立川支部は、グーグルマップの口コミで不当な中傷を受けたとして動物病院の運営会社が起こした訴訟で、投稿の一部を削除するよう命じました。原告は、2020年から2022年9月頃にかけて事実無根の投稿により名誉を傷つけられたと主張しました。香川礼子裁判官は、投稿が原告の社会的地位を低下させるものであり、内容も真実とは認められないと判断しましたが、被告が投稿の真偽を判断する情報を持っていないため、損害賠償請求は退けられました。(2024年3月26日)

まとめ

Googleの低評価の削除は認められていません。特にクリニックで対策のお問合せをいただきますが、主観でつけられた口コミについては削除が不可能です。また、特定にはコストがかかるため、あくまで開示請求を使った特定方法は、客観的に見て名誉毀損などの要件が満たしている時に限定されます。

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最終更新日 : 2024年7月18日

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