小規模飲食店(家族経営)におすすめのキャッシュレス決済・POSレジとは?

手数料がかかるからという理由で敬遠されがちですが、小規模な飲食店でも、キャッシュレス決済を導入することが非常に重要です。

なぜならば、以下のような理由があるからです。

  • 約40%の取引がキャッシュレス決済を選んでいる。
  • 約半数の人の財布の中に入っている現金は1万円未満
  • 4割程度の人がキャッシュレス対応をしていない飲食店の利用を躊躇った経験がある。

ただし、キャッシュレス決済を導入する際に、どのサービスを選べば良いのかわかりません。また、一度購入してしまうと、専用の機器も購入することがありますので、使い続けなければならないので、失敗もできない点も注意しなければありません。

今回は、小規模な飲食店がどのキャッシュレス決済・POSレジを導入すれば良いのかを紹介します。

目次

飲食店にキャッシュレス決済はなぜ必要なのか?

たまに見かけるのですが、キャッシュレス決済として、PayPayのQRコードだけを用意していて現金払いにしている家族経営の店舗があります。

経産省:2023年のキャッシュレス決済

経済産業省によると、キャッシュレス決済の割合は、全体の約40%になっています。その中で、83.5%がクレジットカードに対して、PayPayを含めるQRコード決済は、8.6%です。PayPayのQRコード決済のシェアは約46%ですので、全体の4%程度です。つまり、PayPayだけでは、全体の決済割合の64%のみの対応となってしまい、その他の36%の決済には対応することができません

「たいしたことないじゃん」とみる人もいるかもしれませんが、現金の保有額半数以下が1万円未満であり、キャッシュレス決済と現金払いの顧客単価に差があります。

「普段、お財布にはいくらの現金を入れていますか?」という質問に対して、最も多かった回答は「5,001〜10,000円」で28.3%。次いで「10,001〜20,000円」が25.2%です。半数以上の人が「お財布の中身は1万円以下」となっています。

商売であれば、客数だけではなく、顧客単価をいかに高くするかも重要になりますので、キャッシュレス決済に対応していないことが足枷になっていることもあります

最近では、闇バイトによる強盗の発生が増えています。現金払いにしか対応していなければ、ターゲットにされる確率が上がりますし、売上も全て盗まれる可能性もあります。セキュリティのためのキャッシュレス決済の側面もあります。

飲食店が導入すべきキャッシュレス決済とは?

キャッシュレス決済

飲食店が対応した方が良いキャッシュレス決済は、最もシェアが大きく顧客単価に影響するクレジットカード、キャンペーンやポイント制度があるPayPayや楽天ペイなのですが、基本的に国内で利用されているキャッシュレス決済は全てに対応するのが良いです。

というのも、最近では、個別に契約するメリットがほとんどないため、後述するsquare、エアペイ、楽天ペイなどで一括して導入します。最近では、これらは、国内の主要なキャッシュレス決済は網羅して導入できるようになっています。

強いていえば、訪日外国人が多い地域では、UnionPAYや海外のブランドのコード決済に対応した方が良いくらいですが、これも現状はほとんどのキャッシュレス決済が対応しているといえます。

最低限キャッシュレス決済に対応すべきブランドは以下の通りになります。

クレジットカード

  • VISA
  • Mastercard
  • JCB
  • American Express
  • Diners Club

電子マネー

  • Suica
  • PASMO
  • その他地方交通系マネー
  • iD
  • QUICPay

QRコード決済

  • PayPay
  • 楽天ペイ
  • d払い
  • au PAY
  • メルペイ

飲食店が導入すべきPOSレジとは?

レジは大きく分けると、レジスター、POSレジ、タブレットPOSレジの3つの種類に分かれます。最近では、券売機タイプもありますが、これはタブレットPOSレジと仕組みは変わらないので、最後に含めます。

スクロールできます
レジスターPOSレジタブレットPOSレジ
イメージ
入力方法手動登録もしくは手入力登録もしくは手入力
レシート出力
売上分析×
在庫管理×
顧客管理×
ソフトのアップデート××
通販・予約システム
等との連携
××
キャッシュレス決済×端末が必要
種類メリットデメリット
レジスター伝統的なレジで、金銭の管理や売上計算が主な機能で操作が簡単。デジタル化されていない場合が多く、手動で操作する必要がある。入力ミスをしやすい。
在庫管理や顧客データの収集・分析が困難
POSレジ電子機器とソフトウェアを組み合わせたレジシステム。
売上計算、在庫管理、顧客データの収集・分析が可能。
データをリアルタイムで収集・管理し、販売情報を一元管理できる。
専用のレジスターやハンディーが必要。
内部のアップデートができない。
他のシステムとの連携(会計ソフト、顧客管理ソフトなど)はかなり限定されている。
タブレットPOSレジタブレット端末(iPadなど)に専用アプリをインストールして使用するレジシステム。
POSレジの機能を持ちつつ、持ち運びが容易で設置スペースも最小限。
キャッシュレス決済を連携するのが一番簡単
高速なWi-Fiが使える環境の整備が必要。
通信障害に弱い。
互換性を保つために継続的なアップデートが必要である。

レジスターとPOSレジでは、キャッシュレス決済を導入する時には外付けするしかなく、導入できるキャッシュレスには限界があり、決済専用の場所を広くとらなければなりません。

それに対して、タブレットPOSレジは、コンパクトに収まるために、レジの面積を小さくすることができます。また、キャッシュレス決済サービスの連携ができるため、必要最低限の機器で、キャッシュレス決済に対応することが可能です。

小規模飲食店がレジを選ぶ基準とは?

小規模飲食店の開業は、何気に時間もお金もかかります。また、レジには利用料が無料・有料のレジがありますが、資本が少ない飲食店ほど可能な限り、毎月のコストは抑えたいと思います。そのため、小規模飲食店では、以下のような基準でレジを選ぶのが良いでしょう。

小規模飲食店がキャッシュレスレジを導入する際の基準

  • 必要なキャッシュレス決済に対応している
  • 月額費用が無料で固定費を抑えることができる
  • 使っているサービスと連携ができる
  • 導入が簡単である
  • 操作が簡単である

ここでは、キャッシュレス決済サービスについて解説します。

Square決済

Square決済は、多様な決済方法に対応し、低コストで導入できる点が特徴です。主要なクレジットカード、電子マネー、QRコード決済に対応し、決済手数料は業界最安水準の2.5%から。入金は最短翌営業日で、無料のPOS機能や在庫管理機能も備えています。小規模店舗から大型チェーン店まで幅広く利用可能な、使いやすいキャッシュレス決済サービスです。

豊富なPOSレジの連携先があり、入金サイクルも短めです。

項目内容
クレジットカード決済Visa, Mastercard, American Express, JCB, Diners Club, Discover
電子マネーSuica, PASMO, QUICPay, iD, PayPay
QRコード決済PayPay, d払い, 楽天ペイ, au PAY, メルペイ, WeChat Pay, Alipay+
決済手数料Visa・Mastercard: 年間3000万円未満で2.5%、その他: 3.25%
入金サイクル翌営業日(みずほ・三井住友銀行)、週1回(その他)
連携ができるレジSquare独自のPOSシステム
Airレジ(エアレジ)
スマレジ
funfo
Ubiregi(ユビレジ)
Bionly
poscube(ポス・キューブ)
Orange Operation(オレンジ・オペレーション)
POS+

おすすめSquare

評価:

Square決済、SquarePOSレジ、オンラインビジネス(通販、デリバリー)を無料で利用可能。持ち運びに便利なターミナルがおすすめ。審査が早く手早く使える!

Airペイ(エアペイ)

Airペイは、多様な決済方法に対応した使いやすいキャッシュレス決済サービスです。iPadやiPhoneと専用カードリーダーで簡単に導入でき、クレジットカード、電子マネー、QRコード決済など74種類の決済に対応しています。業界最安水準の手数料率3.24%で、月額固定費や振込手数料が無料という特徴があります。POSレジアプリ「Airレジ」との連携で業務効率化も図れ、小規模店舗から大型チェーン店まで幅広く利用可能です。

項目内容
クレジットカード決済Visa, Mastercard, JCB, American Express, Diners Club, Discover, UnionPay(銀聯)
電子マネーSuica, PASMO, iD, QUICPay, WAON, nanaco, 楽天Edy
QRコード決済PayPay, LINE Pay, d払い, 楽天ペイ, au PAY, メルペイ, WeChat Pay, Alipay, Alipay+
決済手数料3.24%(全ての決済方法で統一)
入金サイクル月6回(みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行)または月3回(その他の銀行)
連携ができるレジAirレジ(専用POSアプリ)

エアペイ×エアレジ

評価:

リクルートが提供しているキャッシュレス決済とPOSレジ。無料で活用することができ、68種類以上のキャッシュレス決済に対応することができる。

楽天ペイ

楽天ペイは、楽天グループが提供する総合的な決済サービスです。クレジットカード、電子マネー、QRコード決済など多様な決済手段に対応し、楽天ポイントの利用も可能です。業界最安水準の手数料率と、楽天銀行口座利用時の翌日入金サイクルが特徴です。また、多数のPOSレジとの連携が可能で、小規模店舗から大型チェーン店まで幅広く利用できます。楽天の豊富な顧客基盤を活かした集客効果も期待できる、使いやすいキャッシュレス決済サービスです。

項目内容
クレジットカードブランドVisa, Mastercard, JCB, American Express, Diners Club, Discover, UnionPay(銀聯)
電子マネーブランド楽天Edy, Suica, PASMO, iD, QUICPay, WAON, nanaco
QRコードブランド楽天ペイ, PayPay, LINE Pay, d払い, au PAY, メルペイ, WeChat Pay, Alipay, Alipay+
決済手数料クレジットカード・電子マネー・QRコード決済:3.24%(税込)
入金サイクル楽天銀行:翌日(土日祝含む)、その他銀行:翌営業日~月1回(選択可)
連携ができるレジAirレジ、スマレジ、Ubiregi、Bionly、poscube、Orange Operation、POS+、MAIDO POS、Loyverse POS、NEXPO、あっと決済、SalonAnswer

小規模飲食店におすすめのタブレットレジは?

小規模飲食店のキャッシュレジ決済を選ぶ基準に照らし合わせて、おすすめのPOSレジを解説します。なお、券売機タイプのキャッシュレスレジは、別の記事で解説しています。

1店舗目の小規模飲食店では、コストを最小限にした経営が前提です。そのため、最初からモバイルオーダーや店内をDX化する選択肢は選びづらいです。

ただし、無料で使えて、キャッシュレス決済機能がついているものを選択してしまうと、後からDX化しようと思った時に、対応できるプランがないため、レジアプリを別に入れ替えるなんてこともあります。

そのため、無料のレジアプリでも、後から簡単に変更できるように、DX化に対応できるものを選択しましょう。

Square(スクエア) POSレジ

Square POSは、スマートフォンやタブレットで簡単に使える販売管理システムです。商品の売上や在庫、お客様の情報を一つのアプリで管理できます。小さな店から大きな店まで使えて、業種に合わせて設定を変更できるのが特徴です。

レジ打ちから売上分析まで、店の運営に必要な機能がそろっています。Square の決済サービスと組み合わせれば、さらに便利に使えます。初心者でも使いやすく設計されています。

料金無料〜
決済手数料タッチ決済
モバイル決済
ICカード決済およびPIN入力に​よる​決済
QRコード決済
3.25%
初期費用要問合せ
機能POSレジ
スタッフ管理
無料のカスタマーサポート

Square(スクエア)は簡単な手続きでキャッシュレス決済を始めることができます。クレジットカード3ブランドは即日開始することができます。

エアレジ(AirPAY)

エアレジは利用料無料で導入できるPOSレジです。

エアペイを使うことで、68種類を超えるキャッシュレス決済を導入することができます。だれでも簡単に操作ができるシンプルな画面であり、打ち間違いや計算ミスがなくなり、レジ締めの時間も大きく短縮することができます。

料金無料
決済手数料クレジットカード 3.24%
電子マネー 2.95%
Apple Pay iD QUICPay 3.24%
QRコード決済 2.95%
coin+ 0.99%
導入費用要問合せ
機能一覧注文入力
会計点検
精算売上分析
顧客管理
商品管理
基本情報管理
関連サービスとの連携

スマレジ

スマレジも利用料無料から使うことができます。

スマレジの特徴は、利用用途に合わせた豊富なプランや券売機やセルフレジなどにカスタマイズもできるため、ビジネススタイルに合わせた導入をすることができます。(カスタマイズをする際は、別途月額等の費用がかかります。)

後々のDX化を検討する際に、スマレジをメインにすると豊富な連携先のサービスが選べます。そのため、組み立ても簡単です。

料金無料〜
決済手数料Square決済の導入が可能(3.25%)
導入費用要問合せ
機能一覧自由度の高いカスタマイズが可能
レジ機能と売上分析機能
後々必要性に合わせて、プランアップする使い方ができる

funfo

funfoのPOSレジは、iPadで使える飲食店のためのレジシステムです。

顧客の注文を受けてから会計まで、全部一つのアプリでできます。使い方がとても簡単で、誰でもすぐに覚えられます。テーブルをまとめたり、割り勘もカンタンにできます。iPhoneを使って店員さんが席でオーダーを取ることもできます。お店の売上げを分かりやすく見られたり、ネットでの注文にも対応しています。複数のiPadを使っても、データはすぐに共有されます。LINEとつなげて使うこともできるので、お客さんとのやりとりも便利です。

funfoは、日本国内の飲食店のマーケティングに向いているレジです。LINEミニアプリが使えるため、リピーター対策にも使えます。

まとめ

小規模飲食店であっても、キャッシュレス決済の導入は重要です。

どのキャッシュレスのサービスを導入するかは、最終的にはオーナーのセンスとやりたいことで選ぶのが良いと思いますが、この箇所はあまり悩まずに直感的に選ぶのが良いでしょう。

この手の記事は、20社以上のサービスを並べがちですが、選択肢が多すぎるため厳選しました。実際、飲食店が導入しているケースの多いレジアプリは、上記の3つに集約するため、どれかを導入すれば良いでしょう。

少しでも悩む時間を減らし、集客に時間やお金をかけれるようにしましょう。

最終更新日 : 2024年11月14日

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