メルマガ配信システムの選び方の解説と料金が手頃なおすすめシステム5選

メールマーケティングは、見込み客や既存客にアプローチをする有効なマーケティング手法です。
例えば、特定の資料をダウンロードした見込み客に、意欲がわく情報を継続的にメールで配信をすることで、契約の申込みにつなげることができます。また、既存客に対して、継続的にメッセージ配信をすることができますので、次回の購入を促すこともできます。
メールマーケティングには、メルマガ配信をするシステムが必要になります。この機能は、顧客管理システム(CRM)にオプションとして付いていることもあります。
この記事では、「メルマガ配信システムを導入したい」「どのサービスが良いかわからない」という方向けに、サービスの選び方を解説します。
メルマガ配信システムとは?
メルマガ配信システムとは、文字通り保有しているメール配信リストにメールマガジンを配信するシステムのことです。例えば、登録者全員に同じメールを一斉配信するメルマガ配信機能、一部の登録者のみにメールを配信する絞り込み機能、フォームに登録したことを起点にし、設定したスケジュールの通りにメールを自動配信するステップメール機能を備えています。
メルマガ配信システムは、サービスごとに機能が異なり、メールフォルダへの到達率にも違いがあります。そのため、選ぶ際は、使いやすさのほかに「求める機能が備わっていること」や「迷惑メールフォルダに振り分けられず届くこと」を重点的に検討する必要性があります。
メルマガ配信の仕組み

ステップメール

ステップメールとは、あらかじめメール配信システムにメールの文面を登録し、「フォームに登録された日から何日後の何時」などといった配信スケジュールを登録します。これをまとめてシナリオと呼びます。
シナリオを登録したフォームには、役立つ資料をダウンロードできるように設定し、登録を促します。その登録したタイミングを起点にして、シナリオが起動し、自動でメールを配信します。
メルマガ配信は具体的にどのような目的で使うのか?
メルマガ配信は、「見込み客の育成」と「既存顧客の再購入の促進」を目的にします。
見込み客の育成とは、興味はあるけれど契約を決定するのに情報が欠けている見込み客に向けて、成功事例や使い方講座などを継続的に配信することで、導入を検討しやすくする施策のことです。これらは、ステップメール機能を使って行うことができます。
既存顧客の再購入の促進とは、リピーター向けにセールや限定商品の情報などを発信することで再購入を促す施策のことです。自社ECを運用する際は、購入履歴に基づいたメールを配信することで、前回の購入と関連性の高い商品を販売することができます。
メルマガ配信システムの選ぶ基準とは?
メルマガ配信システムを選定する基準で大きいのは、以下の3つです。
使いやすいメール配信システムであること | 継続的に利用することが困難になるから。 |
メールの到達率が高い | メールが届かないと読まれることがないから。 |
必要な機能が揃っていること | 見込み客を育成するならステップメール、HTMLメールを使うなら、エディタを用意する必要があるから。 |
最近は、予約システムなどにメールマガジン機能が最初からついているものもあります。その場合は、わざわざ新しいメルマガ配信システムを契約する必要はありません。ただし、予約システム経由の予約者以外に配信ができない場合は、別のシステムを用意する必要があります。
使いやすいメール配信システムであること
使いやすいメール配信システムであることは、とても重要です。使いづらいツールや操作が複雑なシステムは、利用することが難しく、いずれ使わなくなるからです。そのため、無料期間などがある場合は、必ずその期間中に操作感を確認します。
特に、HTMLメールを作る際のテンプレートが足りないことやフォームの出力が難しいメール配信システムは使わなくなりやすいですので、選定からはずれます。
メールの到達率が高いこと
メール配信は100%到達すると思われがちですが、メルマガ配信システムごとにメールが受信側に届く到達率が異なります。
例えば、携帯メールアドレスであれば、各種キャリアが受信をブロックしている場合もありますし、Gmailであれば、迷惑フォルダ以外にもプロモーションフォルダに勝手に振り分けることがあります。ユーザーのドメイン設定がなければ、そもそもメッセージを受信できない受信環境もあります。
到達率の重要性は、同じメールリストに配信した場合で考えれば一目瞭然です。仮に1,000件のメールアドレスにメッセージを配信することを前提にしてみましょう。A社とB社の違いは、到達率のみとします。
A社 | B社 | |
到達率 | 70% | 90% |
反応率 | 5% | 5% |
反応数 | 35人 | 45人 |
この時点で、B社がA社よりも10人多い集客に成功しており、20%の到達率の違いは集客に28.5%の影響を与えることがわかります。
メールアドレスの出力ができること
メール配信には、オプトイン(同意)を得たメールアドレスを収集する必要があります。メルマガ配信システムを入れ替える時に、インポートとエクスポートができなければ移管ができません。無料のメルマガ配信ツールは、この機能がありませんので、メルマガ配信は有料が前提です。
また、POSシステムもしくは予約システムを活用しているときには、連動する機能があるとインポートする手間を省くことができます。そのため、メール配信システムを現在利用しているPOSシステムや予約システムとの連動ありきで選ぶのが良いこともあります。
必要な機能が揃っていること
メルマガ配信システムを選ぶ時に必要な機能が備わっていることが重要です。システムの中には、ステップメール機能がないもの、シナリオ登録数が少ないもの、HTMLメールの配信エディタがないものもあります。また、セキュティが不十分で、蓄積したメールリストを流出させてしまう可能性があるサービスは導入すべきではありません。
この他には、メールリストをエクスポート(出力)できるシステムを選びます。蓄積したメールリストのバックアップは必須ですし、Meta広告の類似のオーディエンスを出力する際に必要になるからです。これは、当たり前に付いている機能ではありますが、一部の無料のメルマガ配信スタンドでは行うことができません。
中小企業が導入しやすいおすすめのメルマガ配信システム
メルマガ配信システムは到達率や一斉にメール送信するリストのサイズで無尽蔵に料金が高くなります。それでは、中小企業はメルマガ配信システムを導入することができません。そのため、料金が手頃なサービスを厳選して紹介します。
Blastmail(ブラストメール)

配信制限 | 月額 | 無料トライアル |
無制限 | 4,000円~ | ○(7日間) |

メール配信の初心者には非常におすすめです。例えば、商品点数の多い小売店がおすすめの商品入荷情報を配信するのにブラストメールは活用しやすいです。
ブラストメールは、使いやすさと高機能性を兼ね備えた優れたメール配信システムです。このシステムは、初心者でも簡単に使えるよう設計されており、シンプルで直感的な操作画面や、専門知識不要の直感的HTMLエディタを提供しています。さらに、30種類以上の豊富なテンプレートが用意されているため、デザインやHTMLの知識がなくても高品質なメールを作成できます。
メールの到達率に関しては、ブラストメールは独自開発の高速配信エンジンを採用し、280万通/時という高速配信を実現しています。また、大規模ネットワークによる確実な配信や、迷惑メール判定対策機能、送信ドメイン認証(DKIM署名)によるなりすましメール防止など、高い到達率を実現するための様々な対策が講じられています。
メールアドレスの管理においては、CSVファイルでのアドレス一括登録・出力が可能であり、エラーアドレスの自動削除機能も備えています。これにより、効率的なアドレス管理が可能となっています。
ブラストメールの主な機能としては、HTMLメール作成機能、ターゲット配信機能、効果測定ツール、データ差し込み機能、空メール登録機能、配信予約機能、API連携機能などが挙げられます。特に、ターゲット配信機能により条件に基づいた配信先の絞り込みが可能であり、効果測定ツールでは開封率やクリック率の測定ができるため、効果的なメールマーケティングを実現できます。
Benchmark Email

配信制限 | 月額 | 無料トライアル |
月間3,500通~ | 無料〜 | ○ |
Benchmark Emailは、専門知識なしでも簡単に操作できるメール配信サービスです。HTMLメールエディタやAIによる文章作成支援が特徴です。ドラッグ&ドロップで直感的にメールを作成できます。豊富なテンプレートも用意されています。高級レストランでは導入率が高いTableCheckと連携することができます。
主な機能は、リスト管理、ステップメール、効果測定レポートなどです。ランディングページ作成機能も備えています。ShopifyやWordPressなど、1500以上の外部サービスと連携可能です。APIも提供されており、柔軟なシステム連携を実現します。
これにより、顧客データの活用やマーケティング活動の効率化を支援します。

アスメル (ステップメール配信)

配信制限 | 月額 | 無料トライアル |
無制限 | 3,999円 | × |
アスメルは、固定料金で配信数無制限が魅力のメール配信システムです。専門知識がなくても、比較的簡単に操作できます。管理画面はシンプルで、直感的に使いやすいと評判です。電話サポートも充実しており、初心者でも安心です。
主な機能は、ステップメール配信です。シナリオ数も無制限で作成可能です。その他、一斉配信や予約配信、HTMLメール作成機能があります。読者登録フォームも簡単に作れます。名前の差し込み機能で、個別対応のようなメールを送れます。
ただし、アスメルは、HTMLエディタが使いづらいことやテンプレートが用意されていないことがあり、HTMLメールによるメルマガ配信を主な目的にする時は、使いづらいデメリットがあります。

AutoBiz(オートビズ)

配信制限 | 月額 | 無料トライアル |
月間1万通~ | 1,980円~(スーパーライト) | × |
オートビズは、初心者にも使いやすいメール配信システムです。専門知識がなくても直感的に操作可能です。電話サポートやユーザー限定のFacebookグループも魅力です。専任担当者によるサポートも受けられます。
主な機能は、ステップメールやメルマガ配信です。フォーム作成機能も充実しており、見込み客の獲得に役立ちます。LINE公式アカウントとの連携で、メールとLINEを一元管理できます。高いメール到達率も特徴の一つです。
決済システムとの連携で、商品販売からフォローまで自動化できます。具体的にはPayPalやStripeなどに対応しています。その他、Zapierを介してChatworkやSlackなど、多くの外部サービスと連携が可能です。

さぶみっとメール

配信制限 | 月額 | 無料トライアル |
– | 1,170円~ | ○(14日間) |
さぶみっと!メール配信は、20年以上の実績があるメール配信システムです。専門知識がなくても、簡単に操作できる点が特徴です。管理画面はシンプルで、直感的に利用できます。サポート体制も整っており、初心者でも安心です。
主な機能は、HTMLメール作成やステップメール配信です。読者グループ別のターゲット配信や、効果測定機能も充実しています。予約配信やテンプレート機能も備えています。これにより、効率的なメールマーケティングが可能です。
API連携により、既存システムとの連携が可能です。例えば、顧客データベースと読者リストを同期できます。また、登録フォームや解除フォームを自社サイトに設置することもできます。柔軟なシステム連携で、幅広い活用が期待できます。
MailChimp

配信制限 | 月額 | 無料トライアル |
月間1,000通~ | 無料〜 | ○ |
MailChimpは、世界中で広く使われているメール配信システムです。直感的な操作性と豊富な機能が魅力で、初心者でも簡単にメールマーケティングを始めることができます。また、無料プランも提供しているため、コストを抑えたい方にもおすすめですが、日本語に対応していません。
まとめ
メール配信は、現代のマーケティングには必要不可欠なサービスです。店舗では、リピーターの育成を目的に既存顧客向けに行いますし、メディアでは、限定の情報を配信することを引き換えにメールアドレスを取得し、購入意欲を高める情報を配信します。
メール配信システムは以下の基準を満たしていることを重視します。
- 自社マーケティングキャンペーンに合致した特長のサービスを選定する。
- 到達率は成果に関わってくるので、到達率の高いサービスを選定する。
- 使いやすさ(操作性やデータのインポート・エクスポートの効率も加味する。)

個人向けのビジネスであれば、法令や到達率の関係からLINE公式アカウントの方がおすすめです。
詳しくは、「LINE公式アカウントを使った集客方法とは?仕組みと目的も解説」をご覧ください。