アンカリング効果とは?マーケティングの具体的な活用例と注意点

特定の商品を探しているときに、赤い値札が貼ってあると「買うのは今しかない」と思ってしまうことがあります。これは、行動経済学の中のアンカリング効果と呼ばれるものです。アンカリング効果を使うことで、成約率を上げることができたり、ほかの商品やサービスを選びづらくすることもできます

  • アンカリング効果とは?
  • アンカリング効果のマーケティングへの活用
  • マーケティングにアンカリング効果を活用する時の注意点
目次

アンカリング効果とは?

アンカリング効果は、最初に与えられた情報がその後の意思決定や情報の受け取り方に影響を与える現象のことです。

アンカリング効果は、数字が用いられることが多く、与えられた情報が印象的で、そのほかの情報が制限されているほど効果的に働きます。アンカリング効果は認知バイアスの一種で、情報量が限られている状況下において、先に与えられた数字や情報を基に検討を始めることで、後の数値の見積もりや推定に影響を与えることがあります。

アンカリング効果で得られる効果は、必ずしも良い印象というわけではなく、ずば抜けた良い情報を提示することで、競合他社の商品やサービスを選びづらくすることもできます。

固着性ヒューリスティックとの違いは?

どちらも認知バイアスの一種ですが、違いも明確にあります。

固着性ヒューリスティックは、自分の信念や考えに合致する情報を探し求め、それに固執する傾向を指します。つまり、自分が既に持っている意見や考えに対して、それを裏付ける情報を優先的に受け入れる一方で、反証する情報を無視しやすい現象です。

これに対して、アンカリング効果は、アンカーになる事前の情報の印象により、後から提示される情報の印象の良し悪しを決める効果です。固着性ヒューリスティックとの違いは、基準になる情報が信念や考えに一致するものである必要がなく、あくまで後から提示される情報の引き立て役として使われていることです。

アンカリング効果が活用されるマーケティングとは

アンカリング効果を使ったマーケティング手法は世の中に浸透しています。消費者が製品やサービスの価値を判断する際に、最初に提示される情報がその後の評価や意思決定に影響を与えるため、効果的なアンカリングを用いることで、消費者の購買意欲を高めることができます。

① 価格設定

高級仕様の商品を最初に提示することで、他の同じカテゴリの商品が比較的安く感じるようにアンカリング効果を利用できます。また、消費者に割引価格を提示する際に、元の価格を明確に示すことで、節約感を引き出しやすくなります。

たとえば、高級店が提供する一般的な価格の料理は、非常にお買い得にみえますし、一般的な飲食店が提供する料理よりも良い印象を持ちやすいです。また、家電のテレビ通販では、今回だけ2割引と言われることで、価格以外の情報を遮断して購入の意思決定がなされる傾向にあります。

② 製品の特徴や性能

ある特徴や性能が強調された商品を最初に提示することで、消費者はその特徴や性能を基準に他の商品を評価することがあります。その結果、アンカリング効果によって他の商品の評価が低くなり、強調された特徴を持つ商品の購買意欲が高まります。

たとえば、スマホに搭載されている独自の機能が顧客にとって大きな魅力であった場合は、他のスマホの魅力を薄く感じます。

③ 量や大きさ

商品の量や大きさを工夫することで、アンカリング効果を利用できます。例えば、増量された商品を最初に提示することで、消費者はそれを基準に他のサイズの商品を評価し、最初に提示された商品の価値が高く感じられることがあります。

たとえば、デカ盛りのお店を体験すると、他の飲食店の通常の量がお得に感じれなくなり、たくさん食べたい時は、デカ盛りのお店を選択しがちになります。

アンカリング効果をマーケティングに活用する時の注意点とは?

アンカリング効果を利用する際には、注意点もあります。

① 景品表示法違反になる可能性がある。

アンカリング効果で、不当な表示や誇大広告にならないように注意が必要です。消費者庁のガイドラインを確認し、適切な表示に配慮することが重要です。

たとえば、合理性のない割引は二重価格として認定されやすくなります。

② 悪いイメージでブランディングされる可能性がある。

マーケティング手法が透明性に欠ける場合、消費者の信頼を損ねる可能性があります。誤解を招かないように、情報提供を正確かつ適切に行うことが重要です。

たとえば、自社商品を過剰によくみせるために他社の製品との比較を掲載しているときに、誤情報を掲載することは、購入後の信用に関わってきます。

③ 過剰なアンカリングは胡散臭く感じる。

アンカリング効果を利用する際に、過度にアンカーを強調すると、消費者が不自然さを感じることがあります。そのため、適度な範囲でアンカリング効果を利用し、消費者に説得力のある情報を提供することが大切です。

たとえば、過剰な割引した金額を提示したときや過剰な演出で安さを強調したときは、製品の性能に問題があるのではないかと消費者は感じます。

④ 倫理的な配慮はする。

アンカリング効果を利用する際には、消費者の意思決定を操ることができる力を持つことを意識し、適切な範囲で使用することが大切です。倫理的な配慮を念頭に置くことで、長期的な消費者との信頼関係を築くことができます。

最終更新日 : 2024年4月20日

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