現金払いのみの決済方法をおすすめしない理由とは?
現金払いのみを受け付けるメリットとは?
現金払いのみを受け付けた場合、キャッシュレス対応に必要な費用および決済手数料はかかりません。また、キャッシュレス決済は、即時入金されないシステムもありますが、現金のみの取引の場合は、そのタイムラグがありませんので、一時的な安心感はあります。
1. 決済手数料の削減
クレジットカードやキャッシュレス決済を導入すると、取引ごとに決済事業者へ手数料を支払う必要があります。
現金払いのみを採用することで、これらの手数料を完全に回避できるため、特に利益率の低いビジネスや小規模店舗にとって、経営上の大きなメリットとなります。
2. 即時の資金確保
現金払いでは、取引と同時に現金を受け取れるため、キャッシュフローの管理が容易になります。
これにより、仕入れや運転資金の確保がスムーズになり、日々の資金繰りが重要な小規模事業者にとっては大きなメリットとなります。即時の資金確保は、外部の決済処理を待つ必要がないという安心感も提供します。
3. システム導入・管理コストの削減
キャッシュレス決済を導入するためには、専用端末やシステムの導入が必要であり、これには初期費用や維持管理コストがかかります。
現金払いのみであれば、これらのコストを回避でき、また、システムトラブルのリスクもなく運営がシンプルになります。このため、特に少人数での運営や複雑な管理を避けたい店舗にとって有効です。
現金払いのみを受け付けるデメリットとは?
1. 顧客の利便性低下と機会損失
キャッシュレス決済を好む消費者が増えている中で、現金払いのみの対応は顧客の利便性を下げる可能性があります。特に、キャッシュレス決済を主に利用する若年層や外国人観光客を取り込めず、潜在的な顧客を逃すことにつながります。その結果、売上機会を失うリスクが高まり、店舗の競争力が低下する可能性があります。
顧客側の視点で考えれば、キャッシュレス決済の良いところは、財布の中の現金が足りなくても、顧客は現金を引き落とさずに買い物ができる点です。財布の中の現金は、半数以上が1万円以上を持ち歩かないという調査結果もあり、それ以上の食事や買い物が発生する現金払いのみのお店では、ATMに行かなくてはなりません。また、この時の出金には手数料が発生します。
ここから言えることは、キャッシュレス決済を選ばせない店舗は、買い物がしづらい店舗なので、集客が困難だということです。
2. 現金管理の負担とセキュリティリスク
現金を扱う店舗では、日々の売上管理、釣銭準備、入金作業に時間と労力がかかります。また、店舗内に多額の現金を保管することで、盗難や強盗などのセキュリティリスクが高まります。こうしたリスクへの対策には、追加の労力やコストが必要となり、運営の負担が増加する恐れがあります。
近年では、闇バイトによる強盗被害が日本各地で相次いでいます。現金払いのみの店舗には、当然現金があり、レジや金庫が見られます。現金払いのみの宣言は、強盗からすれば、狙ってほしいと言っているようなものですので、あまりおすすめはできません。
現金払いのみを受け付けるメリットには、設備投資費用や手数料を削減できる点がありましたが、監視カメラや現金取扱にかかるコストは、むしろ現金払いの方がかかります。
3. 決済処理の非効率性
現金払いでは、レジでの支払い時に小銭を数えたり釣銭を用意する手間が発生します。
特に混雑時には、これが支払いの遅延を引き起こし、レジの行列が長くなる原因となります。顧客の待ち時間が増えることで、満足度が低下し、顧客体験に悪影響を与える可能性があります。
完全キャッシュレス化にもメリットだけではなくデメリットがある
完全にキャッシュレス化をしている店舗も増加はしていますが、こちらはこちらでメリットだけではない部分があります。
完全キャッシュレス化は、レジの作業効率が改善され、現金輸送の手間がありません。また、計算ミスなどが減少することや、分析にかかる集計作業も減少するため手間がかかりません。また、店舗に現金がないため、強盗も入る意味がありません。決済データは電子的に管理されるため、内部不正の防止や取引の透明性向上にも貢献します。
それに対して、デメリットは、専用端末やシステムの導入費・維持費用はどうしてもかかります。インターネット通信が必要なので、業務専用のネット回線も必要です。また、システム障害や停電、災害時にはキャッシュレス決済が使えなくなるリスクがあります。このため、緊急時に対応するための代替手段を用意しておく必要があります。
高齢者や現金派の顧客を失う可能性があり、顧客層が限定されることがあります。
まとめ
現金払いにすることで、キャッシュレス手数料を削減できるメリットがありますが、店舗の売上を現金で店舗内で管理するリスクは、治安が悪化している現状では望ましくありません。
また、キャッシュレスは、災害などでシステムが使えなくなった時に、資金を引き落としすることができなくなる可能性もあるため、現金もキャッシュレス決済も両方対応するのが良いでしょう。
最終更新日 : 2024年10月22日