Googleビジネスプロフィールでクチコミが名誉毀損になった判決

Googleのクチコミは、原則として、主観に基づく体験した情報を削除することができず、例外としてGoogleが定めるガイドラインに抵触しているクチコミは、ビジネスオーナーもしくは第三者の通報にて審査された後に削除されます。

しかし、ほとんどの場合は、削除されずに低評価のコメントが残ってしまい、店舗によっては長期間に悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。そこで、2024年5月31日のニュースで、Googleの口コミで名誉毀損が認められ、削除命令が下った判例を紹介します。

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目次

Googleのクチコミの名誉毀損が認められた判決はどのようなものだったのか?

グーグルマップの口コミ欄で一方的に悪評を投稿されたとして、兵庫県尼崎市で眼科医院を運営する医療法人「秀明会」が投稿者に損害賠償などを求めた訴訟の判決が31日、大阪地裁であった。山中耕一裁判官は「名誉を 毀損きそん し、社会的評価を低下させた」とし、投稿者に200万円の賠償と投稿の削除を命じた。

この判決は地裁であり、控訴が行われる可能性がありますが、Googleの口コミに書き込まれたコメントに名誉毀損が認められ、200万円の損害賠償と投稿の削除が命じられました

判決によると、投稿したのは大阪府豊能町の女性で、遅くとも2021年に、マップ上に表示された眼科医院に関する情報で、「何も症状がないのに勝手に一重まぶたにされた」などの内容を書き込んだ。山中裁判官は判決で「患者から承諾を得ることなく、勝手な医療行為をするとの印象を閲覧者に与える」と判断した。

そこで、肝心の投稿の確認を行った結果、上記の口コミは検索されませんでしたので、削除されていることになります。

上記の記事の内容からは、医療行為を承諾なく実施したように印象づけをされています。同意のない医療行為は、傷害罪になります。つまり、クリニックを利用しようと思っていた顧客が見える公然の場で、傷害行為を受けたように誤認される書き込みが行われたと判定されたのだと思われます。

名誉毀損とは?

名誉毀損と言っても、実は刑法と民法があります。それぞれの該当の条文は以下のとおりです。

公然と事実を摘示し、人の名誉を損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。

刑法230条名誉毀損

第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

第七百十条 他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。

第七百二十三条 他人の名誉を損した者に対しては、裁判所は、被害者の請求により、損害賠償に代えて、又は損害賠償とともに、名誉を回復するのに適当な処分を命ずることができる。

民法709条、710条、723条

刑法の方は、禁錮又は罰金刑であり、民法では、損害賠償又は原状回復(原告の名誉を回復する行為。例えば謝罪広告)が命じられます。

いわゆる悪口では名誉毀損にはならず、刑法で名誉毀損が認められるのは、不特定多数に発信されたメッセージで、第三者から見ても明らかに社会的に名誉を傷つけられた場合に認められます。

日本の民事事件で名誉毀損が認められる要件は以下の通りです。

  • 公然性:第三者が知り得る状態で発言や行動が行われたこと
  • 具体性:具体的な事実が示されていること
  • 名誉の侵害:名誉が傷つけられたこと
  • 違法性:正当な理由や公共性がないこと

これらの要件を満たす場合、名誉毀損が認められる可能性があります。

また、名誉の侵害とは以下のケースです。

  • 社会的評価の低下:対象者の社会的地位や評価が低下したかどうか。
  • 具体的な影響:対象者が実際に不利益を被ったかどうか。
  • 客観的な判断:一般的な第三者がその発言や行動を見て名誉が傷つけられたと感じるかどうか。

名誉毀損に真実性、公共性、公益を目的にしていることが認められると名誉毀損にはなりません。(違法性阻却事由)また、名誉毀損裁判をする場合は、書き込みをした人物を特定する必要がありますので、情報開示請求をプロバイダにする必要があります。

そのため、名誉毀損を理由に書き込みを削除したい場合、確実性が乏しいことや時間もお金もかかります。つまり、仮に要件を満たす書き込みを受けたとしても、現実的ではありません。

まとめ

Googleのクチコミで、クレームが記述されるケースがありますが、「店員の態度が悪かった」「味がおいしくなかった」などは、個人の感想であるため、権利侵害や不法行為が行われたとはいえないため、削除することができません。

真実性の乏しい事実を公然の場で晒され、第三者の目線で見ても明らかに社会的評価が低下している場合に、名誉毀損は認められる可能性はあり、今回のように投稿の削除命令が下る可能性もあります。しかし、開示請求を行う必要があり、その上での審判になるため、お金と時間がかかります。

また、今回の事件は、地裁の判決であるため、確定ではありませんが、このような判決があったとのことで、記録します。

最終更新日 : 2024年6月2日

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