ミステリーショッパー(覆面調査)を導入するメリットと留意点とは?

覆面調査とは、スタッフに面識のない一般人を介して、サービスを体験してもらうことによって、サービスの品質を抜き打ちで確かめる方法の一つです。企業によっては、スタッフの査定にも使われることがあり、日本では、ショッピングモールがテナント店のサービスの品質を調査するために行なっています。
ミステリーショッパー(覆面調査)の仕組みとは?
覆面調査の仕組みは、覆面調査の仲介会社を介して、一般の人をキャスティングします。そのキャスティングした人に対して、課題を与え、実際に対象の店舗に来店してもらい、課題を実施してもらいます。
その結果をレポートの形で提出してもらうことが仕組みになります。
ミステリーショッパー(覆面調査)の目的とは?
覆面調査を実施する目的は、CSの調査、競合の調査、査定の3つに分かれます。
CSの調査
全く面識のない人に対して、自店舗が顧客満足度の高いサービスができているのかを覆面調査員を使って判断します。報告があった内容で問題点があれば、報告後に指導する流れになります。
競合の調査
顧客を取り合っている競合店が存在する場合、商品や接客に差がないかを調査します。基本的に、覆面調査員は、商品を客観的に判断することが難しいため、接客に絞り込んだ調査を実施することが多いです。
査定
スタッフの抜き打ちのテストとしても使われることがあります。重大な問題点を指摘する報告があったスタッフをスルーすることは難しく、特にフランチャイズの場合は、ブランドの品質を守るため、特別な指導を行うことがあります。
ミステリーショッパー(覆面調査)を導入するメリットとは?
実際のサービスレベルを確かめたくても、マーケティングの担当者は面が割れているため、接客のマイナスポイントを確認できなかったり、顔なじみであることから何らかのバイアスがかかってしまいます。
そのため、全く見ず知らずの一般人に調べたい項目をチェックしてもらい、レポートを提出してもらうことによって、問題点の抽出や身内であることから発生するバイアスがかからない評価を実施することができます。
ミステリーショッパー(覆面調査)を依頼する際の留意点とは?
覆面調査員はバイトであること
覆面調査員は、仲介会社に雇われたアルバイトで構成されます。
また、直接な指導を行なっているわけではないことも多く、直接現金で雇われているわけではなくポイントで募集されている場合もあります。
そのため、専門的な課題に答えることが難しく、評価も覆面調査員によってはまばらになる可能性が高いです。
覆面調査員のレポートが100%正しいとは限らない。
覆面調査員は、店舗で体験をして、それをレポート化して提出するわけですが、体験からレポートに取り掛かる時間が長くなれば長くなるほど記憶が曖昧になります。撮影など行えれば良いのですが、調査対象にばれないことが前提ですので、隠し撮りになってしまいます。そのため、ショッピングモールなどの調査の場合は、撮影すら禁止になっているところが多いです。
曖昧な記憶でレポートを作成しますので、結果的に内容も曖昧なレポートになる可能性もあります。この解消のためには、複数の調査員のレポートを提出してもらい、曖昧さを検証する必要性があります。
まとめ
ミステリーショッパーの調査の成否を決めるのは、結局のところ指示書とその意図を理解して調査を行う調査員の質です。調査員の質は、ミステリーショッパーの仲介会社の募集方法や調査員のリスト数に依存していることになりますので、ミステリーショッパーを検討する場合は、その点を聞き出してみて比較すると良いかもしれません。