農家が収入を上げるために満足のいく市場価格にした方法

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農業はこれからだと言われているのですが、実際そう甘くはありません。

米作りを例にすれば、トラクター、田植え機、コンバイン、種まき機、トラックなどが必要で、トラクターに関して言えば、高級車であるレクサスに匹敵する価格です。また、ビニールハウスも非常に高額であり、これを個人の責任もしくは集団で購入しているのが現在の農業です。

これだけ高いリスクを負っているのであれば、単価が高くなければ割に合わないが、実際はそのほとんどがうまく単価に反映しきれていません。価格の決定権が農業側になく、市場や買参人の力が大きいです。

うちも結構苦労しました。MPS-ABCをとったり、日持ち品質保証などの認証をとったりしましたが、古いシステムのままの市場では、これらの情報が単価に影響しないこともあり、以下のような施策をとりました。

目次

最初は通販を考えた。

最初にやったことは、ネット通販サイトを構築し、通信販売をはじめました。

一般に出回っていない花卉であったため、好きな人や業者、ソニーピクチャーなどの映像作品の相談を受けるようになりましたが、以下の3つの理由で、すぐに頓挫しました。

一つは、配送の手間。花卉の通販の最大の売りは、ビジュアルが店舗買いよりも優れていることです。これを行うために、組み合わせ、偏らないように箱の中に充填率も考慮するなど考えるポイントが多く、母しかそれができなかったのです。そのうち面倒だということになりました。

二つ目は、ヤマト運輸の送料が問題になりました。花卉は、どの運送会社でも良いわけではありません。設備が整っており、的確に配達してくれる条件で考えれば、ヤマト運輸しかありません。九州に配送すれば、2,000円近い送料になりました。

三つ目は、注文数です。農産物の通販全般的に言えることですが、シーズンの終わりになって注文数が増加します。これでは、最も売りたい時期と一致しないことや在庫の管理をこまめにしなければならないので、良い策にはなりません。

市場を求めた。

その頃から、MPSの規格を九州の市場が評価しはじめたことで、九州に出荷するようになりました。そして、単価も満足のいく単価だったんですよね。商品自体厳し目の基準で選別を行っており、時間もかかっていたので、ある意味当然の結果がここでついてきます。

しかし、全量九州に出すわけにはいきません。必要な数以上出せば、単価も下がりますし、さまざまな要求も増えてくるからです。

そこで、他の市場に出していたわけですが、これがとんでもない単価。安すぎて話になりませんでした。個選よりも共選を優先にしているからです。

個選と共選

一般的に、JAを通すと共選になります。共選とは、共同選果のことで、その出荷所で選別を行い、その出荷所のブランドで出荷を行います。そのため、良いものを作る人もいれば、そんなもの出すなよ!というレベルのものを出す人もいて、品質が必ずしも単価に反映しない一つの原因を作っています。

それに対して、個選は、個人(別?)選果のことで、自身の責任で選別を行っています。そのため、個人のブランドで出荷できるメリットもある一方、信用に値しないブランドも数多く存在するため、低く見られている場合があります。

どうせ、個選出荷ならば、慣例とか縄張りとか意味ないし、クソだという判断で、勝手に新興市場に売り込みをかけました。その結果、まあまあの価格でスタートしたので、ブランドの強化に着手しました。

そもそも、通販を考えるよりも、いいものを出せば、全量満足のいく単価で購入してくれる市場のシステムにのせた方が効率がいいに決まっています。六次化も考える必要性がありません。

ブランディング

以下の施策を行いました。途中で、私はサービス業一本で行こうと決めたため、一部JAおよび農業普及課に任せました。

MPSおよび日持ち品質保証のステッカーを用意した。

コピー用紙にインクジェットで印字していたのですが、みすぼらしいので、シールの印刷業者を探し、DTPでシールの印刷を頼みました。

情報発信用のサイトを準備した。

QRコードを設置し、市場向けのウェブサイトを用意しました。(現在、誰も管理できないため、更新は止まってます。)

市場が用意しているキャンペーンに参加予約を1年前から行った。

その市場では、月に1回に会員向けに特集を組んだ情報発信を行っていました。それを1年前からシーズンにかぶる時期で予約しました。これは、他の産地に取られないようにするための意味合いと地域のブランド強化のきっかけにすることで、個人のブランド価値もあげることにつながるからです。

他の農家を紹介した。

こういったものはある程度パイプを強くしていかなければなりません。個人の農家が出荷する量は限界があるため、品質が悪くない農家を紹介しました。ここで、誰でもOKにしたら、おそらくキャンペーンでひんしゅくをかいます。

独自ブランドの強化のためのネーミング戦略

今回の農産物は花卉です。つまり、買参人は花好きのプロであることが大前提のために、それらの人々に響くネーミングで出荷しました。

例えば、通常の市場では、ミックスは、”余り物”のイメージがものすごく強いです。しかし、これにネーミングをつけることで、他の産地の同じ花卉の単品商品よりも高くなる現象が確認できました。つまり、ネーミングが買参人の興味を惹きつけたことになります。

結果どうなったかというと。

単価の安定というミッションは無事クリアしました。うちよりもむしろ紹介した農家の方が得をしている状態ですが、まあいいでしょう。

農産物の単価をあげるためには?

手法はこれ以外にもあると思いますが、販路を確保することには、莫大なお金と流通に関する問題をクリアしなければなりません。それを考えると、既存の市場のシステム上でマーケティング活動を行った方が効率は良い場合もあります。

一時期騒がれた六次化も多額の設備投資および人件費と労働時間の関係で、個人単位では現実味がありません。

地域ブランドの情報に頼らざる得ない状況を生んだのは、正直、個人の情報発信不足が原因だと思います。買う方の立場は、買い物で外したくないのは当たり前のことだからです。情報発信を他人任せにしていれば、結果は出ません。これは、農業だけではなく、すべてのビジネスで共通して言えることです。

Last Updated on 2020年6月12日

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