歯科医院・歯医者が集客に成功するための集客テクニック・方法まとめ
歯科医院を営む上ではとても厳しい時代です。歯科医院の施設数は、全国でコンビニよりも1万件ほど多く、その選択肢の多さは説明するまでもありません。
テレワークの積極的導入により、通勤日数が減り、その影響で行動圏に劇的な変化が起こっています。
また、少子高齢化は今後止まることはなく、急激な人口減少が発生するため、歯科医院では、集客ができるところとそうではないところが二極化していくことを避けることができません。
集客ができる歯科医院にするために、どのようなマーケティング・集客施策を実施すれば良いのかについてポイントを紹介いたします。
歯科医院のおかれている現状について
様々なメディアでも紹介されている通り、厚生労働省の医療施設動態調査(平成31年1月末概数)によると、歯科医院は、平成31年1月段階では、68,477件にのぼります。身近な印象が強いコンビニの全国の件数は、58,340件(2018年)であり、1万件以上歯科医院の方が多いことがわかります。
これに加えて、日本では急激な少子高齢化が進んでいる影響で、高齢者を主な客層にしていた歯科医院は、死亡や老人ホームなどの入居による大きな顧客離反のリスクを抱えており、新たな患者獲得ができなければ、特に客数が重要な保険診療の歯科医院では経営が難しくなります。
競争は都市部ほど激しく、指標として活用される10万人あたりの施設数で比較すると、東京都は78.02件であるのに対して、山形県は42.62件です。これは、山形県の人に比べて、東京都の人は、歯科医院を78.02/42.62=1.8倍の選択できることを意味しています。
そのため、地方の歯科医院では比較的強い競合もいないため、治療にポジティブな情報を掲載するだけで集客に繋がりやすいです。
歯科医院・歯医者はどのように探され、どのように選ばれるのか?
集客ができる歯科医院とは、言い換えれば行きたい歯科医院であることがしっかり訴求されている歯科医院を意味します。そのため、歯科医院の集客でもっとも重要なのは、歯科医院を選ばれる基準です。
以下は、歯科タウンを運営するブランディングテクノロジー株式会社がユーザー向けに行なった調査を参考にしたものです。
歯科医院を探す方法
歯医者が効率良く集客したいのであれば、患者様が何を参考にして歯科医院を探しているのかをまず知ることです。
来院のきっかけになった情報源では、ホームページ、口コミ、情報サイトの順に多く、SNSは全体の2%程度に止まっています。
1位:ホームページ(47%)
2位:口コミ(22%)
3位:情報サイト(22%)
4位:看板・電柱(4%)
5位:SNS(2%)
(グラフは合算すると100にならないため、数値が異なっております。)
歯科医院を選択する基準
次に歯科医院を選択する際に何が決め手になって選ばれるかについてです。
- 1位:駅・職場から近い(51%)
- 2位:土日診療(22%)
- 3位:治療費(8%)
- 同率4位:院長経歴(7%)
- 同率4位:20時以降診療(7%)
- 6位:医院が綺麗(4%)
- 7位:女医在籍(1%)
駅・職場から近いことが51%を占めており、土日対応ができることが22%が挙げられています。
テレワークが進み、感染症に対する認識が大きく変わったことから、商圏の属性は今後大きく変動する可能性が高いです。そのため、自宅から近いなどの要因も今後は選択される可能性があります。
歯医者が集客をするためのポイントとは
歯科医院の広告は、外部の口コミサイト以外では医療法が適用されます。そのため、集めたお客様の声を出すことはできず、効果を期待するような表現を使うこともできません。
事実を訴求した上で、歯科医院に興味を持ってもらい、初診の予約につながるようなマーケティングを仕掛ける必要性があります。
「歯が痛い」「歯を綺麗にしたい」という顕在ニーズで成立している
歯医者に通うきっかけは、歯が痛くなったり、鏡を見たときに歯が汚いことに気が付いたときであり、何もないのに歯医者の広告をみて、歯医者に通おうと思う日本人は稀だと言われております。
つまり、ニーズが顕在化されており、歯の治療の必要性を感じている人は、自分から情報を探している人が大半であることを意味します。
顕在ニーズに対応した集客手法は、検索です。つまり、歯医者の集客では、SEO、GoogleマップSEO(MEO)やリスティング広告が有効であることを意味しています。
患者が通いやすい歯科医院であることが非常に重要である。
共働きが当たり前になっており、小さな子供がいる時は、気軽に歯医者に通うことができなくなります。
子供が遊んでいることができるキッズルームの有無、通いやすい立地に歯科医院があった方が選びやすいことになります。
同じ理由で、サラリーマンであれば歯医者のために平日の昼に休みを取りづらいことが懸念されます。そのため、遅くても通うことができたり、土日診療をやっているところが好まれたりすることになります。
顧客単価で勝負する場合は、技術面でのブランディングが必要になる。
歯科医院の経営では、自費診療を獲得することが、売上アップの基本になります。
なんの事前情報もなく、保険診療の患者に自費診療のセールスを受けると、患者の視点からすると売り込みの激しい歯科医院と評価してしまいます。事前情報として、高い水準の治療法、設備、診療を自費診療として行なっていることが分かれば自費治療の料金の高さに正当性を感じます。
そのため、保険診療とは別に自費診療に関するホームページを制作し、ホワイトニングやインプラントなどへの知見の深さを言及するのも対策の一つです。実際、ニッチな客層には、治療方法や設備の情報を知っており、検索をしてその治療を受ける気で来院する人も存在します。
歯科医院・歯医者の集客に有効な手法とは?
1.ホームページ
まず取り上げられるのは、情報源として最も多く挙げられたホームページです。
現在のWebマーケティングでは、最終的に閲覧される媒体がホームページです。そのため、「この歯医者に通う!」ダメ押しにつながるような情報がわかりやすく掲載されていることが望まれます。
歯医者のホームページに何を掲載するべきか?
集客ができるホームページにするためには、どの客層を対象にするのか明確に意識して作るとわかりやすくなります。
以下は、よくマーケティングでターゲットにされがちな核家族家庭の30代の女性の視点で取り上げたコンテンツです。
- アクセスの良さは明確か
- 駐車場の有無、営業時間、土日診療があるのか
- 治療は清潔な環境か、器具が滅菌されているのか
- 感染症への対策がしっかりされているのか
- 歯科医として安心できるのか、経歴はどのような人なのか
- 設備にはどのようなものを使っているのか
- こちらの話をしっかり聞いてくれるのか
- 安心できる治療方法を採用しているのか
- 子供を連れていっても診療を受けることが可能なのか
- 費用感が掴めるのか
積極的に集客をしていくという考えであれば、リスティング広告での運用が必要になり、トップページをランディングページのように構築します。
[st-midasibox title=”ランディングページとは” fontawesome=”fa-check-circle faa-ring animated” bordercolor=”#FFC107″ color=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”” borderradius=”5″ titleweight=”bold” myclass=””]
Webサイトを開いた時に、一番最初に開いたページのこと。広告用に作成されたページをランディングページとよく呼ぶ。
ランディングページでは、お問い合わせなどのコンバージョンを起こすことが目的であるため、ホームページのようにページを分割せずにコンバージョンに必要なコンテンツを1枚にまとめることが多い。
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SEO
検索エンジンで顧客獲得が期待できるキーワードごとに適したコンテンツを作成し、上位表示することでホームページに集客する対策をSEOと呼びます。
歯科医を探す時に、Googleなどの検索エンジンで「地域名+歯医者」「地域名+インプラント(治療方法名)」などのキーワードで検索します。つまり、この時にWebサイトが表示されれば、集客に繋がる可能性が飛躍的に向上します。
歯医者の情報サイトは少ないため、クリニックのホームページであっても、Google検索の1ページ目に歯科医院のホームページが表示されます。
通常の対策では、オウンドメディア(自社媒体)をWordPressなどのCMSで組み込み、狙ったキーワードごとに対応するページを作っていきます。
しかし、医療系やお金などの生活に密着した検索の順位決定のアルゴリズムにYMYLというものがあります。これらは、検索ユーザーにとって非常に重要な情報であるため、専門性、権威性、信頼性(この3つを合わせてE-A-T)の高いページを優先して表示するというものです。知識があっても意識的に対策をすることが難しいことが難点として挙げられます。
そのため、下手にページを追加するよりも、ホームページに求められている情報を過不足なくまとめる方が有効です。実際にあった例として、クリニックのホームページが検索順位1位から圏外に飛ばされました。解決に直接繋がった方法としましては、ホームページも院長やスタッフが書いていたブログを削除し、内容をまとめなおしたことで順位が復活しました。
SEOでは対策に時間がかかる上、上位表示は確定的ではない難点もあります。そのため、コンスタントに集客するためには、リスティング広告も検討するのが無難です。
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リスティング広告
検索エンジンを使った集客のもう一つの方法です。各検索エンジンに設けられた広告枠に広告を表示します。これをリスティング広告と呼びます。
リスティング広告では、クリックに入札を行い、希望の検索キーワードに上記のようなフレーズを表示させます。審査が通れば、即座に反映させることができ、表示のページも指定できるため、手間をかけずに集客をすることが可能です。
リスティング広告では、「地域名 歯医者」などの見込みの患者が多数検索しているけれど競争が激しいキーワードで出稿します。
症状や治療方法に関しては、検索結果をみて判断されがちです。基本的に検索されているかわからないけれど、検索されていれば集客に結びつきやすいいわゆるロングテールなキーワードでは、オウンドメディアでページを作ってSEOで集客します。
MEO(GoogleマップSEO)を行う
7割程度の人が地図アプリを使う場合、Googleマップを選択しています。つまり、周辺の情報を地図で検索している人に対しては、Googleマップ上の検索の対策が有効であることになります。
地図検索の対策を実施し、自身の歯科医院の表示回数を増やす目的で行う対策を総じてMEO(マップ検索エンジン最適化)と呼びます。
SEOとの違いは、SEOはWebページの検索であるのに対して、MEOは地図上のビジネスの検索です。そのため、情報サイトなどはMEOの対象にならず、純粋な競合のみが検索結果に反映されます。
Googleマイビジネスでページを管理することになります。ここでは、順位改善の話題のみならず、Googleマイビジネスの管理の重要性も説明します。
一番最初に閲覧される箇所である。
Googleマップで屋号を検索した場合でも、Googleで検索した場合でも、Googleマイビジネスで管理しているビジネスリスティングが一番最初に表示されます。
[st-midasibox title=”次の項目が表示される” fontawesome=”fa-check-circle faa-ring animated” bordercolor=”#FFC107″ color=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”” borderradius=”5″ titleweight=”bold” myclass=””]
- 評価(クチコミ)
- 電話番号
- 住所
- 営業時間
- Webサイト
- 最新情報
- サービス
- 商品
- 写真
- ビジネスの説明
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ここで評価が顧客目線としては評価が気になります。最近では、Webマーケティング業者によるクチコミの水増しを利用しているところが多く、いたるところでクチコミの件数が異常に多く不自然なクチコミが目立つようになっています。歯科医院のビジネスモデルではクチコミの件数が飲食店並に多いのは不自然なので、逆効果になる可能性が高いことは認識しておきましょう。
Googleマイビジネスの情報で興味を持ったか、もっと詳しい情報がわからないと思った人がWebサイトのアイコンをクリックし、ホームページを閲覧し出します。そのため、Webサイトにリンクするページは、歯科医院の説明をしっかり果たしているページへのリンクが望ましくなります。
MEOを実施するためには
Googleマップでの検索順位の対策としては、次の3つが重要であるとされています。
- 距離
- 知名度
- 関連性(キーワードと自社のビジネスが関連しているかどうか)
検索に表示される歯医者は、検索した地点から通える評判の良いところほど良いと考えられます。そして、インプラントや根管治療のように特定の治療方法を実施している歯科医院を探している時に、取扱いのない歯科医院が表示されても意味がありません。そのため、この3つの要素が特に重要であるとされています。
このうち距離に関しては、主要地に引っ越すなどの対策しかありません。そのため、必然的に対策ができるのは、知名度と関連性のみになります。
知名度では、「ホームページの検索順位」「クチコミの件数と高評価」「屋号などの直接検索のボリューム」などが関係しています。人気の歯科医院であれば、知人からの紹介の頻度も高くなりますので、必然的に検索される頻度も高くなってきます。また、クチコミも患者数が多ければ、自然に増えますし、質の高いサービスを提供していれば評価も高くなります。
関連性は、検索されたキーワードとビジネスに関連性があるかということです。例えば、「インプラント 渋谷区」で検索した場合、渋谷にあるインプラント治療を行なっている歯科医院が検索されなければなりません。これはGoogleマイビジネスに情報を十分に書き込むことで対策することが可能です。
ポスティング広告で商圏内の人に知らせる。
歯科医院は、歯が痛いなどの明確な理由が来院動機になりますが、ポスティング広告をすることで、近隣の人に歯科医院の存在を知らせることができます。そこから、Google検索に結びつけ、クチコミやホームページの閲覧に結びつき、集患に繋がります。
チラシにも医療法の広告規制が適用されます。
チラシでは興味を持ってもらうことがとても重要です。例えば「どのような治療ができるのか」「設備にどのようなものがあるのか」「清潔なのか」「話をしっかり聞いてもらえるのか」は歯科医院を選択する上では、是非知りたい情報ではあります。
また、近くにあってもアクセスがよくわからないチラシでは行き方がわからないため集客に繋がりません。ここは大きく訴求した方が良い結果になることが多いです。
歯科医院ではSNSを使った集客は不向きなのか?
SNSで検討している人は、全体の2%程度しかいません。他の店舗ビジネスのようにFacebook、Twitter、Instagramの更新頻度を上げても、画像を用意することができませんので、あまりSNSで集客することは考えない方が良いでしょう。
ただし、Youtubeでは、動画で院内を紹介することもできますし、一問一答のようなコンテンツを用意することで治療のイメージ形成をすることができます。Youtubeで治療の動画を見る人は、よほど悩んでいる人か高いレベルの治療を望んでいる人なので、ここから集客できる患者は顧客単価は高くなります。
まとめ
歯医者は美容室と同様に一度気に入ると引っ越しが起きない限り、転院することはまず考えられません。そのため、かかりつけの歯科医ができる前の人にアプローチできるマーケティング手段を持っておくべきだと言えます。
カチプロでは、立地やターゲットを考慮したマーケティングプランの提案および対策を行なっています。ご興味がある方は、是非一度ご相談ください。
業種別集客まとめ記事
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最終更新日 : 2024年3月21日