飲食店が活用可能な補助金一覧
飲食店の開業には、お金がかかります。
設備投資も初期に行う必要性がありますし、居抜き物件を見つけることができたとしても、リフォームが必要になります。
いくらお金があっても足りないというのは、その通りで、最初から販促にお金を満足にかけることができず、集客が思ったようにいかないと苦しむ飲食店も少なくありません。
だからこそ、活用できる補助金や助成金は調べて活用する必要性があります。
補助金・助成金とは?
それぞれの目的で発行されており、その目的の達成のために一定の割合支払われるのが補助金です。返済の必要性はありませんが、報告の義務が発生します。
各補助金には、販路拡大、経営革新、労働生産性の改善などの目的が盛り込まれていることが多く、審査制のスタイルを採用しています。
そのため、目的をクリアできることを論理的に説明する計画書が必要です。
年々、どの補助金の競争率も激化傾向にあり、その中で審査をクリアするためには、専門家のアドバイスを受けることが一番の近道になっています。
ここでは、飲食店が使える、補助金・助成金を紹介します。
軽減税率対策補助金
募集 ~ H30 1/31(http://kzt-hojo.jp/)
導入が決定されている軽減税率に飲食店は対応しなければなりません。
そのため、複数消費税に対応するレジを導入する必要性があります。そのレジの導入および改修を行うための費用が最大20万円/1台の補助が出ます。これを機に、POSレジの導入を行い、RFM分析による固定客対策を図ることをオススメします。
IT導入補助金
補助金概要
中小企業の労働生産性が大企業の半分ということで、労働生産性の改善を目的とした補助金です。
新たに導入したソフトウェアやクラウドサービスに2/3 最大100万円が支払われます。
この補助金には注意が必要で、あくまでもソフトに支払われます。例えば、クラウドサービスを導入した場合、端末費用は100%自己負担となります。
また、クラウドサービスには、導入費用および1年分のライセンス費用のみが対象になります。2年目以降は完全に自己負担になります。
ホームページの制作や顧客管理システムも対象内ですので、検討してみる価値はあります。
ただし、支援企業が登録制になっているため、その中の業者から選ばなければなりません。
そのため、事情通のコンサルタントに補助を依頼しないと目的の機能のサービスを選定できずに失敗するリスクがあります。
必ず、よろず支援拠点に相談し、ミラサポに登録しているITコーディネーターに計画書作成の補助を依頼しましょう。
スケジュール
今年の申請日程は上記のようになります。申請を検討している方は、4月中に生産性向上を目的とした計画書を作成するようにしておきましょう。
小規模事業者持続化補助金
補助金概要
募集期間は年によって異なります。
事業所がある全国商工会連合会の窓口にて申請することができます。
ルール上は、商工会議所および商工会会員でなくても申請はできますが、
そもそもの補助金の成り立ちが成り立ちですので、会員であった方が望ましいことになります。
最大50万円 2/3まで補助金が出ます。
つまり、75万円の出費が全て認められれば、50万円がかえってきます。(条件によって枠組みが変わる場合もあります。)
活用の幅が広いため、大変人気の補助金で、そのため年々競争率が激化しています。
提出する計画書は事業の持続性を高めるもの、新たな販路を獲得できる見込みが高いことを中心にまとめる必要性があります。
また、地域によっては、商工会の方が商工会議所よりも申請が通りやすいなどがあるようです。
ちなみに、所沢市は平均50%だそうですが、山形県の某商工会議所では、1〜2社採択されれば良い状態です。
採択のされやすさは、作成した計画書に依存しているため、塾考する必要性があります。
ちなみに、採択率が悪いからと言って、別の商工会窓口から申請することはルール上できません。
主な使い道としては、店内のバリアフリー化、分煙化、ホームページの制作(ウェブ集客の強化)、e-ラーニングシステムの開発、新商品のデザインなどが対象となります。
実際の採択例を見てみると、ウェブ対策による新たな販路拡大分野が他の使い道よりも多く採択されているように思われます。
スケジュール
http://h29.jizokukahojokin.info/
今年の申し込み期限は、5月18日です。
なお、小規模事業者持続化補助金を活用してホームページの作成や通販の開始を行いたいとお考えの方は、事前にご相談いただければと思います。
というのも、使い道が決められた後にお問い合わせをいただくことが多く、とてもじゃないですが、準備が圧倒的に足りていない状態でやらざるえないことになり、困ってしまうからです。
なにを重点的に行うべきなのかは、外部の専門家に必ず相談した上で、申請書を作成するようにしてください。
ではなければ、採択されませんし、採択されたとしても結果が残せません。
受動喫煙防止対策助成金
飲食店の完全分煙を行うための工費、設備費、備品費、機械装置費などの費用に対する助成金です。
最大200万円で助成率は1/2です。
この助成金には注意が必要で、受動喫煙を防ぐ目的の費用にのみ助成されるものですので、必要性のないデザイン、高すぎる機材、禁煙スペース内の備品には助成が認められません。
飲食ができない喫煙所と飲食ができる喫煙スペースとでは、面積あたりの助成金の金額も異なります。
受付は、各都道府県の労働局にて。着工してしまった工事に対しては、この助成金は使えませんので、注意が必要です。
(注意)補助金ありきで施策を考えない。
現在の経営資源は多岐化しており、ヒト、モノ、カネに加えて、情報、時間、環境の6要素化しています。
補助金のリスクは、100%採択されるわけではなく、採択には時間がかかるということです。
例えば、小規模事業者持続化補助金がなんどやっても採択されない場合、2回申請するだけで平気で1年くらいの歳月が経過しています。
経営で1年何もできていないというのは、大きなリスクです。
そこで行った施策も100%成功するとは限りません。
企業の成長は、PDCA回路の高速回転で成り立つとも言われています。
補助金を頼り切ると、採択待ちした分だけ、この回転が遅くなりますので、補助金がないと何もできなくなる状態だけは避けるべきです。
最終更新日 : 2020年9月24日