飲食店がネット予約を導入する時に考えるべき基準と予約数の増やし方

飲食店では、特にディナータイムはネット予約を主軸に予約を獲得するのが集客の基本です。電話予約では、ほかの電話に出ている時や忙しい時に電話に出れないことがあり、また営業時間内でなければ予約されることもありません。そのため、深夜や昼間にお店探しをしている人にとっては、24時間予約の受付をしてくれる飲食店の優先順位が上がります。

ここで飲食店側が悩んでしまうのは、どのネット予約の方法を採用するかです。選んだネット予約の方法次第では、予約獲得数に影響しますし、1人あたりの集客のコストパフォーマンスに影響することもあります。

ここでは、飲食店のネット予約システムの種類と選び方、そして、ネット予約数を増やすための基本的なマーケティング方法について紹介したいと思います。

目次

飲食店のネット予約の種類とは?

飲食店のネット予約には、大きく分けると3種類に分けることができます。

  • グルメサイト
  • 成果報酬型グルメサイト
  • 自社予約(予約台帳)

グルメサイト

グルメサイトとは、飲食店の情報を専門で取り扱っているサービスのことで、検索するには、地域、業態、用途、予算などの条件で絞り込みで希望の飲食店を探すことが可能です。また、飲食店側は、会員になることで、ネット予約を受け付けることができます。

グルメサイトを導入するメリット

屋号で検索されることが少ない集客力の乏しい飲食店は、加盟することで飲食店を今探している見込み客に知られることができます。また、有料会員になることで、お店の魅力を伝えることができ、集客に十分に貢献します。

グルメサイトを導入するデメリット

ネット予約には手数料がかかります。ほとんどの場合、1回の予約ではなく、予約された人数に単価がかかります。例えば、食べログでは、ディナータイムの予約の時には、200円(+税)の手数料が1人ごとにかかります。そのため、予約の方法をネット予約に依存すると、予約手数料分を削減するのが難しいので、値上げしなければなりません。

成果報酬型グルメサイト

グルメサイトの中には、高級レストランを専門にするグルメサイトもあります。これらのグルメサイトは、顧客単価が高いため、月額固定費が無料である代わりに、予約の入ったコースの売上から成果報酬でネット予約を受け付けています。成果報酬型のグルメサイトは登録には審査が必要で通過すると加盟することができます。

成果報酬型グルメサイトを導入するメリット

客層が良く、用途が絞られているため、集客力も通常のグルメサイトよりも高いです。また、月額固定費がかからないため、顧客が呼べないなどのリスクは回避することができます。

成果報酬型グルメサイトを導入するデメリット

予約されたコースの売上に対して予約手数料がかかります。顧客単価の高いレストランでは、予約手数料が高くなりますので、通常のグルメサイトよりも負担が大きくなります。

自社予約・予約台帳

グルメサイトは、ネット予約手数料がかかるため、知名度をある程度構築した飲食店では、店舗を指名した検索も多く、ホームページから直接予約を受け付けます。この場合、フォームで予約をするとテーブルの管理ができません。そのため、通常自社でネット予約を伸ばしたい時は、予約台帳のサービスを活用します。

TableCheck

TableCheckは、飲食店向けの予約システムで、特に以下の3つの特徴があります。

キャンセルプロテクション機能この機能は無断キャンセルやドタキャンを防ぐための対策として提供されています。予約時にお客様にカード情報を事前に入力してもらい、この情報を基にキャンセル防止を図ります​​。
コンタクトレス決済予約時にクレジットカード情報を入力しておくだけで、当日店頭での会計が不要になる決済システムです。これにより、飲食店での非接触型決済が可能となり、店舗運営のスムーズ化に貢献します​​。
直感的な予約管理TableCheckは直感的な操作で予約を一元管理することが可能です。このシステムにより効率的な予約受付が可能となり、送客手数料もかかりません。また、リピーターを生む顧客管理や感動を生むおもてなしにも寄与するとされています​​。

TableCheckと連携できるPOSシステムの代表例がPOS+です。

トレタ

トレタの予約台帳は誰でも操作できる使いやすさが特徴です。予約管理の手間やトラブルを削減することができ、ウェブ予約ページの作成やグルメサイト、POSとの連携も可能としています。

トレタのキャンセル対策では、直前キャンセルがあった際、飲食店はPaynのフォームに予約者の情報と請求金額を入力します。予約者はSMSやメールで送られたリンクからキャンセル料を支払うことができ、支払いがない場合自動的に督促リマインドが行われます。飲食店はキャンセルポリシーを設定することで、請求業務を簡略化できます。このシステムにより顧客との直接のやり取りが不要になり、手間とストレスが軽減されます。また、多言語対応や海外番号へのSMS送信機能により、訪日外国人客のキャンセル対策にも有効です。

トレタと連携ができるPOSレジの代表例はスマレジです。スマレジは連携できるサービスが多いので、それぞれのお店の需要に合いやすいようにカスタマイズすることができます。

店舗経営効率化にスマレジ

評価:

連携できるシステム数が国内でトップクラスでカスタマイズすることで、店舗経営のデジタル化の土台を構築。券売機や自動精算機なども導入可能。

ほかには、POS+、NEC モバイルPOS、ユビレジが挙げられます。

LINEで予約ができるようにするためには?

リピーターの対策で、LINEから予約を獲得したい時には、メッセージでURLを送信するかLINEで予約の機能を活用します。

LINEで予約を使うことで、店舗が持つLINE公式アカウントのプロフィールやLINEが提供するサービス上の店舗情報ページから、
オンラインでの即時予約やLINEのトークを通じた予約が可能で、ユーザーはアプリを切り替えることなく、LINEの中で予約を完結することができます。

提携ができる予約システムは以下の通りです。

  • GATE
  • ebica
  • ぐるなび
  • Yahoo!リザベーションマネージャー
  • ヒトサラ
  • Retty

ネット予約の方法を選ぶ際の基準とは?

ネット予約システムを選ぶ基準には、以下の3つが挙げられます。

① 集客までネット予約に求めるのか?

ネット予約を導入するのは、顧客の利便性を高めることですので、集客が十分でなければそもそも予約数が伸びません。自力で集客ができる見込みがない時は、グルメサイトを使います。グルメサイトは、集客ができることと客層が合致していることを重視した選択を行います。

②高級レストランであれば成果報酬制グルメサイトの登録も考える。

予約手数料が高いため、利益率を圧迫する恐れはありますが、それでも空席が発生するくらいであれば、顧客を入れた方が稼働率が上がります。成果報酬制グルメサイトの掲載の基準は明らかにされていませんが、想定される基準としては、「コースの単価が高いこと」「そのグルメサイトと客層が合致していること」が考えられますので、条件を満たしているのであれば、申し込みをしてみるのが良いでしょう。

③集客力に自信があれば自社の予約システムを導入

店名の氏名検索の割合が多いと、グルメサイト経由のネット予約は手数料がもったいないです。そのため、Googleビジネスプロフィールやホームページ、アプリから自社の予約システムに誘導し、予約手数料がかからないようにします。

ネット予約数を増やすためのマーケティングとは?

ネット予約数を増やすためには、次に取り上げるマーケティングを行うことが多いです。

①グルメサイト内の検索順位対策

グルメサイトのネット予約では、グルメサイト内の検索で上位表示をすることで新規の顧客を獲得します。サイト内検索のアルゴリズム(表示ルール)は、月額固定費に連動している場合とアクセスアップなどの機能に依存している場合があります。

激戦区では、検索順位が固定費に連動しているグルメサイトでは集客コストが高くなりがちです。そのため、アクセスアップなどの上位表示ができる機能があるグルメサイトを選択した方が、ネット予約数を増やしやすいです。

②GoogleMEO

特に、予約が必要なディナー予約では、とりあえず口コミを確認するためにGoogle検索することが一般的になっています。この時に、地域名と業種の掛け合わせで検索した時に、店舗名が上位に表示されるように対策するのが、MEOです。

MEOでは、検索をしている地点からの距離、視認性の高さ(人気の高さ)、検索との(関連性)が強く関係しています。そのため、飲食店では、口コミを集めたり、情報を詳細にGoogleに登録する対策を行います。

③SEO

Google検索では、グルメサイトが上位に表示されるため、飲食店のホームページを上位表示させることは非常に難しいです。SEOに飲食店が取り組むべきメリットは以下の通りです。

MEOの順位の要素であるから。

ビジネスについてのウェブ上の情報(リンク、記事、店舗一覧など)も視認性の高さに影響します。Google でのクチコミ数とスコアも、ローカル検索結果のランキングに影響します。クチコミ数が多く評価の高いビジネスは、ランキングが高くなります。ウェブ検索結果での掲載順位も考慮に入れられるため、検索エンジン最適化(SEO)の手法も適用できます。

Google のローカル検索結果のランキングを改善する方法

検索エンジン最適化の手法が、GoogleMEOの順位に反映します。つまり、公式サイトのドメインで集客につながるコンテンツを増やしていけば、Googleマップで検索した時の店舗の露出度を上げることができます。

用途検索での流入で直接予約を増やすことができるから。

「地域名 デート」「地域名 個室」などの情報は求められているキーワードである反面、対策次第では上位表示が可能です。たとえば、オウンドメディアを作成し、近隣のデートスポットを紹介した上で、自店舗の紹介をすることで、その延長上に予約を獲得することができます。

④SNS(Instagram)

特にInstagramは、飲食店との相性がとても良い画像とショート動画を主にしたSNSであるため、人気アカウントを作ることで、直接予約を増やすこともできます。インスタ映えをするようなメニューを考案し、動画や音声を使ってシズル感のあるストーリーズを投稿することで、高い反響を得られます。

SNSは、エリアを絞り込んだ広告を運用することができるため、グルメサイトを使わずに、月額固定費の分で広告を運用し、アカウントを育成する選択肢もあります。

⑤LINE公式アカウント

集客コストを減らすためには、リピーターとコミュニケーションがいつでも取れることがとても重要です。

LINE公式アカウントを運用することで、リピーターにネット予約を促すメッセージを配信することができます。この時に、自社のネット予約の方法に誘導することで、手数料分を削減することができ、利益率を高めることができます。

まとめ

飲食店では、予約の取りこぼしが問題になりやすく、電話のみの予約方法であれば、営業時間でしか予約を受け付けることができません。そのため、ネット予約を受け付けるようにすることで、24時間の予約を受け付け、取りこぼしを減らすことができます。

ネット予約には、手数料が席数ごとにかかる一般的なグルメサイト、高級レストランなど予約されたコースの売上に連動した手数料のグルメサイト、予約台帳があります。

基本的に集客をネット予約に求める時には、グルメサイトを使いますが、ある程度のブランディングが行われ、LINE公式アカウントやInstagramのアカウントが育成されていれば、自社のネット予約で予約を回し、利益率を高めていく戦略がおすすめです。

最終更新日 : 2024年7月8日

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