流通戦略とは?マーケティングを成功に導くチャネルの選択

流通戦略とは、商品やサービスを広めるための重要なマーケティング戦略の一つです。マーケティングミックスの4Pの中のPlaceのことで、流通政策、チャネル戦略などの呼び名も存在します。

■マーケティングミックスの4Pとは?

Product:商品開発戦略
Price:価格戦略
Place:流通戦略
Promotion:販売促進・集客戦略

流通戦略は、開発した商品やサービスをどのように世の中に広めていくかの戦略そのものです。例えば、清涼飲料水であれば、気軽に手にとって飲んでもらえるようにした方が売れますし、ブランド価値の高い商品であれば、どこでも購入できることによって価値は下がることもあり得ます。

どこで販売するのかは、その商品と顧客の接触面を決めることになり、価値に直結します。利便性を重視するのであれば、開放的な流通網を用意します。価格や希少性を重視するのであれば、閉鎖的な流通網を用意します。

目次

チャネルとは?

流通戦略の話題になれば、チャネルが中心になります。チャネルとは、製品を顧客に届けるまでの流通手段のことを言います。

チャネルは3種類に分類することができます。

  • 販売チャネル:コンビニ、直営店、直販サイトなどの販売を行う場
  • 流通チャネル:顧客まで製品を届けるための手段
  • コミュニケーションチャネル:顧客に製品の存在や価値を知らせる手段

流通戦略では、コミュニケーションチャネルを除く、販売チャネルと流通チャネルが取り上げられています。

1.チャネルの長さとは?

製品がメーカーからエンドユーザーまでに届くまでの経路数を指します。経路数が多いほどチャネルの長さは長くなります。

0段階チャネル(直販)

メーカー→顧客

顧客が直接メーカーから購入します。例えば、パソコンは顧客がメーカーに好みの仕様の発注をかけて、メーカーは受注販売を行なっています。また、バンダイではキャラクター関連のおもちゃを開発・販売していることを生かして、プレミアムバンダイという直販サイトを運営しています。

SNSなどの双方向のコミュニケーション方法が確立したこともあり、メーカーも消費者の要望を直接吸い上げることができるようになりました。そのため、特定の顧客ニーズの消費者向けの商品を開発し、受注販売を行うDtoCのビジネスモデルが運用できるようになりました。

1段階チャネル

メーカー→小売→顧客

小売がメーカーから直接仕入れることで、中抜きをなくし、メーカーとの信頼構築により良い品質の商品を仕入れることができるようになりました。メーカーの視点からみると、販売チャネルを選択することができるメリットがありますが、卸売を仲介する時に比べると、小売に自社で営業をかける必要性があり、大変です。

2段階チャネル(直販)

メーカー→卸売→小売→顧客

花、野菜、お菓子、肉、雑貨などの商品点数が多いものでは、卸売が各地に存在し、小売に商品を配送していることが一般的です。メーカーは、卸売の取引網を利用し、幅広い小売に商品を陳列してもらえるメリットがあります。小売から見ても、安定した仕入れができるメリットがあります。

しかし、卸売を仲介することで、中抜きが発生するため、メーカーと直接契約をすることで大ロットで仕入れし、仕入れ価格を抑える小売が増えてきています。また、野菜などの品質に優劣があるものでは、卸売は贔屓の小売に品質の良い商品を優先して卸すため、品質の良いものを求める小売も増加していることが挙げられます。

3段階チャネル

メーカー→卸売→二次卸→小売→顧客

個人商店が多い地域では、小規模な二次卸がありましたが、コンビニが増加したことやAmazonなど手軽に通販ができる販売チャネルの登場で、激減しました。同じ商品でも、メーカーは直接販売している商品よりも価格が高くなるため、現在ではチャネルの長さはここまでは長くなりません。

2.チャネルの幅とは

チャネルの幅とは、流通チャネルをコントロールし、販売チャネルを選択することです。国産牛であれば、スーパーでも購入することができますが、ブランド牛では、販売店を契約制にすることで、流通を制限しています。これによって、ブランド価値を維持することでき、高い単価を維持することができます。

チャネルの幅のコントロールの方法を流通政策と呼びます。

流通政策顧客リーチブランドコントロール
開放的流通政策広いどこでも販売しているため不可能
選択的流通政策限定的ある程度のブランドコントロールが可能
排他的流通政策狭い維持しやすい。

開放的流通政策

開放的流通政策とは、販売チャネルに制限を設けないことで、一気にシェアを拡大することができます。競争の論理が働くため、おとり商品として安い価格で叩き売りされるリスクもあります。量産がしやすく、利便性を優先した方が良い商品では、選択されやすい政策です。

選択的流通政策

選択的流通政策は、直営と販売許可を与えた代理店のみが商品を取り扱うことができる流通政策です。選択的流通モデルは、ブランド価値をコントロールしたい商品で選択されます。商品ではブランド品、サービスでは広告代理店やシステム販売代理店があります。

排他的流通政策

排他的流通政策は、独占的に販売権を締結することで特定の販売店でしか購入することができない流通政策です。強い販売店のブランド価値を活用することで高い価格で販売することができます。

流通戦略に関わるビジネスモデル

流通戦略は、小売や販売側の視点からすれば、より効率的に仕入れができるかが成功の鍵を握っています。ここでは、流通戦略に関連するキーワードを紹介したいと思います。

1.共同仕入れ

販売店が提携して、共同で仕入れを行います。大量購入をすることで、売り手は在庫を一掃できるメリットがあります。また、運送費などの費用も節約できることやスケールメリットを活かして価格の融通が効きやすくなります。

2.フランチャイズ方式

屋号のライセンス契約を結ぶことで、フランチャイザー(本部)が提供する効率的な流通の仕組みを使うことができます。フランチャイジーは、販売方法に制限が加えられますが、ブランドも活用することができるメリットがあります。経営ノウハウも補填できるため、他業種に進出する時に、フランチャイズ契約を結ぶことが一般的です。

3.マルチレベルマーケティング方式

消費者側に販売権を付与し、消費者間のネットワークを軸にして市場に流通させる方式です。

ネットワークに参加する人は、その商品に魅力を感じているわけではなく、収入源として見ています。そして、統率がされていない組織では、強引な加入が問題視されています。末端の人は在庫を処理することができないこと、上位会員は下位会員に比べて金銭が多く分配されていることもあり、特定商取引法で禁止されている無限連鎖講(ネズミ講)に認定されやすく、問題が起こりやすい流通戦略と言えます。

まとめ

流通戦略は、商品を市場に効率的に浸透させる他に、ブランド価値をコントロールする販売価格戦略に強く関係します。

開発した商品と共通するターゲティングをしている販売店と契約することで、効率的に商品を広めることができます。

  • 利便性が重視される最寄品のような商品は、開放的流通政策を採用することで、一気に商品を広めることができます。
  • ブランド価値を維持した流通を目指す時は、教育された代理店やフランチャイジーを選択的に流通します。
  • 販売力のある商品は、販売力の強い販売店と独占的に契約することで、高い価格で流通させることができます。

なお、売れない商品は、流通にも不利になります。製薬会社が病気の治療に関するテレビCMを出しているのは、その症状の人の通院を促し、処方箋をクリニックに出してもらいたいからです。そうすることによって、調剤薬局で自社の薬が取り扱われやすくなります。

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