店舗経営者ならば、誰もが知っているポスティング広告。
ポスティング広告は、広告の準備さえできていれば、すぐにでもスタートできる集客の手段ですが、反応率が低すぎることで苦悩するのがこの集客の方法です。
ポスティング広告で反応が出ない理由はなんなのでしょうか?
当然、反応が全くなければ、この方法自体が廃れるものなのですが、未だに残っています。
つまり、ポスティング広告で反応率を出す方法が存在するということです。
では、ポスティング広告で成功するための工夫、コツ、そしてポイントを取り上げたいと思います。
目次
ポスティング広告とは?
投函口にチラシを差し込むことで行う広告のことです。チラシを自作すれば、自社のみでスタートさせることができるため、手軽な集客方法として、飲食店、美容室、整体院、英会話教室などの一般的な集客方法としてお馴染みです。
しかし、ただ配布すればお客様が集まるかと言われれば、そうではありません。
ほとんどのポスティング広告は、読まれずにゴミ箱に行くか、タイミングが合わないことで、集客にいたりません。
ポスティング広告を成功させるためには、その仕組みを理解して、効果的な方法で実施することが何よりも重要です。
ポスティング広告の効果とは?
一般的に、ポスティング広告の反応率は、0.1%程度だと言われています。
これは、1,000枚配布して、1件の注文を獲得する計算になります。
チラシを仮に自分でデザインをして、ラクスルで表面カラーで裏面がモノクロにしたとすると、最大納期で印刷代は1,000枚で2,950円(税抜)です。
自分でポスティングをすると仮定したのであれば、額面だけの顧客獲得単価は、2,950円です。
もちろん、全てを自分でできるわけではありませんので、5,000円程度に実際はなっていることが多いようです。
ポスティング広告とコミュニティーペーパー
チラシを配布する手段として、比較ができるのがコミュニティーペーパーです。
ここでは、新聞折り込みとは比較しません。何故ならば、新聞を購入する理由は、新聞を読むことにあるからです。広告を見るための目的ではありません。
従来、新聞折り込みが成立していた理由は、インターネットが普及しておらず、情報を受け取る手段が新聞かテレビに限定されていたからだと思われます。
地域の情報を提供するコミュニティーペーパーの場合は、地域の店舗の情報などを知りたいと思って読む人が相当数いる上に、チラシよりも読まれる傾向にあります。そのため、有効なチラシの配布手段として、最近はコミュニティーペーパーを取り上げています。
ポスティング | コミュニティーペーパー | |
信頼性 | 低い | 媒体による |
購読のされやすさ | 低い | 中程度 |
ターゲティング | 自由にできることが多い | 媒体によるが細かな指定も可能 |
デメリット | 配布禁止の集合住宅には弱い。 | 激安のキャンペーンチラシも挟まれる媒体もあるので、競争が起こる場合がある。 |
費用面は?
ポスティング広告もコミュニティーペーパーも業者によって配布する価格が違います。
ポスティング広告は、期間や地域によって、3〜9円の配布単価の印象です。
それに対して、コミュニティーペーパーは、各媒体で異なっており、配布単価で決めるものと年契約のものに大きくは分かれています。
関東の場合は、@3円程度で折り込みが可能ですので、ポスティングより安価になります。
信頼性は?
チラシに対する信頼性は、どのようなテーマの媒体にもよりますが、コミュニティーペーパーの方が高いでしょう。
ポスティング広告でポストに詰め込まれている大量のゴミであるという印象があり、少なくとも迷惑と考えている人もいます。
購読のされやすさ
コミュニティーペーパーは読みものです。
そのため、地域の情報について仕入れようと思った人に購読される可能性が高いため、コミュニティーペーパーの方が読みやすいとされています。
ターゲティングは?
ポスティングは、基本的に住所を指定して配布するものですし、自分で配布すれば、家には投函して、マンションには配布しないということができます。
コミュニティーペーパーは、そのコンテンツによって購読層が変わります。また、どの地域に限定的に折り込むなど決めることもできる場合がありますので、組み合わせて配布地域を選択する必要性があります。
ポスティング広告の特徴とは?
ポスティングの特徴は、インターネット媒体に比べると、地域の人にリーチさせること自体はできます。
ただし、そのサービスや商品のニーズで絞り込むことができませんので、必要のない人にも配布をしてしまうデメリットがあります。
なんと言ってもポスティングは、自分から顧客に接近する施策であることが醍醐味です。
もし、ポスティングで高い成果をあげたいと考えているのでしたら、ポスティングは委託ではなくセルフポスティングをすることをオススメします。
委託であれば、折り込み型の広告が出せるコミュニティーペーパーを使う方がいいと判断しています。
もちろん、地域によって、広告の力関係が異なりますので、事情によってこの辺りの意思決定は変わってきます。
集客コンサルが教える、ポスティング広告を成功させるためのコツとは?
ポスティングで成功させるためのコツは、とにかく合理的に考えることですよね。
ポスティングの目的は、集客です。
集客とは、チラシを読んだ人がお店に足を運ぶことですよね。
どうすれば、足を運んでもらえるのかを具体化する必要があります。
チラシをもらった人が来店に至る経緯を消費者行動心理に落とし込みます。
- チラシに興味をもつ。
- そのチラシの内容に関心を持つ。
- そのチラシの内容を受けるタイミングがあっている。
- 予約をする。来店する。
これを段階的にクリアできれば、ポスティングの成功率をあげることに繋がるということになります。
ポスティングをやる上で、知っておくべきランチェスター戦略
ポスティングを行う上で、ランチェスター戦略を学ぶことをおすすめします。
地域密着型のビジネスの場合、自分が経営資源の乏しい弱者であることが多く、競争で生き残るための戦略が重要になります。
地域に密着し、距離感を縮める接近戦や市場のニーズに対して競争相手が少ないサービスで戦う一騎打ち戦など、弱者には弱者の戦い方があります。
ポスティングは、まさしくお客様と物理的に近い距離まで出向く集客手法です。より、顧客との関係性を近づけて自社の活用に結びつけることを目的にすることが、接近戦の手法になります。
[amazonjs asin="453405579X" locale="JP" title="【新版】ランチェスター戦略 「弱者逆転」の法則"] [amazonjs asin="4822251934" locale="JP" title="小さな会社の稼ぐ技術"]ポスティングではなく、挨拶回りをする。
そもそも、ポスティングで投函されたチラシでなんとかしようと思うのが間違いです。
もう、どうせ近くまで行っちゃうのであれば、挨拶回りをして顔と名前を売った方がいいです。
どんな工夫をしても、最終的にそのお店に行きたいと思うのは、そこで働く人の印象だったりします。
感じの良い元気な子が働いている整体院だったら、行きたいと思いますよね。
それをチラシで表現することを頑張るのであれば、直接その子を見せてしまった方が圧倒的に早いです。
そこで、世間話でもできれば、こっちのものです。
その場で予約が取れてしまいます。
ちなみに、キャンペーン開催の基本は、全て声がけです。
POPの改善だけで、施策を成功させることができると思っている店舗も未だに多いですが、成果では、2倍以上の開きがあるというのが私の見解です。
戸建を中心にする。
基本的にマンションは、ポストの隣にゴミ箱が設置されています。
また、挨拶回りによる接近戦を仕掛けた方が、高い反応率を獲得できるため、戸建を狙います。
できれば、若い世代よりもご年配の世代の方が迷惑がられませんし、世間話に持っていきやすいですよね。
世帯収入もマンションやアパートよりも高い傾向にありますので、都合がいいです。
マンションには注意も必要
マンションの場合は、ポスティング自体を禁止しているところが多く、ポストはマンションの共有部分にあります。つまり、不法侵入とされる可能性があります。
トラブルの元になることもあり、最初から配らないということも選択肢になります。
チラシの内容を季節需要に絞り込む。
タイミングと需要を合わせることで、チラシの反応率が向上します。
例えば、写真館に集客しようと考えた時に、
- 通常営業を知らせるチラシ
- 七五三などに絞り込んだプランをお知らせするチラシ
この2つが並んでいるのであれば、当然イメージしやすいのは後者です。
そして、タイミングが合えば、検討する余地が生まれます。
そして、タイミングなのですが、とある居酒屋で事件が起こりました。
それは、2月の閑散期のために、お得な宴会プランを知らせたチラシを配布したのですが、
そのチラシに肝心の期間が書いていませんでした。
さて、どうなったかと言うと、3月の歓迎会、送迎会の予約が殺到したそうです。
つまり、顧客側の考えでは、この時3月の送迎会のことを考えている人が多かったと言うことです。
想定していたよりもちょっと早いくらいがポスティングのタイミングとしては有効だと言うことになります。
チラシはわかりやすさを重視したクオリティーにする。
チラシのクオリティーが綺麗ならば良いかと言われると、そうとは限りません。
結局見られないと意味がないからです。
実際ポスティングのチラシは、ごちゃ混ぜの状態になってポストから出てくることが多く、
目に止まることがなければそのまま廃棄になってしまいます。
パッとみて、なんのチラシで、なにがお得なのかわかるデザインにしてしまうことが重要です。
手書きでデカデカと作ったチラシの方が反応がでるなんてしばしばです。
家庭内決済者が動くコピーとオファーで構成する。
ポスティングは、オフラインの集客手法であるため、何も行わなければ効果測定を行えません。
そのため、重要になってくるのが、配布したチラシを持った状態で来店させることです。そこで、来店することでお得な特典がもらえるオファーを使うことになるのですが、ここで動かしたいのは、家庭内決済者です。
家庭内決済者とは、家族の行動を決める家庭内の権力者のことで、ほとんどの場合は、(残念ながら)奥さんです。奥さんがもらって嬉しいものをオファーにすると比較的はずれのないオファーに設定することができます。
もちろん、体験価格も有効なのですが、何もしなければ売上作りのリピーター対策ができません。来店をしてもらえるような時限付きの仕組みを合わせて導入しましょう。
同じ配布先に3回は配布する。
ポスティングは、配布1回で成否を判定できる施策ではありません。
タイミングの問題もあります。
読まずに捨ててしまった可能性の人や、そのときはたまたまいらなかった人を拾い上げるためには、複数回の配布が必要になります。
また、定期的に挨拶回りをすることで、距離感を縮めることができます。
これは、顔を何度も合わせることで親近感作りを行うことができるザイオンス効果で起こるものです。
配布NGの家は記録する。
ザイオンス効果は、ものすごく嫌いなものを何度も見ているとさらに嫌いになる効果でもあります。
(嫌いな人を好きになる効果と知られていますが、これは良い点を発見できるほどの長い接点があった場合で、基本的に迷惑だと思っている人の顔を短時間で何度も見ても好きにはなりません。)
そのため、配布の時に何か起こった家は記録しておき、再度配布するというようなことはしないようにしておきましょう。
効果測定を必ず行う。
- 何枚配ったのか?
- いつ配ったのか?
- なにを配ったのか?
- どこに配ったのか?
をまず記録します。それに対して、チラシを持ってきて来店した人数、売上を計測し、どの程度の反響があったのかを確認することが効果測定です。
チラシを提出してもらう仕組みにしないと、ポスティングは、効果測定ができません。
「チラシになにもつけていない」と答える経営者もちらほらいます。
それじゃあ、投資対効果がわかりませんよね。
まとめ
ポスティングは、工夫と考え方次第でいくらでも高めることができる手法です。
トラブルを防止するためにも、ルールは守りましょう。
また、最近はスマホで口コミをチェックする時代です。
ウェブ対策を全くしていなければ、「来店しづらい店舗」のイメージが出来上がってしまいます。
ウェブ対策と合わせたポスティング広告の戦略ができることが望ましいですよね。
対象にしている顧客の消費者行動をまず知り、どのように情報を収集し、信頼し、購入に至っているのかの調査を優先する必要があるでしょう。