FLコスト・FLRコスト・FD比率とは?利益を左右する飲食店の重要指標

FLコストとは、原価(Food)と人件費(Labor)を足した飲食店特有の経営指標です。売上に対しての60%以内に収まらないと利益を出すことが難しいです。FLコストに家賃(Rent)を足したものをFLRコストと呼びます。FLRコストは70%に収めることが重要です。FLコストよりもFLRコストの方が重要であるため、こちらを重視してみる必要性があります。

また、飲食業で高い利益率を出すためには、FD比率の考慮も必要です。FD比率とは、フードとドリンクの比率のことで、業態・ビジネスモデルごとに目標値が異なってきます。

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目次

飲食店を経営するのにはコストがどのくらいかかるのか?

営業利益を10%とすると、各種費用は以下の程度かかります。

原価30%
人件費30%
家賃10%
水光熱費5%
販売促進費用5%
減価償却費・支払金利・その他10%

飲食店では、原価・人件費・家賃の割合が高く、このコストをFLRコストと呼びます。これらの割合はあくまでも目安であり、原価と人件費を足したFLコストは、60%以内が目安であり、ファストフードや回転寿司などの効率化された店舗では、原価の方が人件費を上回り、高級レストランのような接客を重視した店舗では、人件費が原価を上回ります。

水光熱費、販売促進費、減価償却費・支払金利などのその他の費用は20%以内に収める必要性があります。

利益率を高める時にはFD比率

この計算は利益率を10%であることを前提にしています。そのため、限られたテナントでは、もっと利益率を高めて、できるだけ手元に残すビジネスモデルを採用したいと思います。その時には、FD比率で考えるのが重要です。

FD比率とは、料理とドリンクの提供の比率のことです。料理には食品ロスがありますし、提供には調理コストなどがかかります。そのため、料理の方がドリンクよりもコストがかかってしまい、利益率が低くなりがちです。そのため、利益率の高いアルコールやドリンクを可能な限り提供することが利益率アップには重要です。

業態フードドリンク
レストラン80%20%
居酒屋60%40%
カフェ15%85%

利益率が低くて困っている時は、ドリンク(特にアルコール)をさらに提供できるような工夫をすることが重要になります。ここでメニューの見直しやサービス提供のメニューの見直しを行う必要性があります。具体的な対策としては対策があります。

アラカルトを充実化させる。

ドリンクメニューを出すことを前提にするのであれば、飲むことを前提の顧客の集客を増やせば良いです。例えば、生ビール3杯を頼むことを前提にしたメニューはなんなのかを考えます。居酒屋に近いアラカルトを増やし、飲みにも使えることを訴求することでアルコールの提供数を増やすことが見込めます。

ハッピーアワーを導入する。

ハッピーアワーとは、店内の顧客が閑散とする時に合わせてドリンクメニューなどにサービス価格を適用する時間帯のことです。主に、16時〜19時に設定されやすいですが、飲みの需要には2軒目需要があります。回転もうまくいかない時には、あえて、21時以降に設定することで、ドリンクメニューの提供を促すことができます。

ワンモアドリンクを提案する。

カフェやたまに居酒屋でもいるのですが、ファーストドリンクを頼んだ後は、ドリンクを注文しない顧客も存在します。そこで、ドリンクをもう一杯飲むように仕向けるワンモアドリンクの提案を行うことで、ドリンクの提供割合が伸び、結果的にFD比率が最適化されます。

例えば、ファーストドリンクのコーヒーに対して、おかわり半額のレシートを提供します。これによって、リモートワークをカフェ内で行う予定の顧客を中心に客単価を上げることができます。

居酒屋などで、「もう一杯いかがですか?」のタイミングやしつこく迫ると滞在時間が短くなり、再来店頻度も低下する可能性があります。そのため、接客マニュアルで、ドリンクがほぼ無くなっていたり、通路側に空のジョッキが置かれていたテーブルに聞くなど教育をしておく必要性があります。

まとめ

今回は、紛らわしい飲食店に関わる経営指標の解説として、FLコスト・FLRコスト・FD比率について解説をしました。どの指標も飲食店を開業させる前に利益をしっかり出すために理解しておく必要性があります。

最終更新日 : 2024年7月8日

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