MEOとは？自分でできるMEO対策の概要と集客の効果を解説
MEOとは、ローカル検索（地図検索）で関連性の高いキーワードで自店舗（自ビジネス）の情報が表示されるように最適化する対策のことを言います。MEO対策をすることで、地図で情報を収集する人に効率的に情報をリーチさせ、主に新規顧客の集客に効果があります。
MEO対策では、距離、視認性（知名度）、関連性が影響しているとされています。実際の対策では、MEO以外のマーケティングやビジネスプロフィールの最適化、口コミの収集が効果があります。
ただし、MEOは、複雑な順位を決定するアルゴリズムの結果ですので、対策には限界があることを事前に知って取り組みましょう。
MEOとは？
MEOとは、Map Engine Optimizationの略称のことで、Googleビジネスプロフィールを対象にした検索であるローカル検索の露出向上や上位表示する一連の対策のことです。MEOは、ローカルSEOやGoogleマップSEOとも呼ばれます。これは、Googleマップでよく検索されるからです。
店舗の集客の対策として、MEOは、新規顧客の集客では非常に重要です。特定の目的を持ち、行ったことのないお店を探したり、評判をみることは、ローカル検索が現状最も便利であるため、Google検索のユーザー数は増加傾向にあります。
MEOのメリット
MEOを行うことで、近隣の人やその地域で店舗を探している人に、店舗の情報を効率よく表示させることができます。また、口コミの対策を併用することで、平均評価も高まっていますので、効率良く来店や利用の意思決定を促すことができます。
MEOのデメリット
ローカル検索の仕様は、距離と地域の属性が影響します。
店舗から距離が遠い地点で検索されても、その中間の位置に競合他店が数多ければ、上位に表示される可能性は低くなります。
また、特定の地域を指定して検索することもあり属性が一致していなければ、集客効果が下がります。例えば、居酒屋の利用は繁華街が多く、住宅街は一般的に少ないとされています。住宅街の立地では、検索されないため、MEOの集客効果が下がるということです。
また、広告と違い、検索されることを待っている消極的なマーケティングの手法ですので、特定の期間に短期で集客したいというニーズには向かず、あくまでも年間の集客数のベースを向上させる施策であると認識しておきましょう。
MEOとSEOとの違いとは？
| 比較できる基準 | MEO | SEO |
|---|---|---|
| 検索される情報 | ビジネスプロフィール | ウェブページ |
| 競合 | 競合他社・競合他店 | 競合他社・競合他店 予約サイト キュレーションサイト |
| 用途 | 店舗や事業所の検索 | 情報の検索 |
| 対策の難易度 | SEOよりは上げやすい | 業種によってはかなり難しい |
| 効果が出るまでの時間 | 未確定 | ドメイン次第ですぐに効果が出る |
MEOとSEOの違いは以下のようになります。
- 主になる対策は、MEOはビジネスプロフィールであることに対し、SEOはウェブページである。
- 競合は、MEOは、同一の地域の競合他店や他社に限定されるが、SEOは、それに加えて予約サイトやメディアのページも競合になる。
- MEOは、店舗を探すために活用されているため、店舗の集客に向いている。それに対して、SEOは、情報の検索に用いられているため、それ以外の用途にも幅広く活用されている。
- 対策の難易度は、業種によってはSEOはメディアが上位を独占しているので、上位表示がかなり難しい。それに対して、MEOは、競合他店や他社に限定されるため、SEOよりは対策がしやすい。
- 効果が出るまでの時間は、SEOはドメイン次第である。それに対して、MEOは効果が出るまでの時間を断言しづらい。
MEO対策をするとどこに情報が掲載されるのか？
ローカル検索は、Google検索のローカルパックやGoogleマップで周囲を検索する時に使われる検索です。スマホなどで周辺地域を探索する時に利用され、特に飲食店、美容室、宿泊施設などの店舗を検索する時にはよく活用されます。
集客ではMEOは優先されるのか？
新規顧客をすぐに集めたい時は、広告を優先的に実施します。これは、MEOは、アルゴリズムに依存するものであり、対策してもいつ上位表示されるかわからない上に、確定的に結果が出るわけではないからです。
また、周囲を検索する人にしか情報が到達しないため、人口が効果に影響が出やすい集客の施策です。最近では、MEO業者が行っていたなりすましアカウントを量産したクチコミ対策が明確に違法になったため、対策の方法が制限されています。
費用をかけてしっかり集客をするのであれば、見込み客にこちらからの情報を正確に届けることができる広告を優先することで、店舗の地域での知名度が上がります。客数も伸び、自然に評価されるようになるので、結果的にMEOにつながるケースが多いです。
MEOは業者に依頼して対策を実施するべきか？
ウェブマーケティングに未着手な店舗や企業には、専門性の高いMEO対策をするのは難しいです。そのため、積極的に上位表示を狙いたい時は専門業者に依頼しますが、MEO事業者でもよく行われている対策は、評価の高い口コミを不正に増やす対策です。これは、ステマに該当し、景品表示法第五条三項に違反します。つまり、違法行為です。
上記は、横浜の美容歯科をローカル検索で検索した結果ですが、競合の口コミが、50件に満たないのに、１店舗だけ口コミが1,000件を超えており、評価も4.8と不自然な結果です。この対策が、2023年10月以前のものであれば、ガイドラインにのみ違反ですが、それ以降の場合は違法行為で、依頼した事業者に、消費者庁からの措置命令（公表）後、従わなければ、懲罰又は罰金刑になります。
MEO対策を依頼する時には、支援の内容をまず聞きましょう。その時にこれらのリスクのある対策を説明もなしに行っているようであれば、これらの対策に着手してしまう可能性があります。
もちろん、MEOには他の対策もあるため、それらで結果を出せる事業者であれば、依頼する価値はありますが、前述の通り、結果が出るのかは不確実であるため、広告が優先です。
ローカル検索で順位が決まる基準とは？
MEOを行うためには、アルゴリズムを理解することです。アルゴリズムとは、検索順位を決定するためのルールのことです。Googleでは詳細なアルゴリズムは公開されていませんが、重要な基準として、距離、関連性、視認性の高さが明示されています。
これは、ローカル検索自体が、スマホなどのモバイル端末で出先で検索するシーンが最も多いと想定されているためで、検索した時に、求めている、近くの、人気店が表示される検索結果を目指しているからだとも言えます。
1.距離
距離とは、検索語句で指定された場所から検索結果のビジネス所在地までの距離を指します。検索語句で場所が指定されていない場合は、検索しているユーザーの現在地情報に基づいて距離が計算されます。
https://support.google.com/business/answer/7091
例えば、「東京駅 美容室」と検索すると、Googleに登録されている東京駅の座標から近い距離にある美容室が優先的に表示されます。これに対して、「美容室」と検索すると、今検索している座標から近い距離にある美容室が優先的に表示される仕組みです。
つまり、MEOで距離を対策したい時は、拠点を移動するしかないため、現実的に対策ができるわけではありません。
2.関連性
関連性とは、検索語句とローカル ビジネス プロフィールが合致する度合いを指します。充実したビジネス情報を掲載すると、ビジネスについてのより的確な情報が提供されるため、プロフィールと検索語句との関連性を高めることができます。
https://support.google.com/business/answer/7091
関連性が重要な理由は、探している情報に一致した検索結果にならないと意味がないからです。例えば、カレー屋を探しているのにピザ屋が上位表示されていては意味がありません。また、商品名で検索することもあり、それが販売されていない店舗が表示されるのも検索としては望ましくなく、これらの情報をGoogleが積極的に集めているとも想定されます。
関連性を高める対策には、ビジネスプロフィールの情報（特に、カテゴリ、ビジネスの説明、商品、メニュー）を充実化させることやSNSや関連性の高いウェブサイトに店舗の情報を積極的に掲載するなどが挙げられます。
3.視認性の高さ
視認性の高さとは、ビジネスがどれだけ広く知られているかを指します。ビジネスによっては、オフラインでの知名度の方が高いことがありますが、ローカル検索結果のランキングにはこうした情報が加味されます。たとえば、有名な博物館、ランドマークとなるホテル、有名なブランド名を持つお店などは、ローカル検索結果で上位に表示されやすくなります。
ビジネスについてのウェブ上の情報（リンク、記事、店舗一覧など）も視認性の高さに影響します。Google でのクチコミ数とスコアも、ローカル検索結果のランキングに影響します。クチコミ数が多く評価の高いビジネスは、ランキングが高くなります。ウェブ検索結果での掲載順位も考慮に入れられるため、検索エンジン最適化（SEO）の手法も適用できます。
https://support.google.com/business/answer/7091
実質、MEOの順位に強く影響すると言われているのが、視認性の高さです。以前は知名度と表記されていた項目です。
ローカル検索では、人気のある知名度の高いビジネスのプロフィールを表示表示させたいため、知名度や評価を検索順位に反映するアルゴリズムが採用されています。
MEO対策の具体的な方法
MEO対策は、複数の基準が複雑なアルゴリズムを形成して順位を決めていますが、距離、視認性の高さ、関連性がGoogleビジネスプロフィールの公式ヘルプでも取り上げれられているくらい重要です。
このうち、距離は、ユーザー側の視点の基準であるため、店舗側ができる対策は、視認性と関連性の向上です。
視認性を具体的に向上させる方法は、実際の集客を増やし、評価の高いクチコミ数を徐々に増やし続けることが重要になります。
それに対して、関連性の向上は、Googleビジネスプロフィールの情報を充実化させていきます。例えば、お店の特徴、業種、取り扱いのある商品名やサービス名で検索した時に表示されるように設定をすることがあります。
クチコミの管理と返信を行う。
ビジネスに関してユーザーが投稿したクチコミに返信しましょう。クチコミに返信することで、ユーザーの存在やその意見を尊重していることもアピールできます。ユーザーから有用で好意的な内容のクチコミが投稿されると、ビジネスの存在感が高まり、顧客が店舗を訪れる可能性が高くなります。
クチコミとは、ビジネスプロフィールに書き込まれたレビューのことで、主に最高星5つの評価と、内容が具体的にどうだったかのかを記す口コミに分かれます。ユーザーは、評価を行い、任意で口コミを書き込みます。クチコミは、視認性の高さの指標として重要視されており、ビジネスプロフィールに平均評価が表示されます。
ビジネスオーナーは、クチコミに返信をつけることができます。Googleは、この返信も重要視しているため、ネガティブなものも含めて返信をするようにしましょう。
クチコミを増やす方法とは？
クチコミを増やす方法は、クチコミ記入への直接リンクをサンクスメッセージで送信して依頼します。
ただし、この時に、値引きやクーポン、オファーなどと交換してクチコミの記入を依頼すると、景品表示法第五条３項のステマ告示違反になります。業者を使った評価の操作もステマ告示に違反しています。
ネガティブなクチコミへの対応も必要
平均評価が結果に影響するため、低評価のクチコミの対策も必要です。
低評価の口コミは、Googleのガイドラインに違反している場合に、管理画面から削除の申請をすることができます。これは、名誉毀損的な記述や虚偽、関連性のない書き込み、個人情報の記載などが該当しますが、第三者からは判断がつきづらい口コミは、削除ができると限りません。
また、主観的な評価が低いクチコミは、削除する手段がないため、誠意ある返信を行うことで、低評価がつけづらい状況を作るのも重要な対策の1つです。
Googleビジネスプロフィールに詳細なデータを入力する。
ローカル検索結果は、検索語句との関連性が十分に高いものが表示されるため、ビジネス情報の内容が充実しているほど、検索語句と一致しやすくなります。
例えば、冷やし中華を取り扱っているのに、冷やし中華で検索しても検索されないお店があります。これは、Googleビジネスプロフィールのメニューやクチコミにも冷やし中華の情報が掲載されていないからです。
そのため、Googleビジネスプロフィールに掲載できる情報で、店舗が正確に検索できるようにします。特に以下の箇所は重要とされています。必ず設定しましょう。
| 設定が必要な箇所 | 詳細 |
|---|---|
| カテゴリ | 主カテゴリとサブカテゴリの中から適切なものを選ぶ |
| ビジネス情報 | ビジネスの特徴を掲載することができる |
| 商品 | 写真付きで取り扱い商品の情報を掲載することができる |
| サービス | カテゴリに紐づいたサービスの情報を掲載することができる |
| メニュー | 飲食店限定で、取り扱いのあるメニューを写真付きで情報を掲載することができる |
ビジネスオーナーの手続きを完了する
ビジネスのオーナー確認を行うと、Google マップや Google 検索などの Google サービスで、ローカル検索結果にビジネス情報が表示される可能性が高くなります。
ローカル検索では、認証されたビジネスプロフィールの方が、認証されていないビジネスプロフィールよりも優先的に上位表示されやすい仕様になっています。必ず、ビジネスオーナーの手続きは行いましょう。
ビジネスオーナーの手続きは、電話もしくは郵送物を使います。事業者に対策を依頼していたとしても、ビジネスオーナーの手続きは、ご自身でなければできない部分があります。
営業時間の情報を正確に保つ
開店時間や閉店時間、祝祭日や特別なイベントに合わせた特別営業時間などを含む営業時間を定期的に更新しましょう。正確な営業時間が表示されていれば、顧客は営業時間を把握でき、安心して営業時間中に店舗を訪れることができるようになります。
Googleビジネスプロフィールでは営業時間や休業日を確認される傾向があります。ローカル検索のソート（並び替え）も、営業中か営業時間外かを選択することができますので、正確な営業日時を入力するようにしましょう。
写真を追加する
ビジネスの内容を伝え、商品やサービスを紹介するには、写真をビジネス プロフィールに追加します。的確で訴求力のある写真を掲載すれば、求めている商品やサービスがあることを顧客にアピールできます。
写真は、ローカル検索の結果に表示されます。例えば、麻婆豆腐と検索すると、麻婆豆腐を取り扱っている店舗が検索結果に並び、麻婆豆腐の画像が表示されます。
つまり、メニューや検索ワードに該当する写真がないと、この部分に表示する写真が存在しないため、別に写真が表示されることになります。
また、ユーザーもクチコミとセットで写真を投稿することができます。もし、ビジネスオーナー側がプロカメラマンに撮影してもらった写真が投稿されていなければ、ユーザーが投稿した適当な写真が表示されやすくなります。
サイテーションを増やす
サイテーションとは、リンクがなくても特定性のある情報のことです。例えば、企業名、屋号、住所、電話番号、URLなどが該当します。サイテーションが多いほど知名度が高く、専門的で人気のあるメディアにあれば権威性もあると判定することができます。
サイテーションを増やすためには、積極的なマーケティングが重要です。例えば、SNSを活用したキャンペーンの実施や評判になるような催事への参加があります。
SEOは積極的に実施する
Googleの検索結果もローカル検索の検索結果に影響しているとされています。そのため、MEO対策にはSEO対策もある程度の効果を見込むことができます。
SEO対策は、ウェブサイトやオウンドメディアを最適化することで、Google検索での自然流入を増やし、適切な訪問者を呼び込むための対策です。MEOでも狙っているキーワードでGoogle検索に上位表示されているページの中に、サイテーションが含まれているとローカル検索の方にも反映される可能性はあります。
MEOの効果はどのように計測するのか？
MEO対策の効果を調べるには、パフォーマンスの確認、検索順位の調査があります。
MEOを行う目的は、特定のキーワードでの上位表示とされがちですが、そのキーワード以外にも関連するキーワードで検索されていたりしているわけで、総合的な視認性が高まることが重要です。そのため、ビジネスプロフィール内で確認がとれるパフォーマンスが向上していることが重要です。
また、特定キーワードの検索順位を確認する方法では、順位計測ツールを使って調査します。
パフォーマンス
Googleビジネスプロフィール内で確認することができます。地図上の閲覧数、検索数を客観的に見ることができます。ローカル検索は、検索している地点で順位が異なります。つまり、自店舗で検索して順位を確認しようとしても、当然実際の検索よりも常に上位に表示されています。
そのため、MEOツールを導入していない店舗では、どの程度露出度を高めたのかを調べるためには、このパフォーマンスの指標を閲覧するのが、最も一般的です。
順位の計測
次に特定の地名からキーワードで検索した時の順位を計測する方法に、MEOツールを使う方法があります。
検索地点を設定した順位の調査は、基本的に有料ツールでしかできません。しかし、おおよその地点からの検索は、GoogleマップMEO検索順位チェッカーなどの無料のサービスでも計測することは可能です。
MEO対策の成功事例
レストランの地図上の露出度の向上
某所のレストランの28日間のビジネスプロフィールのパフォーマンスで見てみましょう。食べログなどのグルメサイトでは、有料プランでは2万PV程度のエリアでは、閲覧数が、22.4万回、検索数が、7.37万回あります。つまり、露出効果だけで比較すれば、MEOに圧倒的に優れていることを意味します。
まとめ
MEO対策は、特に店舗の新規顧客の集客に向いた対策といえますが、見せかけの対策は、ステマ告示に抵触し、違法になる可能性があります。
また、性質上、広告のように積極的に集客を図ろうというものではなく、他のマーケティングを行った結果が口コミの形で反映されるものであるため、ある意味、成績表のような性質を持っています。
MEO対策では特別な対策を重視するよりも、実際に利用してもらった顧客にサンクスメッセージを送り、レビューをGoogleに書き込んでもらえるような仕組みにして、自然と口コミが集まるようなシステムを構築することが重要です。
最終更新日 ： 2024年7月23日
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