飲食店が集客できない3つの明白な理由とその対処方法
至るところで読みと外れた結果になって、苦労をしている飲食店の人々の声を聞くようになりました。
思えば、これは、今に始まったことではなく、社会人になってからマーケティング業界にいるため、7〜8年ずっと耳にしていることになります。
実は、飲食店の場合、集客に失敗してしまう理由は明白です。
1.飲食店が集客できない3つの明白な理由
集客に苦しんでいる飲食店は、次のどれかで失敗してしまっていることが多いです。
1-1.立地が悪い。
最もベタな理由で申し訳ないのですが、やはりこの部分が非常に大きいです。高いテナント料を避けるため、繁華街からちょっと離れたところに出店したり、雑居ビルの2階以上に出店(空中店舗)したりと。
これをやるのであれば、事前にシミュレーションを行うべきでした。
出店コンサルティング会社が提供しているソフトウェアも販売されており、それを利用しなくても、無料専門家派遣で事前に出店候補地の交通量による売上の予測はできます。また、車が必須の地域は、駐車場および入庫出庫のしやすさを込みで考えなければなりません。
1-2.コンセプトがない。もしくは弱すぎる。
[st-kaiwa3]コンセプトって、キャッチコピーやろ?[/st-kaiwa3]
と、宙に浮いた単なる言葉のように思ってませんか?
よく考えてみてくださいね。コンセプトというのは、経営方針の軸であり、方向性を明確に決めるものです。いわゆる差別化もコンセプトを軸にして決めます。小手先のサービスをはじめても、割と話題になればすぐに真似されますので、結局は差別化につながりません。
特に、インターネット広告では、広告を出稿すること自体が飲食店にとってのおまじない化しているため、問答無用に比較検討されます。コンセプトがない飲食店は、比較されない、、、正確には比較できないため、料金で判断される場合が多いのです。
コンセプトがあっても、支持、共感もしくは注目されなければ意味がないわけであって、この辺は、商圏内の人々のニーズとウォンツをしっかり事前に調査するべきです。
1-3.認知度不足
飲食店に限らず、知らない店舗にはいけません。
隠れた名店がいいのは、すでに固定客を多数獲得しており、口コミも存在しているからであり、販促費をケチっているからではありません。
集客を全く行わなかった結果、誰にも知られず、金土まで閑散としてしまっている状態になっていませんか?
また、立地がある程度良いと、金土は繁盛するのですが、それ以外の曜日が閑散としてしまいます。この場合も、同様に認知度不足の状態だと言っていいと思います。
2.飲食店の集客の対策方法
一概には言えないのですが、ステージによって分類することができます。
認知度の考え方には、開業年数で考えます。開業したてで認知度が低いのと、開業年数が長いのに認知度が低いのとでは、状況が全く異なるからです。人によって考え方がさまざまですが、飲食店の場合は、1年せずに廃業する割合が高いため、ここでは1年で考えます。
コンセプトに関しては、一般大衆食堂程度の料金帯ならばそれほど重要ではありませんので、立地の良し悪し、開業して長いか短いかで考えてもいいかと思います。
ある程度顧客が入った結果、あまり芳しくない状態になっているということは、集客以外の部分に問題を抱えていることもあります。ただこれを言い出したらキリがないだけで、愚痴を言って何もやらなくなった時点で、もうだめです。
どれにせよ、認知度不足、入店しづらい、集客した後の固定客化対策ができていないことが原因である場合がほとんどです。
2-1.立地が悪くて、コンセプトもない。開業したて
この状態は、固定客が存在しない状態ですので、集客には、急を要します。
コンセプトの立案→認知活動を行います。対象顧客および周辺の競合を調査し、どの競合とも被らないコンセプトを立案し、行うサービスや訴求点を具体化します。
また、認知活動には、即効性のあるものを採用します。紙の媒体を使うのであれば、印刷して即配布が可能なポスティング広告、インターネットであれば、激戦区はポータルサイトを利用し、それ以外の地域は、WordPressによるホームページを作成し、SNS広告を活用します。
ここでは、注意が必要です。無料集客ツールには、速攻性がありません。コンサルタントも無料集客手法の教材を有料広告を使って販売しています。集客に急を要するこの段階では、広告費を多めにかけて、費用対効果を見つつ最適化することが優先される事項です。
立地の悪さは嘆いていても仕方ありません。立地の良い店舗よりも強力な選択の理由を用意する必要があります。印象の強いサービスを行い、口コミ量を増やすことが必須になります。
2-2.立地がよくて、コンセプトがない。開業したて
当然ですが、立地が悪い店舗よりは集客がしやすいです。
この場合、気がつきづらい、入店しづらいが集客ができない理由に挙げられ、玄関周辺の情報を整理するだけで集客数がぐっと伸びることがあります。
また、アパレル店舗と違って、行ったことのない店舗になんの情報もなしに足を踏み入れること自体がだんだんなくなっている傾向にあります。WordPressを使って、自前のウェブサイトを構築するだけで集客が望めます。
2-3.立地が悪くて、コンセプトがある。開業したて
差別化はできているけれど、情報がない状態です。もしくは、コンセプトが弱く選ばれるに値しない状態になっていることが想定されます。
この場合、コンセプトを再度見直し、広告による即効性のある情報発信で集客を行います。また、対象顧客に届かない広告を採用している可能性もあります。この場合は、その広告を抑えて、新しい広告の導入を行います。
2-4.立地がよくて、コンセプトがある。開業したて
ただ単に情報発信が足りていない状態です。もしくは、奇抜すぎてその地域に受け入れられない何かがあるのか、、よくある話に、東京の一流レストランで働いていたシェフが故郷でお店を作ったけれど、その地の人々に味が受け入れられず、結局東京に戻ることがあります。地域性を完全に無視した出店もある種のギャンブルで運次第になります。
インターネットでの情報発信強化および看板を含む玄関周辺の情報を整理しましょう。
2-5.立地が悪くて、コンセプトがない。開業してから長い。
地方の飲食店に最も多いパターンで、集客ができていない原因をしっかり探さなければならない状態です。立地が不利で、開業してから長く、集客ができていないのは、1)新規顧客の集客数が足りず、固定客が多い状態と2)新規顧客の集客数が足りず、固定客が少ない状態とでは差があります。前者はサービスが支持されており、後者はサービスに問題がある状態だからです。
1)の場合は、コンセプトの立案およびメニューの見直しを行ってから、固定客が新しい人を連れてきやすい、もしくは紹介しやすくするマーケティングを行います。
2) の場合は、致命的な問題を抱えている状態です。お尻に火がついている状態ならば、戦略的撤退を考えた方がいいかもしれません。
2-6.立地がよくて、コンセプトがない。開業してから長い。
この状態の飲食店で最も多いのは、休日は満員になるけれど、平日が閑散としている状態だと思います。
この場合は、固定客向けの集客施策の強化を行います。具体的には、POSレジの導入を行った客層分析によるマーケティングの強化とメルマガやLINE@といったコミュニケーションを迅速化する媒体の活用です。ここでは、獲得リスト数が最も重要な指標になります。
それから、平日限定のメニューを週単位もしくは月単位で企画し、集客数を獲得するということになります。
2-7.立地が悪くて、コンセプトがある。開業してから長い。
これも認知度不足が原因で、集客面でのテコ入れを行う必要性を感じます。コンセプトがその地域性とマッチングしているのかも疑われます。集客をしっかり行っていた場合、広告方法に問題があるため、集客コンサルに相談するべきでしょう。また、逆に集客をしっかり行っていなかった人は、集客にコストをかけるべきです。
わりとこだわりの強い経営スタイルを行っている飲食店は、周囲をチェックせずに開業し、広告をぶん投げる形で外注している傾向が強いです。無難な広告にしかならず、反響がとれなかったという話はよく耳にします。
2-8.立地がよくて、コンセプトがある。開業してから長い。
この状態で集客が満足にできていないのは、コンセプトに問題があるか、激戦区なのに固定客化対策を行っていないか、もしくはサービス自体に大きな問題があるのかもしれません。
当然最も集客ができていなければおかしい状態であるため、原因分析は慎重に行わなければなりません。
まとめ
この記事を書いている時に、ものすごく喉の痛みを伴う風邪をひきました。完全にノックダウンしながら書いていますので、後から細部の修正を行うかもしれません。
なんであれ、重要なことはこれからのことです。立地が悪いからお手上げと思った時点で、店は閉店した方がいいでしょうし、やれることを何にもやらずに結論だけ作るのは誰にでもできる簡単なことですからね。
飲食店の集客は、少なくとも士業やコンサルタントに比べると簡単です。わからなければ、相談してください。
最終更新日 : 2020年9月24日