顧客単価を向上させるヒント「フレーミング効果」とは?
よく、本当に売りたい商品があった場合、その商品の一つ下のランクと一つ上のランクのものを用意すれば良いと聞いたことがあるかと思います。いわゆる商品の松竹梅を準備してみると、本当に売りたい商品である竹のプランがよく売れるようになります。
これは、フレーミング効果と呼ばれる心理効果の一つです。また、このことに関して言うと極端の回避性を利用したものです。
フレーミング効果とは?
フレーミング効果とは、ある選択肢の判断を人が行う場合、その絶対的評価ではなく、自己の参照点(基準点)との対比において比較されるため、絶対評価とは異なる判断を導く可能性があるという効果のこと。
辞書的解説では非常に難しいので、分かりやすい例を取り上げます。
第1問:次のうち、どちらを選択しますか?
A)1000人のうち、300人を助けることができる方法
B)1000人のうち、70%は助からない方法
第2問:次のうち、どちらを選択しますか?
A)1000人のうち、700人は死亡する方法
B)1000人のうち、30%は助かる方法
勘が良い人は気がついていると思いますが、どの選択肢も同じものです。ですが、第1問では選択肢Aを選び、第2問では選択肢Bを選ぶはずです。つまり、主観でどちらも一緒といった絶対的評価で答えるのではなく、ポジティブな選択肢を選んでいることになります。
ビジネスには馴染みが深いフレミング効果の例
実際に馴染みの深いフレミング効果の例を紹介します。
通常の30倍の含有量を謳う健康食品
通常のサプリメントにはほとんど含まれていない希少成分が約1mg含まれている。
通常のサプリメントにはほとんど含まれていない希少成分が20倍含まれている。
含有量がほとんどない希少成分を売りにしているサプリメントの場合、含有量を謳ってもピンと来ません。ちなみに、正確には、含有量にはばらつきがあるため謳うことができません。
それよりも20倍程度含まれているといった方が、たくさん希少成分が入っていて、体に良い印象があります。
おにぎり100円均一セール
おにぎり100円均一セールも実は、フレミング効果による集客数増加を狙ったものです。実際にこの期間中はおにぎりが1.5倍になるそうです。
おにぎり20%割引セール
おにぎり100円均一セール
購買意欲が高まるのは、明らかに後者であり、その結果ほとんどのコンビニは定期的におにぎり100円均一セールを行うようになりました。
段階価格を用意する。(松竹梅特上)
500円と700円の弁当しかない場合は、500円の方が売れるでしょう。これは、金額的に見て、昼食にかける金額は安い方が良く、妥当と考える人が多いからだと思われます。
そこに900円の弁当を追加した場合、700円の弁当が売れ始めます。これは俗に言われる松竹梅の法則で寿司屋やトンカツ屋では馴染みの深い価格決定方法です。もっとも販売したい商品を中心に、下のランクのものと上のランクのものを用意すると売りたいものが売れます。実験結果で、3:5:2の割合で売れるというものがあるそうです。これは極端の回避性と呼ばれる中間のグレードを好む心理法則によるものです。
オリジン弁当の場合、一種類の幕内弁当を450円、490円、690円の三種類に増やした結果、490円の上幕内弁当がもっとも売れるようになったそうです。枠組みがなかったところに一定の枠組みを作ることで、顧客単価を上げることに成功したことになります。
文言を変えたり、枠組みを変えることで売上を上げる。
反響率が悪いチラシやホームページは文言を見直すだけで反響率を向上させることができますし、枠組みを変えるだけで顧客単価も向上させることができます。
最終更新日 : 2024年4月20日