みなさんは、マーケティングミックスという言葉をご存知でしょうか?
マーケティングの授業などでは必ずと言ってもいいほど出てくる用語ではあるのですが、用語を覚える必要性はありません。
必要なのは、中身を理解することです。
マーケティングミックスで考えることは、自社の経営戦略を考えること、そして、他社の強みを定義して、自社のものと比較し、差別化を図ることにあります。
マーケティングミックスとは?
そもそも、マーケティングミックスとは、なんでしょうか?
マーケティングミックスは、マーケティング戦略において、望ましい反応を市場から引き出すために、マーケティング・ツールを組み合わせることである。(Wikipedia)
説明がちょっと違う気がします。「マーケティング・ツールを組み合わせること」は、Webマーケッターよりの説明な気がしますし、マーケティングミックスを考える上では、フレームワークで考えることが一般的です。「フレームワークを用いて適切なマーケティング戦略を構築すること」の方が適切なような気もしますが、この辺りのお話は良いでしょう。
マーケティングミックスを語る上では、様々なフレームワークが存在します。登場するのは、4P、4C、共生の4Cです。
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4Pとは?
マーケティングミックスの中では、最も有名なフレームワークです。3つのフレームワークの中では、売り手の目線のものとされていますが、これは、フレームワークが更新されたからであり、新しいものと比較すると売り手側というだけです。4P自体が、売り手の目線でもあり、顧客志向であるマーケティングミックスを導き出すフレームワークといっても良いものです。
マーケティングの父、フィリップ・コトラーのの理論では、マーケティング1.0に対応したフレームワークになります。マーケティング1.0はいかに製品を販売促進するのかが着眼点になっています。
ちなみに、今現在のマーケティングのバージョンは、マーケティング4.0であり、顧客の自己実現を支える商品やサービスを提供する概念になっています。オンラインサロンがまさしくマーケティング4.0に対応したサービスに該当します。
プロダクト(製品)、プライス(価格)、プレイス(流通)、プロモーション(広告)の4つの組み合わせでマーケティング戦略を考えていきます。
ちなみに、中小企業でも使えるマーケティングのテクニックは、「マーケティングの基本とは?小規模事業主でも実践できるマーケティング戦略」でも紹介しています。
プロダクト | プライス | プレイス | プロモーション | |
都市部のラーメン屋 | こだわりのチャーシューとスープなど原価をかけたラーメンで勝負 | ランチとしては、高めの価格設定 | 最も交通量の多い駅前 | 派手な看板・名物社長のテレビ出演 |
住宅地のラーメン屋 | 通勤帰りに毎日食べれるあっさりとした味のラーメンで勝負 | 毎日食べれるような手軽な価格。 | 駅前から離れた場所・ 配送も完備(家族需要にも対応) | 口コミ・SNS |
例えば、同じラーメン屋でもマーケティングミックスのモデルはこれだけ異なります。
都市部のラーメン屋は、非現実を求められる傾向があり、ご馳走系の飲食店が優位に立ちます。
(ただし、有楽町や新橋といったサラリーマンの歓楽街的な要素があるところは、現実的である飲食店が好まれます。)
逆に、住宅地であれば、現実的であることが求められる傾向にあり、毎日でも食べることができる前提の勝負をかけることが求められます。
これらの市場のニーズを前提にすると、上記のような4つの視点のそれぞれの戦略が成立します。
4Pを使うと、実は、他社と自社の比較をした経営戦略の構築を行うことができます。マーケティングとは、他社よりも有利に立ち回る技術であると私は言っていますが、まずは敵を知り、有利に立ち回るための戦略図がなければ、マーケティング自体が成立しないとことになります。
プロダクト | プライス | プレイス | プロモーション | |
自社 | 駅から徒歩10分。路地裏にある。 | |||
他社 | こってりした豚骨系のラーメンが主力商品 | 比較的高い。 | 駅から徒歩5分。路面に面している。 | 口コミ・看板 |
例えば、他店が先に出店しており、自店舗が後から出店する時に、入店できるテナントによって、プレイス以外の3つの要素を見直さなければならないことがあります。
当たり前ですが、同じこってり系豚骨ラーメンを主力にしたら、顧客の共食いが始まり、お互い足を引っ張り合うだけで良い結果にはなりません。出店できるテナントの条件がよければ、それで真っ向勝負をかけて、シェアを奪う方法もありますが、上記のような条件であった場合は、負けるのは立地が悪い自社の方です。プロモーションの面でも、路面と路地裏では取れる施策が異なってくるので、マーケティングミックスで戦略を考え直さなければなりません。
この場合、他店のマーケティングミックスからポジショニング、ターゲティングまで巻き戻して、自社のマーケティング戦略の構築を実施します。
顧客の共食いが起こらないようにターゲットを設定するか、あえて同じターゲティングを行って勝算があるのかはその段階で考えます。
プロダクト | プライス | プレイス | プロモーション | |
自社 | あっさりした醤油系のラーメンに人気の定食メニューをつける。 | 普通 | 駅から徒歩10分。路地裏にある。 | 口コミ・ブログなど |
他社 | こってりした豚骨系のラーメンが主力商品 | 比較的高い。 | 駅から徒歩5分。路面に面している。 | 口コミ・看板 |
単純に考えると、上記のように分けることができれば、顧客の共食いは起こらないと考えられます。営業時間を遅めにして、帰宅客の夕飯需要や二軒目需要に対応したり、他店の主力メニューと同じ料金でデカ盛りにして口コミを作るなど方法は様々あります。
4Cとは?
4Pに比べて、顧客的視点を強めたのが、4C理論になります。
コトラーの理論では、マーケティング2.0に該当し、消費者志向のマーケティングミックスのフレームワークに該当します。
4Cは以下のように変換が行われています。
プロダクト→Consumer(消費者のニーズやウォンツが商品)
プライス→Customer cost(顧客コスト)
プレイス→Convenience(流通は利便性)
プロモーション→Communication(コミュニケーション)
例えば、消費者のニーズに基づいた商品開発を実施する場合は、この4Cのフレームワークを活用します。例えば、買い物弱者が増加している住宅地では、スーパーなどの店舗に出向くこと自体が一苦労です。そのため、ネットスーパーのような配送サービスが成立します。また、そのサービスが単純に人件費と配送費が加算されているものであれば、高くて利用できません。適正価格でサービスを提供し、会員制サイトやメールマガジンなどで品揃えやセールなどの情報を発信します。
マーケティング1.0はリアルマーケティングのみの視点が強かったですが、マーケティング2.0からは、インターネットの積極的な活用が含まれています。
共生の4Cとは?
環境問題が深刻化し、経営戦略に環境への考慮が必要とされる時代が到来しました。環境への配慮がなければ、支持されるブランドにはならないということで、経営資源に環境が含まれて、6資源(人材、お金、資産、時間、情報)で考える必要性が謳われています。
マーケティング3.0に対応したマーケティングミックスのフレームワークになります。
正直、ここまでくるとちんぷんかんぷんで、ほとんどのマーケティング系オウンドメディアは、共生の4Cはなかったことにしています。
commodity(商品)-ユーザーと共に開発する
cost(コスト)-単純な価格だけではなく、環境やあらゆる問題への配慮も含まれる。
channel(流通)-物の流れ
communication-商品のセールスだけではなく、元気を与えたり、希望を分かち合うようなメッセージのやりとりも含まれる。
クラウドファウンディングの仕組みが、マーケティング3.0の仕組みにちょうど該当します。
まとめ
マーケティングミックスは、他社の戦略をわかりやすく説明したり、自社との違いを説明する際によく使うフレームワークでもあります。
なんどもいうように、用語自体にはなんの意味もありません。重要なのは、購入というものが商圏内で起こる相対評価の結果であることを理解し、ライバルを知り、評価される明らかなマーケティング上の強みを構築することです。
マーケティングの独学方法を紹介しています。ちょっと破天荒な発想ではありますが、実践をやりつつ学ぶのが一番知識として入ってくるやり方です。