問い合わせフォーム営業とは?注意しておくべき4つの要点とは?
お問い合わせフォームから様々な営業メールが届きます。これをフォーム営業と呼ぶわけですが、窓口のない企業に対して、情報を提供する手段としてはフォーム営業はある程度有効です。
しかしながら、そもそもお問い合わせフォームは顧客対応用のものであることが多く、顧客獲得のために存在します。そこに対して、製品・サービスを逆に売り込むわけですから、注意をしないと良い印象を受けることがありません。
そして、送信されてくる営業メールの文面を読んでいても、自社の紹介および自社の都合を受信側に押し付ける文面が非常に多いため、残念ながら相手にする気持ちになりません。もし、フォーム営業である成果を上げたいと思っているのであれば、以下のことに気を付けるようにした方が良いでしょう。
問い合わせフォーム営業には、法律の規制がないのか?
メールマガジンには、特定電子メール法と呼ばれる行政法があります。簡単に言うと、メールを受け取る側の同意を得るオプトイン方式を採用しており、送信者を署名などで明示しないと、売り込みを目的にしたメールを送信できない法律です。
もし、注意を受けた後に、再度改善命令に従わないと、1年以下の懲役または100万円以下の罰金(法人の場合は、行為者を罰するほか、法人に対して3000万円以下の罰金)が課せられます。
ただし、オプトインには例外があります。メールアドレスがインターネット上で公開されているものに対しては、同意を得ずに営業メールを送信することができます。つまり、問い合わせフォーム営業に関しては、特定電子メール法の規制対象外となります。
問い合わせフォーム営業のメリットとデメリット
お問い合わせフォーム営業を実施するメリットとデメリットを最初に整理しましょう。
費用をほとんどかけずに、商談の機会を作れる。
技術はいらない。狙っている業界にメールを送信するだけである。
対応を間違えると印象が悪くなり、SNSなどでシェアされる可能性がある。
相手側のマーケティングの邪魔になる。つまり、マーケティングを積極的に実施している事業者からは、迷惑企業のレッテルが貼られる。
問い合わせフォーム営業のメリット
営業メールをやるメリットの一つは、全く自分のことを認知していない人に興味を持ってもらうきっかけ作りになることです。特定の業界や問題を抱えている可能性のある企業に直接提案することで、費用をかけずに商談を作ることができます。
問い合わせフォーム営業のデメリット
そもそもお問い合わせフォームは、営業の窓口ではありません。販売を目的に設置している場合がほとんどであり、その逆である売り込みは業務の中に組み込まれているわけではないので、迷惑に感じる人が非常に多くなります。
また、MAツールを導入していると、営業メールを問い合わせフォーム経由で送信することで、CVとしてカウントしてしまいます。MAツールでは、該当の登録を削除すれば良いですが、紐づけられているアクセス解析などのツールでは売り込みを削除することができないため、正しいデータの計測を阻害することになっています。
これらの背景を考えると、問い合わせフォーム営業を肯定的な目で見る受け手側はほとんど存在しません。仮に、その内容について興味を持ったとしても、対応が遅かったり、乱雑であると、「自分からメールしてきたのに、なんでこのような対応をするのだろう。きっと、商品・サービスも同じくらい適当なものだろう」と相手にレッテルを貼られてしまいやすいです。
今の時代は、インターネットで企業名を検索することもできますし、SNS採用の一環で社員がTwitterをやっているケースもあります。対応を間違えれば、SNSで公然とクレームを言われるリスクもあり、取り扱いには十分気を付ける必要性があります。
問い合わせフォーム営業で押さえるべきポイントとは?
営業メールは、相手に興味を持ってもらうきっかけ作りのためのものです。当然、頼んでもない相手に送りつけられるわけですから、ほとんどの人からすれば、迷惑な行為ですので、冷ややかな対応も取られるでしょう。どうすれば相手の目にとまり、返信したくなるかを考えるべきです。
定型文は自社の紹介ではなく、提案をしたい旨を書く。
基本的にフォームから送信される営業メールは提携文です。最近は、Saasを使って一括でお問い合わせフォームにフォーム営業をかけることができます。営業メールは読まれないことも多いことから、送信件数を重視しており、その中で、1件でもヒットすれば採算が取れるという計算で、営業をしています。
これらの営業メールの特徴は、自社の特徴や実績を紹介、そして面会日の候補日が記載されています。これらのメールは、「忙しい中時間をあけますので、そちらも時間をあけてください。」という傲慢な印象しかなく、相手にする気になれません。
忘れてはいけないのは、営業メールを送信しているのは、営業側だということです。つまり、送信したメールをチェックするのも、お願いする立場であり、強いメリットを感じなければ、取り合う気持ちにはなれません。
自社製品や実績を紹介することは、下請けを行いたいのであれば有効ですが、それ以外の場合は、長くなれば長くなるだけ意図が伝わりづらくなります。提案したい旨が伝わる文章で構成することが重要です。
送信先についてある程度調べて、メールにその旨も書く。
自社の紹介ばかり記されているメールでは、機械的にメールを送信していることが相手に伝わってしまいます。また、前述の提案したい旨を示すことを自社の紹介ばかりのメールの文面で送信してくるのは明らかに不自然です。
やはり、Webサイトの中身をチェックした上で、メールを送信している事実が確認できる営業メールの方が圧倒的に印象も良いわけで、「しっかり内容も見ている、だから提案をしたい」と結びつけることができれば、内容に興味を持つようになります。
できることよりも効果を中心にして書く。
ホームページ屋がホームページを作る。リスティング屋がリスティング広告を出す。
こんなことは当たり前です。しかし、この内容程度の営業メールが多く、相手に自分たちの価値を売り込んでいることになりません。
営業メールを送る前に、自社事例を一度まとめます。そして、相手が興味を持つであろう内容を付け加えると良いでしょう。オウンドメディアをやっているのであれば、自社事例をまとめておき、そのURLを相手に送るのも手です。
前置きで、「お忙しい中失礼します。」と付いているものがほとんどです。
「取るに足らないお話をさせていただきます。」と同じ意味合いになります。それだけで、内容がくだらないことを自己申告していることになります。
「役立つ情報を持ってきました。」や「〇〇さんにとって良い話であればと思い、ご連絡いたしました。」など工夫は無数にできます。
返信には、できる限りすぐに返信するべき。
基本的に、営業メールの送信は、相手がお願いして配信してもらっているわけではありません。全て、営業側の都合です。なんらかのレスポンスがあった時点で、営業は対応するのが道理です。
批判されるような内容であったとしても返信がなければ、受信者はその営業のせいで、その企業に悪い印象を抱くことになります。
実際、ツールの性能や実績を聞く内容のメールを返信した際に、返信に3営業日以上かかった企業があります。それについてメールを再び送信した際に、お詫びメールの定型文が返信されてきました。このレベルの場合、コミュニケーション能力も疑われます。
新人の営業なんだろうと思いつつ、Twitterで検索するとその企業の営業部長でヒットすることもあり、その企業の教育レベルが疑われます。
まとめ
問い合わせフォーム営業は成約率の低いアウトバウンドの営業方法です。そのため、レスポンスが少なくとも当然なので、数を追ってしまいがちになります。例えば、0.1%の反応率であれば、1,000件配信すれば1件のアポが取れます。
FAXDMと違ってメーラーにメールが残りますので、相手に失礼にならないことを意識した方が良いとは思います。そのため、一斉配信は、企業の逆ブランディングになる可能性も高くあまりおすすめはしません。問い合わせフォーム営業に関しては、一社ずつ調査を行い、適切な文面で送信するのが良いです。
最終更新日 : 2022年3月12日