格安ランチを飲食店が行うメリットとデメリット

実質賃金が上がらないと、ランチタイムの集客は価格に強く影響されることが多いです。

そのため、ワンコインもしくはそれに付随する価格の格安ランチを提供することで、客数を重視する飲食店もありますが、これには大きなデメリットもあります。具体的には、ランチの顧客が通常価格では再来店しないことやGoogleの口コミが格安ランチが基準になります。そのため、ディナーの営業が通常価格ではできづらくなり、価格を上げづらい飲食店になります。

目次

格安ランチを提供するメリット

格安ランチは、新しいお客様を引き付ける強力な武器になります。ランチはディナーと比べると利用頻度が高く、その分節約思考が働くからです。ワンコインで食べれるようなランチで節約をしようとする顧客を集めることができます。安さのイメージが定着すると、ランチの顧客として定着し、ランチタイムの売上が次第に上がることは期待できます。

格安ランチを提供するデメリット

格安ランチは、デメリットを多く抱えています。例えば、格安ランチを意識して提供しているわけではない、元々がリーズナブルな飲食店として売り出しているのであれば、通常価格とも差がありませんので、悪影響はそこまでありません。しかし、意識的に格安ランチをしていて、通常価格と差がある場合は、通常の客層と違う客層を格安ランチが集めています。そのため、通常営業になじまず、ランチしか集客ができない状況にもなりかねません

格安ランチによる利益率の低下リスク

価格設定は、利益率が極めて低くなるリスクがあります。原価や人件費を考えると、赤字になる可能性すらあります。円安が今後も続けば、物価高は続きます。慎重な計算と工夫が必要不可欠です。利益率が低いと使えない食材も増えてきます。食材を変更することで「味が落ちた」などのネガティブな口コミもつく可能性があります。

口コミが格安ランチの水準に塗り替えられるリスク

特に注意すべき点として、口コミが格安ランチの水準に塗り替えられるリスクです。格安ランチを提供すると、多くの口コミや評価が価格を基準にした品質で書かれるようになります。これにより、通常メニューや夜の営業の評価が薄れ、「安いランチの店」というイメージが定着してしまう可能性があります。結果として、本来の店舗の魅力や特徴が伝わりにくくなる恐れがあります。

格安ランチを提供する基準とは?

格安ランチは、見かけ上の客数を増やすことができ、非常に忙しくなります。しかし、利益が出ない上に、通常の価格帯と差があると、通常の料金では、その客層は利用しないため、目標売上を達成するための労力が、高価格帯の時に比べて負荷が大きいことに気づきます。

もし、格安ランチを行うのであれば基準を設けましょう。

従来の客層と格安ランチを求める客層が一致している

格安ランチを提供する場合は、本来の客層を意識してその差が小さければ良いでしょう。この差が大きいと、格安ランチでしか集客ができないので、本来の集客に悪い影響を与えてしまうかもしれません。また、顧客単価を上げることができないと、目標売上を達成する手段が、集客しかなくなります。高価格帯の方が客数は少なくて済むため、集客が楽だと言わざる得ないでしょう。

家賃や修繕費などがかからない

格安で勝負ができる飲食店は、原価を含めて、費用を安く抑えることができている店舗です。激安の飲食店は、内装がボロボロになっていることも多いですが、こうすることで、真新しい飲食店と比べて健全性の高い経営をすることができます。そのため、競合と比べて価格でも勝負ができるということです。

立地が良い

格安にすることで十分な集客ができなければ意味がありません。立地が悪いと、さらに集客にコストをかける必要がある場合は、もう利益は出ません。

人気店のブランドを取りに行きたい

ランチの営業で利益を出すことは諦め、兎に角客数を稼ぐことで、口コミを集め、人気店のポジションを獲得したい意思の方が強い場合は、リーズナブルな価格帯のランチ営業は有効な手段です。しかし、品質を極端に下げた格安ランチで提供すると、事前の期待値が大きい人まで集客してしまうため、口コミが悪化してしまう可能性もあります。この場合は、価格帯はあくまでお手頃な価格の設定にするのが良いでしょう。

最終更新日 : 2024年7月8日

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