ノーショー(無断キャンセル)とは?具体的な対策方法とは?

ノーショー(No Show)とは、特定の日時に予約をしているにも関わらず、無断キャンセルされてしまったことです。ノーショーは、飲食店、宿泊施設、美容サロンなどで起こり、料金の支払いを受けることが出来ません。また、その時間のスタッフや施設が稼働しなかったこと、飲食店でいえば特別な仕入れが発生したことで、サービス提供側が損害を受ける点で、悪質性があります。

目次

ノーショー対策をする必要性とは?

ノーショーによる損害は年間約2,000億円と推計され、通常の予約のうち直前に生じるキャンセルも含めると、被害額は約1.6兆円にも及びます。この損害額は、飲食業従事者全体の賃金の約2%以上に該当します。飲食店では、損害は予約の総額の約1%に該当します。

ノーショーとドタキャンの違いとは?

ノーショーは、無断キャンセルのことを指しますが、ドタキャンは、直前キャンセルを指します。

直前キャンセルは、キャンセルをする意思表示をしており、キャンセルポリシーに同意する意思がありますが、無断キャンセルは、キャンセルの意思表示をしていません。つまり、キャンセル料を支払う意思がないだけ、ノーショーはドタキャンよりも悪質性が高いと言えます。

そのため、キャンセルの意思の有無を事前に確認することで、予約を確定させることを直前に行うことも重要だと言えます。

ノーショーが発生する原因

ノーショーは、必ずしも悪意で行われるものと限りません。ノーショーが発生する原因を知り、対策をすることが重要です。

予約したことを忘れたから。

最も多いと考えられるのは、予約したことそのものを忘れてしまい、来店に至らなかったケースです。予約を申し込んだ日が、予約日から期間が長いと起こり得ます。

予約当日に緊急事態が発生したから。

予約したことは忘れていなかったけれども、緊急事態が発生し、予約をキャンセルする時間がなかったことも考えられるケースです。例えば、事故にあったり、家族が感染症を患い、付き添いで連絡する時間がなかったなどが該当します。

予約キャンセルをするのを忘れたから。

例えば、居酒屋A店の予約を行い、何らかの理由で居酒屋B店に予約をし直したとします。この時に、わずかですが、同じグルメサイトで予約をした場合、居酒屋A店は予約を自動で解除されると思っている幹事が存在します。これにより、ダブルブッキングが発生し、居酒屋A店には、ノーショーの状態になります。

悪意のノーショー

店舗の営業妨害を目的にしたノーショーは、偽計業務妨害罪に問われる可能性があります。刑罰は、3年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。過去には、59歳の男性が、17人分、合計22万1000円分を虚偽に居酒屋に予約し、営業を妨害した疑いで逮捕されています。

ノーショーの具体的な対策にはどのようなものがあるのか?

具体的にノーショーを減らすための対策を解説します。基本的には、予約をした人が忘れないようにすることや、予約キャンセルを事前に忘れないように確認することが基本です。悪意のあるノーショーの対策には、キャンセルポリシーを設定した上での事前決済を導入することなどが該当します。

事前決済の導入

事前決済システムは、予約時に料金を先に支払わせることで無断キャンセルを防ぐ効果があります。予約者が実際に支払いを済ませているため、無断でキャンセルするハードルが高まります。しかし、事前決済はキャンセルしやすい顧客だけでなく、支払い方法をクレジットカード払いに制限することでもあります。現金支払いなどの優良な顧客を逃すデメリットはあります。

リマインダー(通知・確認)を行う

リマインダー(予約の確認や思い出させるための通知)は、予約者に予約したことを定期的に思い出させることで、ノーショーを防ぐ効果があります。リマインダーは一般的には、必ず相手側にメッセージが届くものを選択します。なぜなら、メッセージが届かなければ、通知が無効になるからです。そのため、SMSやLINEでメッセージを送ることが一般的です。

また、電話で確認を行います。予約人数の変更がある場合などの確認も含めての対応です。

ノーショーを行った経験のある予約者からの予約を断る。

過去に無断キャンセルをしたことのあるアカウントは、予約サイト側で記録され、予約された店舗側の管理画面でわかるようになっているものもあります。ノーショーが多いアカウントは、サービスを利用できなくなるなどの対応をしている場合もありますが、すでにわかっている時点で、予約をお断りする選択をするのが賢明でしょう。

キャンセルポリシーを設定する。

キャンセルポリシーは、予約キャンセル時の条件と費用を定めた規則です。明確なルールで、キャンセルの際の責任と費用負担を説明します。

なお、キャンセルポリシーには以下のような項目が必要です。

項目説明
キャンセル料金キャンセル時にかかる費用とその計算方法
キャンセル期限キャンセル料が発生する期限や日数
返金条件返金可能な条件やその方法
特別な事情天候不良や緊急事態に対する特別な取り扱い
連絡方法キャンセルの通知方法と連絡先
適用範囲キャンセルポリシーが適用されるサービス範囲

まとめ

ノーショー(無断キャンセル)は、本来得られるはずだった売上を事前準備させて取り上げる行為です。近年ノーショーが発生しやすくなったというのは、気軽に予約しやすくなったからだと言われております。万引きと同様の被害を店舗側に与える自覚のない顧客も多いです。

悪質なノーショーに関しては、過去に刑事罰が適用されており、今後の動向が注目されています。また、大手グルメサイトではアカウントごとに過去のノーショーが追跡されているものもありますので、無断キャンセルは決してしないことをおすすめします。

最終更新日 : 2024年4月6日

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