集客とマーケティングの違いとは?集客力の高いビジネスに成長させる方法を解説

ビジネスにおいて、集客やマーケティングは重要な要素となっています。しかし、集客とマーケティングでは、同じような意味であると理解されがちですが、全く別の戦略です。

本記事では、これら2つの違いを理解した上で、集客力の高いビジネスを作り上げる方法を解説します。また、集客とマーケティングの違いや、集客力を上げるための施策についても詳しく解説します。本記事を読めば、ビジネスの成長を目指したい方はもちろん、集客力を知りたい方にもおすすめです。

目次

集客とマーケティングの違いとは?

集客とマーケティング

簡単にいうと、集客はマーケティングの一部の戦略です。マーケティングのフレームワーク(戦略のテンプレート)には、4Pや4Cなどがあり、集客は、販売促進やコミュニケーションの戦略の一部です。広告やメディアを使い、ビジネスの価値の認知度を高めて、興味や関心を惹きつけます。

4P製品(Product)、価格(Price)、販売促進(Promotion)、流通チャネル(Place)
4C顧客価値(Customer value)、コスト(Cost)、コミュニケーション(Communication)、利便性(Convenience)

マーケティングとは?

マーケティングとは、経営学では、財務や運用と並ぶ重要なポジションを占めています。つまり、世界的な認識として、経営を実施するのであれば、マーケティングは必要と言われていることに等しいです。

アメリカのマーケティング協会の最新の定義ではマーケティングは以下に表現されています。

Marketing is the activity, set of institutions, and processes for creating, communicating, delivering, and exchanging offerings that have value for customers, clients, partners, and society at large.

マーケティングとは、顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動であり、一連の制度、そしてプロセスである。(2013年は2007年の定義を引き継いでいる。)引用:AMA[Definition of Marketing]

マーケティングは、商品やサービスの開発、価格設定、流通チャネルの選定、販売、顧客サービスなど、製品やサービスを市場に導入するための全体的な戦略を含みます。マーケティングの目的は、市場が求めている価値を提供することで、自社の社会的な立場の確立や利益を多く獲得することです。

集客とは?

集客は、特定の製品やサービスに対する関心を持っている人々を引き付け、ビジネスにとって潜在的な顧客を獲得するための戦略です。集客は、広告、プロモーション、割引、イベントなどの手段を使用して、ターゲット市場にアプローチします。集客の目的は、ビジネスの知名度を高め、顧客の関心を引き付けることです。

ただし、実際は、集客でも訴求点を洗い出すためには、顧客理解が必要ですし、限定価格や通信販売の導入を実施することはあります。そのため、実務では、集客といいつつ、マーケティングの施策を実施していることがほとんどです。

集客では、STP分析で洗い出した標的市場に適切にリーチするための広告やマーケティング手法の知識は必要です。仕組みの理解がないと、求める成果を獲得することができないからです。そのために、広告やマーケティング手法の情報収集は欠かせません。

集客はマーケティング化している傾向がある。

広告やマーケティング手法だけで興味を惹きつけるのは限界があります。そのため、顧客とのコミュニケーションで得られた顧客ニーズから新しい製品やサービスを開発・既存製品の開発をしたり、顧客の呼び寄せのために限定価格のキャンペーンを行なったり、通信販売を導入したりします。

つまり、純粋な販売促進(集客)だけをするということの方が少なく、集客の対策として、マーケティングを行うことを意味します。

そこで、以下のような施策を行う企業も増加しています。

  • 製造業者がSNSやオウンドメディアを使ってエンドユーザーと直接コミュニケーションを行い受注販売を行うDtoC(Direct-to-Consumer)などのビジネスモデル
  • エンドユーザーとコミュニケーションを引き出せるようにし、体験価値の改善や新規事業の立案に役立てるグロースハック

そのため、集客には、既存の商品やサービスの販売量をいかに伸ばすのかだけではなく、市場からの情報を収集し、価値創造を行い、新しいビジネス機会を作り出すことが期待できます。

飲食店の集客とマーケティングの違い

飲食店での集客では、効果の高い媒体を選択し、既存のメニューやサービスをフレームに合わせて発信します。例えば、居酒屋であれば、ホットペッパーやぐるなびなどのグルメサイトを導入することがあります。

しかし、検討しているグルメサイトのユーザーからすれば、メニューだけが店舗を選ぶ動機ではありません。例えば、仕事で活用する時は、ゆったりとした雰囲気、アレルギーへの配慮、個室対応の可否、コースの価格などが条件に入ってきやすくなりますが、これらの情報が抜け落ちていたり、店舗のサービスとして配慮がないこともあります。

そこで飲食店でもマーケティングを実践します。

集客をしたいターゲットを明確にし、そのターゲットがどんなものに価値を感じるのかを洗い出します。そこで、女性顧客であればOZmall、デート需要であれば一休.comレストランを導入し、それぞれの用途にあった情報を選定して掲載し、オリジナルのコースメニューや付加価値を追加して情報掲載します。

また、顧客それぞれに最適なサービスを提供するため、顧客管理のシステムを導入します。飲食店では、主にタブレットPOSレジを導入して、データを集計できるようにします。

メーカーによる直販の参入

玩具といえば、従来は、卸売業者が流通し、小売業者が販売するような区分けがされていました。そのため、集客では、アニメや特撮の番組を企画し、テレビCMを出すことに限定されます。この方法では、それぞれの番組の人気度に販売量が影響され、玩具屋に前作の玩具の在庫が残ります。

しかし、インターネットが普及した影響で、SNSでメーカーが情報を直接発信し、それに対するエンドユーザーの反応を直接獲得できるようになりました。

プレミアムバンダイでは、製造した玩具を販売するのではなく、玩具を受注販売しています。これもSNSの普及でできるようになったDtoCビジネスモデルであり、生産量を必要分だけに集約して流通させることができるようになりました。

集客力を上げるポイントとは?

集客力を上げる

集客力を上げるためには、広告やメディアでやみくもに情報を発信して知名度を上げる活動をするだけではなく、マーケティング戦略としてしっかり運用することが重要です。

顧客の理解は当たり前ながら、製品やサービスの理解、購入がしやすい流通チャネルを選択したり、ワンタッチで購入までができるような利便性の向上まで考えることができれば、販売促進での具体的な訴求点や広告やマーケティング手法の選定が楽になります。

広告やマーケティング手法の選定

マーケティングの計画を作る上で、広告やマーケティングの特徴を知らないと、目的からはずれた施策を選んでしまい、計画がその時点で遂行ができません。

実際にあったことですが、中小企業診断士にマーケティングの計画立案を任せた結果、「通信販売を実施する」という大雑把な流通チャネルの計画のみで、「通信販売をどのように認知してもらい、販路拡大をするか?」の視点が全くありませんでした。例えば、リスティング広告や既存顧客にDMを出すなどで、通信販売をはじめたことを知らせないと、新しい流通方法として、通販は成立しません。

PDCAサイクルを意識する

PDCAサイクルとは、施策の精度や品質を向上させるためのフレームワークです。仮説(Plan)、実行(Do)、検証(Check)、改善(Action)を繰り返して、施策の精度を向上させます。

ここで重要なのは、仮説を検証できるだけやり切ることです。例えば、クリック単価が100円の広告に、10,000円しか投資しなければ、100クリック程度しかされないことになります。平均成約率(CVR)は2〜3%程度ほどと言われており、この金額では、2〜3件の成果にしか繋がらないことがわかります。

また、仮説に対する評価指標は、最初に設定します。リスティング広告などのウェブ広告では以下のような指標があります。

  1. クリック率(CTR)
    広告が表示された回数に対して、どれだけのユーザーがクリックしたかを示す指標。CTRが高いほど、広告がクリックされているので、設定したフレーズの評価が高い。
  2. コンバージョン率
    広告をクリックしたユーザーのうち、実際に目的とする行動(例:商品購入、申し込み)を行ったユーザーの割合を示す指標。コンバージョン率が高いほど、広告が効果的に設計されていることを示し、ビジネスに貢献している。
  3. 投資対売上(ROAS):
    広告の費用に対して、得られた収益を示す指標。ROASが高いほど、広告にかけた費用に対して多くの収益が得られていることを示す。
  4. コストパークリック(CPC):
    広告をクリックするためにかかった費用の平均値を示す指標。CPCが低いほど、より多くのクリックを獲得できる可能性が高くなる。

ウェブサイトの改善

集客の施策とは別に、ウェブサイトもユーザーに訴求力のあるものにするのが良いでしょう。稟議を必要とする決済は、慎重になりがちで、製品やサービスを提供する売り手の情報が気になり、検索し、ウェブサイトを閲覧します。

ウェブサイトの具体的な改善では、コンテンツの充実やデザインの改善、使いやすさの向上などがあります。

また、ウェブサイトを使って、リード(購入意欲の高い見込客)を集める方法をオウンドメディアマーケティングと呼びます。これには、SEO対策が非常に重要です。

自社のウェブサイトが検索エンジン上で上位に表示されるようにすることで、多くの検索エンジンのユーザーをウェブサイトに集めることができます。そのためには、キーワードの選定やコンテンツの最適化など、SEO対策を行います。

カスタマーサポートの充実

集客力を上げるためには、単なる販売促進ではなく、関係性・信頼性を築くコミュニケーションを確立していくことも重要です。

商品やサービスの購入後のサポートを充実させることで、ユーザーに信頼感を与えることができます。そのためには、電話やメールなどによる問い合わせ対応の迅速化や、SNSなどを活用したコミュニケーションなどが挙げられます。

集客とマーケティングとブランディングの違いとは?

ブランディング

ブランディングとは、商品やサービス、企業、団体、個人などのアイデンティティーを形成し、その価値を伝えるための戦略的な取り組みのことです。ブランディングの語源は、自分の家畜を見分けるための焼印からで「焼き付ける」の意味があります。

具体的には、ロゴやカラースキーム、スローガン、広告、ウェブサイト、商品パッケージ、コンテンツなどを使って、独自性や魅力、価値観を表現し、ターゲット層にアピールします。ブランディングは、商品やサービスの認知度、信頼性、競争力を高め、長期的な成功につながると考えられています。

aidma

消費者行動で説明をすると、新規顧客は、認知、興味、欲求、記憶、購入のプロセスを経由して商品を購入します。ブランドに信頼性を抱くと、ブランド名から自分から商品を検索し、購入に至る行動をとります。

これにより、商品の認知に莫大な広告費を投下しなくても販売が見込まれることになります。

純粋想起:
特定のキーワードからブランド名が出るものです。「例:バックといえばエルメス」
純粋想起で自身のブランド名が出ることで、口コミでの集客力が高くなります。

助成想起:
ブランド名からキーワードを出力するものです。助成想起でより具体的なキーワードが出力されることで、ブランドの市場への浸透度合いを知ることができます。

まとめ

  1. 集客とは、ビジネスの認知度を高めて、興味を惹きつけるための戦略。
  2. 集客とマーケティングの違いは、集客は、マーケティングの販売促進やコミュニケーション戦略に含まれる。
  3. 集客力を高めるためには、広告やマーケティング手法の中身を理解した上で、PDCAサイクルでしっかり改善する。
  4. リードを集めるためには、ウェブサイトを改善し、SEO対策などで自然流入を増やす。
  5. 継続した契約を取り付けるためには、カスタマーサポートを手厚くしなくてはならない。

最終更新日 : 2023年10月31日

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