ゴーストレストランとは?開業のポイントと業態としてのメリットとデメリット
ゴーストレストランとは、客席を持たない飲食店の業態のことです。また、クラウドキッチンやバーチャルレストランなどの呼び名もあります。デリバリーやテイクアウトに特化しています。都市部では、テレワークなどが推進された影響で、UberEatsや出前館などのデリバリーサービスが一般的なものになりました。
ゴーストレストランのメリットとは?
路面店舗・好立地にこだわる必要はない。
ゴーストレストランで重要なのは、商圏です。デリバリーがよく利用される圏内にあれば、デリバリーサービスを活用して配達することができます。
また、飲食店であれば、入店効率を上げるため、路面店を選択することが望ましいなどがありますが、ゴーストレストランでは、デリバリーが中心であるため、2階であっても地下であっても関係はありません。
初期費用や固定費が圧倒的にかからない。
飲食店は、料理だけが商品ではありません。料理の注文を通して、その空間で食事をするという時間を購入している見方もすることができます。そのため、高価格帯で勝負する時は、客席部の内装を改装したり、テーブル、椅子、空調などにも投資する必要性があります。
ゴーストレストランではこの必要がなく、調理スペースを最低限完備することができれば良いので面積も必要ありません。
1店舗で複数のブランドの店舗を展開することも可能。
ゴーストレストランの最大の特徴でもあるのが、1店舗で複数ブランドを展開することができます。そのため、和洋中のニーズが分散するブランド展開を行うことで注文効率を高めることもできます。
ゴーストレストランのデメリット
ゴーストレストランは一つの業態に過ぎず、既存の飲食店のニーズを完全に奪うものであるとは考えづらいです。
飲食店で食事をするのは、料理だけが目的ではないからです。普段と違う空間で食事をする時間に価値があるのであり、自粛やテレワークの割合が減少するとおうち時間が減少し、デリバリーなどの利用頻度も減っていくと想定できます。
また、ゴーストレストランは、基本的にお弁当の注文です。そのため、デリバリーの1回あたりの注文で4,000円以上になるのは全体の16%程度(オリコン満足度調査より)しかなく、それだけ注文回数を増やさないといけません。
売れるメニューの量産が求められる上で、生産性の高いメニューでなければキッチンもパンクしがちになります。
ゴーストレストランを開業するポイント
商圏を分析して立地を決定する。
主力になるUberEatsの配達エリアは、半径3kmとされています。つまり、その商圏の特性や競合次第で、顧客単価や集客数が決定してしまいます。
周囲の飲食店のほかにコンビニやスーパーの数も気にした方が良いです。UberEatsの需要は、デリバリーしてもらいたいということにもありますが、近隣で同じようなお弁当が購入できる場合は、どうしてもそちらに顧客が流入してしまうからです。
ビジネス街であれば、周囲のビルに給与の高い企業が入居していることが重要です。住宅街であれば新しい家族の入居が多い地域を選択します。また、近隣に激安スーパーなどがないことも重要です。そのような商圏は、安価で商品を購入することに慣れている顧客が多いためです。
また、立地を選択する時には、入居条件を事前に確認しておく必要があります。飲食業を開業する想定外のテナントにも入居できるのがゴーストレストランの特徴の一つともいえるので、設備を入れることができるのか事前に確認しておきます。
インターネット回線を新規契約できるのかもこの段階で確認しておく必要性があります。入居するテナントによっては、電柱から直接回線がひけない、回線を接続するのに1ヶ月以上かかることもあるからです。
営業許可をとる。
飲食業では営業許可をとる必要性があります。最寄の保健所で講習および営業許可申請書の提出が必要です。
保健所の審査により適切な調理場にしなければなりません。居抜き物件であった場合は、以前の審査で合格していることがわかっていますので、少ない投資で営業許可を得ることができます。
営業時間・営業日数を最大限に確保できるように人材を確保しておく。
ゴーストレストランで儲けるためには、可能な限り常時オンライン、つまり受注可能な状況にしておくことが非常に重要です。なぜならば、ほとんどのデリバリー代行サービスでは、表示順位を決定するアルゴリズムに営業時間の割合を採用しているからです。
営業時間が短い、休業日が多いゴーストレストランは、上位表示することができず、結果として受注量を下げる結果になります。
最終更新日 : 2024年4月6日