飲食店を売上アップさせるためには?重要な4つの要素と具体的な売上向上策

飲食店業界は競争が激しいですが、基本的な戦略を用いれば、持続的な売上アップが可能です。ここでは、売上高を安定して上げるための基本的な戦略やポイントをわかりやすく解説します。

集客のサクセスパートナーでは、主に複数店舗経営の飲食店の集客のコンサルティングを行っています。
客数増加や販促費削減をしたい飲食店オーナーおよび運営責任者は、お気軽にご相談ください。

目次

飲食店の売上を上げるためには?

飲食店の売上を決める3要素

飲食店の売上は、簡単な方程式で理解できます。

売上高=取引回数(回)×顧客単価=客数(人)×顧客単価×来店頻度

一般的には、客数(正確には取引回数)×顧客単価と言われていることが多いですが、新規顧客とリピーターでは、集客の難易度も集客にかかる広告費も全く異なるため、これらを分けて考える必要性があります。そのため、飲食店の売上アップの基本は、客数を増やすこと、顧客単価の向上、来店頻度の増加の3つの要素で達成すると考えます。

客数の増加新規顧客の獲得には、魅力的なプロモーションや広告キャンペーンが効果的です。しかし、集客コストの増加や一過性の顧客増加に注意する必要があります。
顧客単価の向上高単価メニューの提案やクロスセリングにより、一人当たりの消費額を増やすことが可能です。顧客心理を理解し、価値ある体験を提供することが重要です。
来店頻度の増加顧客の体験価値を向上させ、リピーターを増やすことで、来店頻度を高めます。メールマーケティングやSNSを活用した継続的なコミュニケーションが効果的です。

飲食店の重要な指標である営業利益率

極端な話ではありますが、売上を上げること自体は、広告費をかければ上がります。儲けである営業利益を増やさないと意味がないため、売上アップは高い営業利益率ありきのものです。

営業利益率=(売上高-原材料費および営業に関わる費用)/売上高×100

つまり、営業利益率を高めるためには、原材料費および営業に関わる費用を下げることが重要になります。
主な費用の分類は、原材料費、人件費、光熱水道費、広告費です。原材料費や光熱水道費の削減は難しいため、人件費や広告費の効率化に注力することが推奨されます

人件費の効率化カウンター席の増設や注文・レジ・顧客管理をデジタル化することで、必要な人員を最小限に抑え、運営を効率化します。
顧客単価の向上高単価メニューの提案やクロスセリングにより、一人当たりの消費額を増やすことが可能です。顧客心理を理解し、価値ある体験を提供することが重要です。

飲食店の目標売上を算出する。

目標売上の算定方法とは?

飲食店の目標にする月商の算定には、費用を基準に用いて概算することが多いです。例えば、家賃の10倍以上、家賃と減価償却費の5倍以上に、目標にする月商を設定する方法があります。また、坪月商も目安として用いられます。月売上300万円の店舗の坪面積が15坪であった時に、坪月商は20万円(300万円÷15坪)です。坪月商の目安は、繁盛店である15万円で坪面積にかけることで、目標月商を算出することができます。

最低の損益分岐点の売上も算出する。

また、損益分岐点も算出します。損益分岐点とは、利益が全くない売上を意味します。つまり、それ以上の売上がなければ、安定した成長はあり得ないことを意味します。

損益分岐点の計算式には、売上のほかに、固定費と変動費を使います。固定費(※)は、毎月のように一定の金額がかかる費用のことで、飲食店では、家賃、固定資産税、人件費、リース料、減価償却費、支払利息が該当します。変動費は、毎月の支払いが変化する費用で、原材料費、水道光熱費、販促費が該当します。

損益分岐点=固定費÷(1-変動費率)

  • ここでの固定費は目標売上を算出した時のものと一致していません。ただし、アルバイトの割合が高い業態では、人件費は変動費に算入します。

たとえば、売上が300万円で、固定費が105万円、変動費が70%であるとすると、損益分岐点は以下のようになります。

損益分岐点=105万円÷(1-0.7)=350万円

つまり、最低でも350万円の売上を超えなければ、利益が出ないことを意味しています。継続的な成長には利益を出すことが必要不可欠であるため、コスト計算は飲食店の経営では生命線といえます。

時期や曜日ごとに目標値を変更して目標を設定する。

飲食店は年間を通して考えると、毎月売上が一定になることはありません。例えば、宴会需要が多い新年会、歓送迎会、忘年会がある、1月、3月、4月、12月は売上を上げやすいですが、新年会後の2月やお盆休みが重なっている8月は閑散期とされています。

また、立地によって、曜日ごとに集客に波があります。例えば、住宅街では、平日に仕事をしている人が多いため、集客が難しいですが、休日は人がいるため、自治会の会合や家族の食事需要があります。ビジネス街は逆で平日の集客は簡単ですが、休日の集客は苦手です。

月毎、曜日毎に目標売上を設定し、それを達成するためのマーケティング戦略が飲食店には必要になります。

飲食店が売上アップするアイデアや対策

次に飲食店の売上を上げるための方法を紹介します。

飲食店の売上を上げるためには、集客、平均顧客単価、来店頻度を伸ばすことが挙げられますが、それだけではありません。損失を出す可能性がある天候不良の日やノーショー(無断キャンセル)の対策を行うことで、損失を出さないこともポイントです。

  1. 客数を増やす
  2. 平均顧客単価を上げる
  3. 来店頻度を上げる
  4. 機会損失を削減する

具体的な集客方法に関しては、関連記事で解説をしています。ここではアイデアや対策を中心に解説します。

飲食店の客数を増やす対策やアイデア

新規顧客を増やすためには、商圏内の見込み客にお店の存在を知ってもらうための対策を行います。それ以外に、お店の口コミがわかりやすく伝わるような対策が該当します。

名物メニューを作り、ブランディングする。

全てのメニューが美味しいと主張するレストランでも、名物メニューが存在するところが集客力を持つのは珍しくありません。なぜなら、口コミは大抵、「〇〇が美味しかった」という名物メニューに紐づいて発生するからです。

名物メニューはそのレストランの象徴であり、新規のお客様が最も注文する可能性が高いメニューです。つまり、そのレストランの味やサービスを名物メニューを通して初めて体験することになり、その結果、次回の来店の基準も名物メニューになりやすいのです。

注文時に名物メニューを推奨する工夫をすることで、多くの新規お客様に名物の味を知ってもらい、良い口コミの生成やリピーターの増加につながります。これは集客力を高め、売上を伸ばすための有効な手段です。名物メニューのブラッシュアップは、初回の体験価値を向上させ、集客と売上の両方を向上させる重要な手段となります。

利便性の高いサービスを提供する。

利便性とは、利用しやすくなる便利さを指します。例えば、ネット予約でいつでも手軽に予約ができたり、テイクアウトやフードデリバリーなどの利用が簡単になることで、集客率を上げることができます。

利便性を上げるためには、使いやすい馴染みのサービスを導入するのが良く、普及している人気のサービスを活用するのが良いでしょう。

Googleビジネスプロフィールを運用する。

飲食店の検索に使われるのがGoogle検索です。例えば、寿司屋と検索すれば、周囲の寿司屋のGoogleビジネスプロフィールが表示されます。また、店舗名をGoogle検索してもホームページよりも先にGoogleビジネスプロフィールが表示されることがあります。

営業時間や地図などの基本的な情報のほかに、口コミも表示されます。Googleビジネスプロフィールに口コミを書いてもらうようにすると、検索順位にも良い影響を与えて、露出されやすくなります。

SNSをメニュー表やカタログの代わりに運用する。

飲食店を検索する方法として、3割程度がインスタグラムを使っていると言われています。飲食店は食欲をそそる画像や写真やショート動画を継続的にアップロードし、ハッシュタグで検索性を高めることで、お店の存在を知ってもらうことができます。

気に入った店舗のアカウントは過去の投稿もチェックされるため、メニュー表のように名物メニューを中心におすすめのメニューを掲載していきましょう。これにより、強い来店動機を作ることができます。

チラシを自作できる環境を整備する。

飲食店では、近隣住所に絞り込んだポスティングがわかりやすく集客に効果があります。ポスティングの問題点は、チラシを用意するスピードと配布に時間を要することです。そこで、CanvaやAdobe Expressを導入することで、チラシの作成を自作でできるようにします。また、ポスティングはネット印刷の会社が安く請け負っているので、印刷と一緒に依頼すると素早く発注ができます。

ドミナント出店で店舗数を増やす。

ドミナント出店は、特定の高品質な商圏に集中出店をすることで、ブランド認知度を高め、配送コストを削減するための戦略です。この戦略は、大手コンビニエンスストアチェーンのセブンイレブンが採用しています。

商圏を広げると労力と費用の面でマーケティングコストが高くかかります。そのため、商圏を絞り込んだ方が、新店舗の告知を既存店舗でできるなどの工夫を行うことができ、有利なマーケティングをすることができます。また店舗数を増やすことで、顧客接点(タッチポイント)を増やすことができます。

ただし、同じ形態の店舗を増やすと、顧客の入れ替わり(カニバリゼーション)が起こる可能性があります。そのため、異なる業態の店舗での差別化が必要です。

平均顧客単価を上げる対策やアイデア

売上を上げるには、客単価を上げることが一番効果的です。ただし、急激に値上げをしたりすると、顧客が逃げる可能性があり、結果的に売上が下がることがあり得ます。そのため、顧客単価を上げるには工夫が必要です。

悪い立地ほど高価格にする。

立地が悪いとは、商圏内に市場が存在しないもしくは人通りがないため集客の難易度が高い立地を意味します。この場合、客数を増やすことにコストがかかるため、高価格戦略を取るのが常識です。

たとえば、隠れ家的なブランディングを行い、内装も工夫します。提供しているメニューも独自に仕入れを行った特色のあるものを採用します。特色があるものは口コミも起こりやすく、高い価格にも正当性があります。

四段階価格を実施する。(松竹梅特上)

一般的に、松竹梅の三段階価格設定は、顧客単価を上げる効果があります。これは、人々が心理的に最低価格と最高価格を選ばない傾向、いわゆる「極端回避性」を利用したものです。しかし、団体顧客の場合、予算制限があるため、極端回避性が働きにくく、三段階の価格設定だけでは十分な効果を発揮しないことがあります。

そこで、接待を目的にした最高級のコースを追加し、価格設定を四段階にします。これにより、特に予算制限がない顧客は中間の価格帯を選ぶことが増え、結果的に平均顧客単価が上がります。ただし、この新たなコース設定は、仕入れにも影響を与えます。そのため、最高級の「特上」コースは、接待など特別な場合向けに、事前予約を必須とするなどの工夫が必要となります。

この四段階価格設定は、集客効果を高め、売上を増加させる可能性があります。顧客が自分に適した価格帯を選びやすくなるため、満足度も向上し、リピート率の向上にもつながります。

飲食店のクロスセリングをする。

クロスセリングとは、相性の良いサイドメニューやドリンクをおすすめし、顧客単価を上げる方法です。例えば、ステーキ注文時に赤ワインを推奨します。ウェイターが料理と相性の良いワインをおすすめし、顧客の体験価値を向上します。これにより、ワイン分の顧客単価を上げることができます。

また、名物メニューにトッピングを用意することでも顧客単価を上げることができます。

来店頻度を上げる。

来店頻度を上げることは、売上にはかなり大きな影響を与えます。短期に3回来店することで、それ以降の顧客離れが起こりづらくなる3回安定の法則などからも言えるように、新規の顧客を短期でリピーターにするための施策が、顧客離れを減らし、安定した売上アップを実現します。

好意度を高める対策

次回の来店動機は、そのお店に対して「好意を持った」「期待通りだった」と思わせる良質な体験があって成立します。期待通りのメニューだけではなく、デートであれば、そこだけで見ることができる夜景などのシチュエーションやサービスも体験に含まれます。

好意度は、顧客があなたの飲食店に対してどれだけ好感を持っているかを示す指標です。これを高めるためには、まずは飲食店の基本的な要素、つまり美味しい食事と良好なサービスを提供することが重要です。さらに、店内の雰囲気やスタッフの接客態度など、細部にわたる配慮も好意度を高める要素となります。

やはり、集客の手法よりも愛される店舗づくりをすることに越した集客力づくりはありません。

LINE公式アカウントをカスタマイズして運用する。

LINE公式アカウントは、リピーター向けにメッセージを配信し、再来店の動機を作ることができます。LINE公式アカウントのメリットは、LINEの普及率は9割以上であり、登録も非常に簡単で、アカウントのカスタマイズができるからです。

例えば、ぐるなびやUberEatsと連携させることで、メッセージを送信した後に、予約やデリバリーに結びつけることも可能です。LINEから予約ができるようにしておけば、顧客にメッセージを送信した時に、次の来店の予約や注文に結びつけることができます。

LINE公式アカウントでは個人情報のやりとりができないため、必ずそれぞれの用途のシステムと連携する必要があります。

ハガキを送る。

オンライン集客が基本だからこそ、アナログな方法が印象が強くなる傾向があります。リピーター向けに、節目節目にハガキを出すことで、お店の存在を忘れられるのを防ぎ、再来店のきっかけを作ることができます。

機会損失を削減する。

キャッシュレス決済(タブレットPOSレジ)の導入

経産省によると、2022年度のキャッシュレス決済利用率は、36%に達しています。また、飲食店では、キャッシュレス決済未導入の飲食店を避けることがある人が、約43%存在することから、飲食店はキャッシュレス決済を導入しないと売上アップに限界が生じます。キャッシュレス決済を導入する時は、支払いサービスを選べるようにするのが重要です。これは、使っているサービスが顧客ごとに異なっており、例えばPayPayのみを導入するのでは不十分です。訪日外国人にも対応するためには、複数のブランドに対応したキャッシュレス決済を選びましょう。

天候不良日の対策

日本では、年間の約30%が雨やその他の天候不良日となっています。この中には台風や記録的な大雪など、集客0を避けられないことがある場合もあります。何もしなければ、雨の日に売上が下がる飲食店は、3日に1日の売上ロスを防ぐことができません。

雨の日の集客の対策で最も効果的なのは、予約制を採用することです。予約をすることで、キャンセルポリシーが設定されていると、雨が降っている程度のことでキャンセルされることがありません。そのため、平常時も可能な限り予約をすると、良い席を選べるなどの特典を付与することで、予約を増やすことを心がけましょう。

また、雨の日限定のクーポンや特典を用意することも大きな来店動機にはなりづらいですが、効果は見込めます。そのため、天候が悪そうな時にすぐに顧客にクーポンを配布できるようにLINE公式アカウントやメールマガジンを育成しておくことがおすすめです。

この他に、EBILABOが提供する来店予測AIを活用することで、天候によっての集客の見込みを予測することができます。これにより、集客に適した仕入れとシフトの組み立てを事前に行うことができます。

無断キャンセル対策(ノーショー)

無断キャンセルのことをノーショーと呼びます。

無断キャンセルは、全体の予約の約1%を占めていると言われ、売上への大きな影響を及ぼします。無断キャンセルが発生すると、予約した席が空席となり、その分の売上が損失となります。また、予約に基づいて仕入れた食材が余ってしまい、保存期間の短い食材は廃棄せざるを得ない場合もあります。これは、直接的な売上減少だけでなく、無駄なコストを生むため、事実上の損失となります。

無断キャンセルを防ぐための対策は各社で行われています。例えば、無断キャンセルの保険が提供されているサービスもありますし、予約台帳システムのTableCheckでは、クレジットカードを事前に登録させることで、無断キャンセルをした場合にキャンセルポリシーに準じた料金の請求を行うことができます。また、トレタでは、無断キャンセルが起こった時に、請求会社が取り立てを代行してくれるサービスがあります。

このような対策を通じて、無断キャンセルによる売上損失を最小限に抑え、安定した売上を確保することが可能となります。

少しの箇所を改善しただけでも売上アップに成功した事例

飲食店の売上アップは、見込み客に価値が伝わる効率を上げれば、一気に上がるケースが多いです。ここでは、少しのポイントを改善したことで売上を上げた事例を解説します。

ホームページの改善のみで1.5倍に

飲食店の事例

立地の悪いレストランでは、来店を増やすことは困難です。当時ケータリング事業に力を入れていた店舗で、地元のグルメグランプリでも上位入賞の常連でしたが、その情報を第三者に伝える手段がありませんでした。そのため、情報を整理し、価値が伝わる構成のホームページに既存のホームページを作り替えました。

その結果、客観的な情報が伝わるようになり、次年度の売上は1.5倍にまで成長しました。

一定数のテイクアウトに人数分のジュースをサービス

コロナ期間中は、テイクアウトでの対応が余儀なくされたレストランが多かったです。テイクアウトの場合、ドリンクの値段がコンビニよりも高いため、テイクアウトをレストランで、その後コンビニによってドリンクを購入する行動が多いと予測しました。

この行動より、ドリンクのクロスセルが見込めないこと、コンビニに寄る手間を削減することで集客が増えると予測し、一定数のテイクアウトを購入した顧客に対して人数分のジュースをサービスすることを販促物に明記しました

その結果、テイクアウトの注文数が伸び、ポスティングも十分満足と言える結果になりました。

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