店舗の新規開業直後に実施すべき集客とは?長く続く繁盛店にするポイントとは?

店舗の新規開業時に、ずっとお客様で溢れているというのは残念ながらごく少数です。ほとんどの店舗は最初の集客から躓いてしまいます。

飲食店であれば、70%が最初の3年以内に潰れるとされており、その中でも初年度が一番多いことになります。

ただし、短期で閉店になるから悪いかというわけではなく、最近は流行ごとに提供する商品を変更する店舗営業のスタイルもあります。記憶に新しいところで言えば、タピオカ屋が一斉に唐揚げ屋になったのがまさしくそれです。戦略的な閉店ならば良いのですが、最も恐るべきは、想定外に店舗として売れなかったということです。

ここでは、店舗の新規開業時の集客の話をします。要点は以下のようになります。

  1. お客様がたくさん来るイメージがつくか?
  2. 狙っている客層の近隣の市場規模は相応に大きいか?
  3. キャッシュレスの導入や雨の日対策などを実施し、売上の減少要因を潰す。
  4. 集客は、一番見てもらえる確率が高いものから着手する。
  5. 売上アップと費用対効果の改善では売上アップの方が優先である。
  6. 消費の必要性に迫られての消費に効果的なのは検索対策
  7. 衝動買いを誘わないと売上は大きく上がらない。チラシの配布とSNS広告を効果的に活用する。
目次

「そのお店でお客様でいっぱいになるイメージ」が重要

最初にコンセプトやターゲティングの話になりがちですが、要は、今その店舗で提供している商品やサービスでお客様でいっぱいになるイメージがあるかどうかが最も重要です。

このイメージがどうしてもつかない店舗では、集客にかける労力は大きくなり、顧客が集まり出すようになるまでどうしても時間がかかってしまいます。ほとんどの場合は、その対策もできないまま閉店の選択肢を選んでしまいます。

すでにオープンしている場合、その立地に伴い、商圏と顧客がすでに決定しています。この時に、最も顧客化しやすく人数も多い客層を狙うことが重要です。当たり前ですが10人よりも100人を狙った方が良い理論で集客は簡単になるからです。

もし、ごく少数の客層を狙っているようなことがあれば、商圏の拡大か、狙っている客層の見直しをするかのどちらかをしないとその後実施する集客ではどうしても苦戦することになるでしょう。

商圏の拡大とは、単純に通販を開始するという類の話題ではなく、遠方からわざわざ来店する価値作りだったり、遠方にこちらから出かけて認知度を拡大するというような話になります。
→例えば、地方の店舗では、飲食店ではキッチンカーやトレーラー、小売業であれば定期的な展示会を好立地の会場で行う。

集客する上で重要な視点とは?

集客で重要なことは、「お客様にならない理由を可能な限り回避すること」です。そして、「発見してもらえる集客方法を選択すること」です。

お客様にならない理由を可能な限り回避する。

集客でまずいのは、条件を切り詰めすぎてお客様を選ぶいわゆる選客をしすぎで、来店や購入をやめてしまうことです。

例えば、2025年までにキャッシュレス決済を日本では全体の40%にすることを目標にしています。キャッシュレス決済の欠点は、お店側に手数料の負担を強いることで、手数料の負担をなくすために現金だけにしてしまうと、PASMOやPayPayなどでしか買い物をしない人は顧客になりません。

また、日本の天候は、年に約3割は天候不良です。「天気が悪いから仕方ない」を繰り返していれば、この分の売上をまるまる諦めることになります。そのため、天候の日を好んで来店するような仕組みを導入します。

発見してもらえる集客方法・広告を選択すること

知らないお店には行けません。新規顧客が獲得できない最大の原因は、知られていないことです。

知られていることも屋号留まりでは意味がなく、どのような価値を提供するかまで伝えなければ来店にはつながりません。そのため、どのような価値のある商品やサービスを提供するお店なのかをしっかり棚卸しし、ホームページやチラシにまとめる必要性があります。

作成したホームページやチラシは閲覧されなければ新規顧客にはなりません。効果的な広告を活用し、可能な限りはやく商圏内の認知度を高めることが必要です。

売上高と費用対効果のどちらを優先すべきか?

メリットとデメリット

売上高を優先します。この場合の費用対効果とは広告費1円に対する売上高ですが、最初から気にしすぎると広告の規模が小さくなり、顧客の増加が非常に遅くなります。

すばやく集客し、シェアを高めることで「〇〇といえば××」のようなブランド想起効果を期待できるようになり、次第に広告費がかからなくなるメリットが得られるようになります。

そのため、最初は利益額が少なくなっても広告に投資し、次回の来店および利用に結びつくようなリピーター対策を同時に行い、費用対効果を高めていくことがおすすめです。

新規の集客に有効な方法とは?

消費には簡単に分けると2種類に分かれます。必要性に迫られて購入する消費ふとした情報から衝動的に購入意欲が湧き上がる消費です。この2種類の消費は、情報の受け取り方が異なります。

必要性に迫られた消費は、情報を自分から探します。例えば、宴会の予約をする時に食べログやぐるなびなどの予約サイトで検索します。もしくは、Google検索を行い、周囲の評価の高い居酒屋を検索します。

これに対して、ふとした情報から衝動的に購入意欲が湧き上がる消費は、自分から情報を探そうとしません。例えば、友人のInstagramの投稿をみて、初めて知ったお店に興味を持って行ってみる行動はこれに該当します。

Google検索対策(SEO・MEO)

検索対策の重要性は、購入の必要性に迫られている人と接点を作るためには有効な集客の対策です。

Statecounterによると、日本のモバイル端末での検索市場の75.56%をGoogleが占めています。これは、日本のスマホのOSの半数がAndroid(GoogleのOS)であり、また半数を占めるAppleのiOSでもGoogleがホームに設定されていることが多いためでもあり、検索エンジン対策といえば、Google対策を意味します。

また、iPhoneでも77.5%がGoogleマップを利用されていることや飲食店を検索する方法に約6割の人がGoogle検索を利用していることもあり、店舗を検索する方法としてもGoogleの力がかなり強いことを意味します。

実際に店舗を検索する意図があるキーワード(GOクエリ)で検索してみると、検索結果にはローカルパックと呼ばれる地図と周辺のビジネスの情報がセットになっている箇所が上部に表示されます。ここで表示されるのは、Googleマイビジネスです。屋号で検索した場合も、ホームページよりも先か後にGoogleマイビジネスが表示されています。

Googleマイビジネスでは営業時間や定休日が表示されるほか、レビューも表示されます。また、そのお店で取り扱っている商品についても登録することができます。Googleマイビジネスをみて、そのお店に興味を持つ人も経験上かなり多いので、開業したら真っ先にGoogleマイビジネスを登録し、詳細に情報を掲載しましょう。

グルメサイト・OTAなどの各業種の専門予約サービス

次に予約に力のあるWEB予約サービスを活用します。これらを活用する用途としては、それぞれが提供しているポイントなどのオトクを活用して予約をする顧客の取り込みです。

例えば、会社の人と楽しむ宴会はグルメサイト、美容室やネイルサロンの予約はホットペッパービューティー、出張はOTAを活用してポイント還元を受けることは当たり前の消費者行動とも言えます。つまり、この行動が多数派である以上は対応することが望ましいことになります。

競争が激しい地域では、有料プランを導入しても3ページ目に表示されることもあります。そのため、各サービスの検索のルールを導入前に比較し、可能な限り力のあるサービスの中で上位表示できるものの導入を検討しましょう。上位表示ができても、そのサービスを活用しているユーザーが少なければ集客は望めないからです。

ポスティング広告(チラシの投函)

こちらから商圏内の人に存在を知らせる方法の定石です。相手にインターネットを検索するなどの条件を要求しないため、客数を増やす方法としては1、2を争うくらいの効果があります。

ポスティング広告では、反応率は良くて1%程度です。よく言われる反応率は、0.1~0.3%です。

当社調べでは、ポスティングしたチラシの反応(商品の購入や申込み)率は、全国平均で0.75%です。一方、新聞折込の反応率は、全国平均で0.32%となっています。このことから、ポスティングの反応率は、新聞折込の2倍以上であることがわかります。

ラクスル「ポスティングの反応率(反響率)はどのくらい?反応率を高めるポイントとは?」

つまり、100人に配布した時に、1組獲得できれば良い計算になり、配布部数が少なければ少ないほど集客はできません。ポスティング業者に依頼するときの特徴としては、配布部数が多く、配布日時までに余裕があるほど安くなります。そのため、1回のポスティングの予算としては、1万部以上で考えます。

SNS広告

SNSは、日常的にコミュニケーションが行われています。Twitter、Facebook、Instagram、LINEは、それぞれ4500万、2,600万、3,300万、8,400万程度が毎月アクティブとされているため、これらを対象に広告を出します。

SNS広告が優れている点は各々の広告ごとに異なります。Facebook広告は類似オーディエンスは、既存顧客のデータ(メールアドレス)などから似通った興味を持つ見込み客にリーチした広告を出すことができます。Twitter広告以外の広告は、半径による出稿エリアの設定を行うことができるため、店舗の集客には適しています。

また、SNS広告を活用するメリットとしては、認知とフォローを同時に集めることができる点です。その場では顧客にならずとも将来的に顧客になりうるフォロワーを獲得することができるためおすすめです。

最終更新日 : 2022年3月12日

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