アップセルとクロスセルとは?客単価アップの方法を解説

店舗の総売上額を増やすためには、客数を増やすだけではなく、客単価を上げる必要性があります。客単価は、支払った金額であり、それを上げるためには、客単価を向上させるアップセルと関連製品やサービスを購入してもらうクロスセルがあります。

アップセルとクロスセルを理解し、それらを組み込んだ顧客単価向上施策を実施することで、利益率の高い製品とサービスも売ることで、総売上額だけではなく利益も増やすことができます。

目次

アップセルとは?

アップセルとは、簡単に言ってもらうと高いものを購入してもらうことで、現在検討している、もしくは以前検討していた製品やサービスよりも高額な上位モデルに乗り換えてもらうことです。

例えば、10万円のパソコンを以前購入した人に、それよりも高い15万円のモデルを売ることやクレジットカードを年会費のかかるゴールドカードなどに変更してもらうことが該当します。

よく使われるアップセルの戦略は、ウェブサービスでは、下位・中位・上位プランに分けられており、それに加えてフリープランを用意しています。フリープランから試用してもらい、下位、中位とアップセルしてもらうことが重要になっています。

また、ラーメン屋の券売機の工夫は、一番右上にデフォルトになる看板メニューを置き、そこから派生した別メニュー(人気メニュー>それ以外の順序)に置くことが一般的です。これは、初回の体験価値を高め、リピーターになってもらう対策の一環でもありますが、アップセルにも効果があるため、順番や装飾は非常に重要です。

■アップセルの例

  • 豊富なバリエーションやサイズを用意する。
  • 期間限定提供もしくは期間限定値引きを実施。
  • 上位モデルを期間限定割引・年間払い割引などの実施。
  • 上位モデルの生産性をわかりやすい形で情報として伝える。

クロスセルとは?

クロスセルとは、製品とサービスに関連する製品とサービスを購入してもらうことです。セット販売やオプションの販売がクロスセルに該当します。

例えば、スマートフォンを購入した時に、ケースや保護ケースも購入しますし、端末の保証プランにも入ることがあります。また、Amazonで特定の商品を検索すると、レコメンド機能で関連性のある商品や一緒に購入されている商品を表示することで、購入点数を増やし、客単価を向上させています。

■クロスセルの例

  • まとめ買いのキャンペーン
  • 関連商品・周辺商品の陳列を近くにしたり、セット販売したりする。
  • 顧客課題に対応したオプションサービスを用意する。

アップセルとクロスセルを組み合わせて客単価を上げる。

丸亀製麺やはなまるうどんのようなセルフ式の配膳のうどん屋をイメージするとわかりやすいです。

アップセル・うどんにかけ、ぶっかけ、釜玉、季節限定などの価格帯の違うメニューを用意する。
・うどんにサイズのバリエーションを用意し、サイズが大きいほどお得な値付けをする。
クロスセル・天ぷらやご飯ものを用意する。

メインのうどんメニューに価格帯の違うメニューやサイズを用意しています。その中で、期間限定メニューを用意することで、そのメニューを選び、極端性の回避で、並〜第サイズが最も選ばれやすいように工夫をしています。これがアップセルの対策です。

また、うどんと合うような天ぷらやおにぎりなどのご飯ものを用意することで、配膳の時に選んでもらいます。これらは、メインのうどんの関連商品であるので、クロスセルの対策です。

アップセルとクロスセルによる客単価向上戦略の注意点とは?

在庫処分やノルマ達成のために、アップセルやクロスセルを実施すると、顧客側では、「不要な契約をさせられた」「上位モデルにしても特に効果は変わらなかった」というクレームにつながる可能性があります。そのため、製品購入やサービス契約の目的を事前にヒアリングし、問題点を抽出し、それに対応する的確な提案をカスタマーサクセスの一環として行う必要性があります。

特にサブスクモデルのビジネスでは、事業に必要不可欠だと判断されるものほど離脱しづらく、LTV(1人の顧客との関係性を継続することで得られる売上高のこと)を最大化することができます。そのため、不必要なオプションをセールスするのではなく、顧客側の問題点を把握し、常に適切な提案をできるようにしておくことが重要です。

まとめ

アップセルとクロスセルは、客単価を上げるための施策を意味します。営業成績ばかりに頭がいっぱいになると、無茶な提案をしてしまい、顧客側にメリットになるセールスから外れたアップセルやクロスセルを提案してしまいがちになります。それは、クレームや顧客離脱の原因になってしまいますので、マーケティングでは、「自分から選択する」「上位プランにするこことのメリットを気づかせる」ように仕向ける施策が重要となります。

店舗でもシチュエーションに合わせたコースを用意するなどのアップセル・クロスセル対策を実施することが普通です。もし、なんらかのアイデアと施策の実行をご希望であれば、お気軽にお問い合わせください。

最終更新日 : 2024年4月20日

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