居酒屋の集客方法とは?|売上アップの定石
コロナ禍の外食自粛では強い影響を受けた居酒屋ですが、都市部のワクチン接種が進めばある程度の緩和が見込まれます。
居酒屋は、良立地に密集し、熾烈な顧客獲得競争を古くから行っている業態です。
しかし、その競争に比例してマーケティングが発展しているかと言われると、そうでもなく、少々の立地の悪さであれば、集客やブランディングの施策によって取り戻すことができるのが現状です。
当方が過去に実施したコンサルティングでは、次月から150万円以上の売上アップがあった事例もあり、大きく売上アップすることも可能です。
居酒屋の集客と他の飲食店との集客の決定的な違いとは?
居酒屋の業態は、ランチタイムも営業している店舗が多いですが、主力はディナータイムです。
利益は酒類などのドリンクの提供で賄われており、提供するメニューも酒類が進むメニューを主軸にしている店舗が多いです。
商圏性が高く、立地に大きく集客が影響されます。そのため、ビジネス街の駅前や繁華街に好んで出店されています。
固定客の人数が多いことが重要であるのは、他の飲食業と同じです。
居酒屋の集客のポイントは、誰を集客するのか?
居酒屋の集客で重要視されるのは、ターゲティングです。どの客層を狙っていくかで、顧客単価と来店頻度に大きな影響を与えるからです。
居酒屋側からすれば、できるだけ多人数な組を集客したいというのが本音です。それには、裁量のある幹事に選んでもらわなければなりません。そのためには、直接はたらきかけるか、その地域でよく閲覧されるグルメサイトなどへの出稿が効果的になります。これにはメッセージだけではなく、要望に答えることができる席数や個室、コースメニューの用意が必要になります。
また、空間への設備投資を十分にしており、メニューに力を入れている場合は、記念日やデート需要にも対応することができます。ただし、これを主にターゲティングをしてしまうと、テーブルあたりの人数が多くはならないこと(ほとんどは2名になってしまうこと)、来店頻度の高望みができないため、集客の難易度を上げてしまいます。
居酒屋の集客の基本とは
- 集客の戦略立案
- 居酒屋選びの基準に即した魅力
- ターゲットに適した媒体選び
居酒屋の集客といえばクーポン!、とすぐに言ってしまうのは良いとはいえません。
結局、その場限りの利用を繰り返していては、いつまで経っても集客が楽にならないからです。
宴会ほど言えることなのですが、とにかくリーズナブルでも利用用途に合わない居酒屋よりは、利用用途に即した使いやすい居酒屋の方に定着化しますので、どのような店舗であるのかを知ってもらえるようにしなければなりません。
集客の戦略立案
居酒屋は、商圏内の人口に影響を受けやすい業態です。
例えば、住宅街であれば平日のディナータイムの集客が難しく、週末に集客が密集します。それに対して、ビジネス街や繁華街では、平日のディナータイムの集客が多く、週末に集客が少なくなります。
常に満員であり続けるのは難しいため、どのような状態になれば、目標の月商に到達するのかを予め計算します。平均顧客単価を設定すれば、客数を算出することができます。(客数=月商/平均顧客単価)
曜日や時間帯ごとにどの程度の顧客数を獲得できれば、現実的に目標達成ができるのかを形にしておくことがとても重要です。
居酒屋選びの基準に即した魅力
魅力は、居酒屋選びの決定的な要因になり得るものです。
例えば、デートでお店選びをする時は、料理や空間の雰囲気を好みに合わせて選びます。それに加えて今であれば感染予防対策をどの程度行っているのかも判断の基準としては大きくなります。(外食をしない理由として、感染しないか不安だからと答えた人が67.1%存在 ホットペッパーグルメ外食総研)
これらに営業時間や所在地などを加えた基本的な情報を加えて、飛びついてもらいやすいような情報発信をすることがとても重要になります。
ターゲットに適した媒体選び
特に空中店舗や地下街では、たまたま前を通りがかって来店するような来店が起こりづらいです。そのため、マーケティングを行い、積極的に商圏内の認知度を高める必要性があります。
居酒屋選びでよく活用される媒体は以下が該当します。
- グルメサイト
- Googleマップ・Webサイト
使い慣れたグルメサイトで検索して営業中のお店を予約するか、Googleマップを使って評価の高い居酒屋のホームページを確認して予約するかの割合が高くなっています。
また、それ以外にもポスティング広告やDMなどの直接営業もあります。SNSを活用してランチタイムに集客を行い、LINE公式アカウントに登録をしてもらい、ディナーに集客する方法もある程度の効果は期待できます。
居酒屋の集客で活用する集客方法とは?
ここではよく活用される居酒屋の集客方法について紹介をしていきます。なお、BtoB営業用の集客手法は、コンサルティングでは行っていますが、ここでは省略いたします。
食べログ
まず、普段使いの居酒屋の検索方法として挙げられるグルメサイトの代表格と言えるのが食べログです。
食べログは、口コミサイトとしても有名で、Google検索では無類の強さを誇っています。そのため、グルメサイト自体の集客数がグンを抜いて多いことも特徴の一つとして挙げられます。
食べログの客層は、全年齢層に満遍なく、30代以上の世帯年収が比較的高いのが特徴です。
食べログで集客するためには、食べログ検索で露出が可能であるアクセスアップ機能がある25,000円以上のプランが必要です。
また、Web予約は、1名あたり220円(税込・ディナー)の手数料がありますので、25,000円だけ用意すれば良いわけではありません。
ぐるなび
ぐるなびは、40代以上のサラリーマンに人気のあるグルメサイトです。
楽天ポイントが貯まることが特徴の一つです。食べログと同様に220円(税込・ディナー)の手数料があります。
ホットペッパーグルメ
ホットペッパーグルメは、20代の女性に人気のあるグルメサイトです。
送客手数料は、ぐるなび・食べログよりも安い反面、掲載料自体が高額です。
検索順位は、純粋にプラン順になっており、利用者が多いスマホではさらに誌面の出稿の有無で順位付がされています。
そのため、席数が多く、客数を重視する経営手法をとっている居酒屋では集客効果が高いです。また、地方の政令指定都市では、リーズナブルな金額の居酒屋が多い理由から、人気があります。
Googleマップ(Googleマイビジネス)
SNSを更新というと、インスタかツイッターをイメージされますが、一番集客見込みの高い人に見られるSNSはGoogleマイビジネスです。
Googleマイビジネスとは、店舗の情報をGoogleに登録することで、Google検索やGoogleマップ検索に反映させるものです。店舗の基本的な情報のほかに最新情報やクーポンを配信することができます。
Googleマップは、地図アプリでは一番のシェアを誇り、近隣地域を探索しやすいような設計となっています。グルメサイトは都市部での集客に強い影響を与えますが、観光地では登録件数も少ないことからGoogleマップがよく使われています。
Googleマイビジネスで評価を確認し、詳細を知るためにウェブサイトを閲覧しますので、Googleマップ経由での予約数を増やしたいのであれば、ウェブサイトにも力を入れる必要性があります。
ウェブサイトのGoogle検索での順位は、Googleマップ検索にも影響を与えるとされています。
ポスティング広告
チラシを直接投函するポスティング広告は、商圏内での認知度拡大に効果があります。特に、忘年会・新年会・歓送迎会の事前予約を目的としたポスティング広告は集客効果が大きいです。
ポスティング広告の反応率は、通常のランチなどで1%とされています。半数と計算し、50組の集客をしたいのであれば、配布部数は1万部程度が必要になります。
ポスティング広告は、ラクスルなどのウェブ発注の仕組みがある会社を活用すると、印刷から配布まで代行してもらえます。
Twitterは4,500万アカウントが月間でアクティブなSNSです。(記事によっては、人になっていますが、マルチアカウントが有効であるため、ユニークユーザーではなくユニークアカウントになるからです。)
Twitterの特徴は、情報収集を目的にしているユーザーが多い点です。つまり、興味を持ってもらえれば、情報をおってもらえることが多くなります。結果として集客につながります。
Instagramは、3,300万アカウントのSNSです。比較的若年層が多く、大半が女性ユーザーです。
Instagramでは、友人(フォローしている人)の投稿を参考にしてお店を探す人が存在しますので、店舗の存在を知るきっかけとして成立します。
Googleのクチコミは報酬を支払って投稿してもらうことはNGですが、Instagramではそのような制限はありません。
お店独自のハッシュタグをつけた投稿をしてもらったお礼にメニューを一つプレゼントするなどの対策は、新規顧客の集客効率を上げる対策としては良いでしょう。
LINE公式アカウント
LINE公式アカウントは、国内月間アクティブアカウントが8,300万であり、メールのように活用されているLINEのビジネスアカウントが、LINE公式アカウントです。
役割としては、既存顧客に対して、メッセージを配信することで次回の来店に結びつけます。
コンサルティングを実施している店舗は、LINE公式アカウントかなんらかの店舗アプリを採用しています。
配信する内容としては、ディナーコースを直接訴求することも良いですが、ランチは一人でも行くこともでき、通勤をしていれば必要な分だけ来店のハードルが非常に低いです。ランチで来店頻度を稼ぎ、宴会のチャンスにつなげる方法が現実的な集客方法です。
検索ボリュームを比較することができるGoogleトレンドでは、ランチがディナーを大きく上回っています。
決済方法はQRコード決済を導入する。
以前は、クレジットカード決済と現金での対応で事足りていましたが、現在は、それぞれのサービス提供企業がお得なキャンペーンを実施しているため、QRコード決済が一般的になりました。
PayPayの利用率は37%に上っており、QRコード決済を導入しないということは、全体の4割をとり逃す可能性があることにつながります。
リクルート社が提供するエアペイQRを導入することやそれぞれのサービス提供企業と直接契約することで導入することが可能です。
まとめ
経験上、居酒屋で集客に悩んでいるのは、立地に対して正しいはたらきかけをしていないからです。
グルメサイトなどは都市部では有効ですが、地方ではそもそも登録数が少ないことからホームページの方をよく見られる傾向にあります。
また、積極的に働きかける方法を準備しておくことが重要で、ポスティング広告や観光拠点への置きビラは欠かせません。
新型コロナで自粛要請が連発していますが、いずれこの状況は脱出します。その時に、酒類を伴った外食需要の取り合いが起きるのは想定できます。
販促費を削減したままの状態でしたら、新規顧客は獲得できませんので、適切な顧客獲得ができるように今のうちから準備をしておきましょう。
最終更新日 : 2024年4月6日