ビジネスに必須な消費者行動モデルとは?
みなさんは、消費者行動モデルをご存知ですか?
一番メジャーなAIDMA(アイドマ)の名前を出せば、「あれね!」と思う方が多いのではないでしょうか?
ライフスタイルや価値観に多様性があるため、購入する場が、リアル店舗やWeb店舗が限らなくなりました。そして、イオンやイトーヨーカドーのような大型店を考えるとどこでも同じように購入体験ができるオムニチャネル化されています。
多様性があったとしても、実は基本となる消費者行動や心理にはパターンがあります。そのパターンを紹介しているのが消費者行動モデルになります。
消費者行動モデルはなぜ存在するのか?
消費は消費者が行います。消費者が商品の存在を知った時から購入、そしてその後の行動や心理をプロセスとして分解することは、具体的な販売促進の施策を立案することにも役立ちます。
例えば、新規顧客がほとんど存在しない店舗の場合。この場合は、AIDAモデルで考えます。商圏に十分な広告を出しており、認知度が十分である場合は、興味を引くものでも欲しいと思わせるものでもないことが考えられます。顧客ニーズに対応する商品力の不足が原因であると特定することができます。
[su_label type=”important”]併せて読みたい[/su_label]消費者行動モデルAIDMA(アイドマ)のマーケティングへの活用方法
消費者行動モデルのパターンを紹介する
では、具体的な消費者行動モデルをチェックしていきましょう。
AIDMA(AIDA)モデル
一番有名な消費者行動モデルであり、最も汎用的に用いられます。消費者がその商品を知り、購入に至るまでの心理を体系化したものが、アイドマ(AIDMA)モデル、アイダ(AIDA)モデルです。
なお、基本的なプロセスは以下のように分類します。
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- 認知段階:商品の存在を知る。(Attention)
- 感情段階:その商品に興味を持ち、欲しいと思う。(Interest Desire)
- 行動段階:購入するタイミングを掴み、購入する。(Action)
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AIDMAには記憶のプロセスが含まれています。AIDAモデルとの決定的な違いは、ブランディングの有無です。例えば、リピーターになっているブランドに関しては、無条件でそのブランドを信頼しており、認知段階と感情段階なしに行動段階に至るケースが多いです。それに対して、AIDAモデルの場合は、知って、興味を持って、購入するといった例えば普段使いのラーメン店や最寄品を販売するスーパーで適用されることが多いです。
[st-midasibox title=”仮面ライダーのベルト” fontawesome=”fa-check-circle faa-ring animated” bordercolor=”#FFC107″ color=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”” borderradius=”5″ titleweight=”bold”]
分かりやすくする為に、新しい仮面ライダーのベルトを連想してください。
仮面ライダーが好きな子供は、新しい仮面ライダーが放映されると、その仮面ライダーに変身したくなります。そして、クリスマスの時まで、「欲しい欲しい・・・・」と思います。そして、せびってクリスマスに買ってもらうわけです。
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AISAS
電通が提唱した、インターネットで購買を行う際に特化した消費者行動モデルです。
AIDMAとの違いは、以下の通りです。
- attentionとinterestは一緒(認知、興味)
- Desire(欲求)がSearch(検索)である。
- Memory(記憶)がAISASでは存在しない。
- Action(購入)後、Share(共有)を行う。
インターネットで購入をする際のモデルですが、前出の通り、オムニチャネルの導入により、購入体験がリアルとWebの境目が薄れてきています。そのため、Webであっても、AIDMAでの消費者行動は発生します。
[st-midasibox title=”Amazonでの書籍購入” fontawesome=”fa-check-circle faa-ring animated” bordercolor=”#FFC107″ color=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”” borderradius=”5″ titleweight=”bold”]
例えば、芥川賞の受賞の報道を見て、田中さんの本を知り、気になったとします。
その後、Googleで受賞作の本や田中さんの詳細を調べ、納得したらAmazonで購入します。
購入した本の詳細について、自分のブログ、エックス(旧ツイッター)、フェイスブックで共有を行い、Amazonにレビューを行います。
食べログなどに悪い口コミを書く行動も「その経験をシェアして他の人に役立てたい」という心理からであり、何も100%営業を邪魔したいという気持ちからではないことは理解しておくべきでしょう。
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AMTUL
AIDMAが短期的意思決定で商品を購入するモデルならば、AMTULは、固定客になるまでの長期にわたる行動プロセスがモデル化されています。集客の最終的な目的は、固定客の量産であるため、特に高額なサブスク商材ではよく活用する消費者行動モデルです。
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- 口コミの検索やUGCなどで評判の良さを知る。
- 興味を持つ、ブックマークする。
- 初回限定商品や廉価版の商品をとりあえず試す。
- 効果を実感できたら、本格的に活用してみる。
- その商材がなくてはならない存在となり、継続的に活用する。
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[st-midasibox title=”コンサルタントの契約” fontawesome=”fa-check-circle faa-ring animated” bordercolor=”#FFC107″ color=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”” borderradius=”5″ titleweight=”bold”]
評判の良さや人づての紹介で、コンサルタントの存在を知る→そのコンサルタントのブログやホームページをみて、記憶する。→書籍を購入したり、セミナーに参加する。→効果を実感したため、本サービスを受ける。→組織に必要な人材となり、継続的な契約を実施する。
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[st-midasibox title=”化粧品の買換え” fontawesome=”fa-check-circle faa-ring animated” bordercolor=”#FFC107″ color=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”” borderradius=”5″ titleweight=”bold”]
化粧品は長く使います。また、化粧品を買い替えるということは、以前使っていた化粧品では満足できない問題が起こったためです。
その問題を解決するために、そのキーワードで検索し、商品を探します。その後、商品名で検索をかけ、口コミサイト及び掲示板においての口コミを参考にします。(口コミ及び記憶段階)
実際に取扱店に出向いて試用したり、通販でトライアルセットを請求します。その後、確信が持てれば定期購入を行います。(試用、本格使用、固定化段階)
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AISCEAS
アンヴィコミュニケーションズの望野和美さんが提唱したのが、AISCEASです。AISASと同様のウェブでの購入体験に関する行動および心理のモデルなのですが、AISASよりも現実味のある消費者行動のモデルだと思います。
なぜならば、ウェブで商品を購入体験には、Amazonや価格コムなどの口コミサイトや比較サイトを参考にする場合がほとんどだからです。例えば、掃除機を購入する際は、ダイソンなどの特定のカテゴリーで検索せずに、掃除機という大分類のキーワードで検索して、最低限欲しい性能で掃除機を厳選していきます。
この比較と検討する行動は、特にウェブで購入を好むような専門品で発生しやすいです。
[st-midasibox title=”ダイエット食品” fontawesome=”fa-check-circle faa-ring animated” bordercolor=”#FFC107″ color=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”” borderradius=”5″ titleweight=”bold”]
検索して上位に表示された商品を即決して購入するということは、この分野ではなかなかありません。
「実際、どうなの?」まで検索し、悩んだ末に、健康的に一番痩せることが出来る可能性が高い食品を選ぶはずです。
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AISA
ソーシャルメディアを考慮したモデルであり、ガイアックスが提唱。
AISASとの違いは、Search(検索)が、SocialFilter(ソーシャルフィルター)の部分にあります。Share(共有)は常時実施されているものとされるため、プロセスには含まれません。
関心をもったものに対し、ソーシャルメディアの口コミの情報を検索したり、フォロワーやFacebookの友達に意見を求めることで、購買意欲に特定のカテゴリーのフィルターがかかっています。
[st-midasibox title=”SNS検索” fontawesome=”fa-check-circle faa-ring animated” bordercolor=”#FFC107″ color=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”” borderradius=”5″ titleweight=”bold”]
最近の若年者層が、服のブランドや飲食店を検索する際には、インスタグラムのスポットやハッシュタグで検索を行い、購入体験を検索します。この記事を公開した際は一般的ではありませんでしたが、最近ではこれが普通になりつつあります。
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DECAX
電通が発表した新時代に対応した消費者行動モデルの一つです。
Discovery(発見)> Engage(関係) > Check(確認) > Action(購買) >eXperience(体験かつ共有)
8割近い時間をコンテンツを読む現代に対応したものです。
具体的には、コンテンツを読んでいた時に偶然悩んでいたことに答える広告やコンテンツを発見。コンテンツを何度も閲覧することで、その企業と見込み客の関係性は深まってきます。深く興味を持った時点で、その企業の情報を含めてサービスの詳細を確認します。その後購入。体験を通して、満足いくものであれば共有を行います。
SIPS
SIPSもソーシャルメディアの消費者行動に該当します。
共感する(Sympathize)、確認する(Identify)、参加する(Participate)、拡散する(Share&Spread)の4つのプロセスの頭文字をとって、SIPSです。
このプロセスは特にオンラインサロンで考えるとわかりやすいです。InstagramやX(旧Twitter)を意識していただければわかりやすいのですが、タグやインフルエンサーから情報を入手します。情報の入手には共感できる、信用ができることが大前提であり、損得など関係なしに心理的な要因で選択される傾向があります。そして、興味を持った情報を身近な情報発信者を検索し、コミュニティーに参加。参加体験をレビューサイトや自分のSNSで拡散します。
消費者行動モデルで流入から目的達成までのプロセスを最適化する。
もちろん、消費者行動モデルを覚えたところで活用できないのでは意味がありません。消費者行動モデルの各段階をスムーズにする目的の施策を実施することで、販売力は強化されます。
上記のように消費者行動に合わせて、施策を埋め込みます。もし、この計画でうまくいかなかった場合は、検証に活用した指標で改善点や別の問題があるのではないかという仮説を立案します。
消費者行動は、コミュニケーション方法やライフスタイルで変化するため、モデルの分化が進んでいます。商品やサービスに適切な消費者行動モデルを選択しましょう。
また、最近の購入体験の主戦場はスマホにシフトしています。これは、近隣のお店の数が減っていること、通販で購入した方が品質の良いものが安くお手軽に購入することができるといった背景もあります。
ネットだからAISASの時代は実は終わっていて、今までネットで購入することのなかった人がスマホで購入するようになっているので、AIDAモデルやAIDMAモデルもネットで適用できる例が増加しています。
もし、販売数を伸ばすセールスプロセスを構築したいのであれば、自分たちが狙っている客層がどの消費者行動モデルで行動しているのかを把握し、そのモデルにあったものを選ぶことが重要になります。
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最終更新日 : 2020年11月18日