プラシーボ効果とは?マーケティングの具体的な活用例と注意点

事前に伝えられる価格、サービスを提供される環境、期待される効果などの情報は、製品やサービスの品質を高く感じさせることができます。この心理効果をプラシーボ効果と呼びます。

プラシーボ効果は、アンカリング効果と同様、認知バイアスの一種です。

目次

プラシーボ効果とは?

プラシーボ効果とは、実際には治療効果がないはずのプラシーボ(偽薬)を与えられた患者が、それを信じることで、身体的・精神的な改善が見られることから言える心理効果のことです。この効果は、事前に与えられた情報への期待値がその後の信念に影響し、結果に作用することが言えるものです。

プラシーボ効果はマーケティングにはどのように活用されているか?

プラシーボ効果はマーケティングにおいても活用されています。たとえば、消費者に高価な商品やサービスを提供することで、その価値や効果が高いと期待させ、実際にその効果を感じてしまうことです。テレビ番組で、芸能人が高級品だと伝えられた一般的な肉やワインを必要以上に褒めるのは、プラシーボ効果が作用しているからです。

プラシーボ効果は、特にブランディングを目的に活用され、消費者の期待を高めて、価値を上げることに使われています。

プラシーボ効果の具体例とは?

マーケティングでは、プラシーボ効果が意識されるのは、プライシング(価格決定)です。高い金額を設定することで、製品やサービスだけでなく、企業や売り場のブランディングを行います。

たとえば、一般的なスーパーで流通しているワインが、レストランで提供されています。高級レストランで提供されたときは、流通価格の数倍の価格で提供されます。その価格により、顧客はそのワインの味を必要以上に高く評価します。これは、ワイン自体の価値はほとんど関係せず、価格や提供する店舗のブランドによって、プラシーボ効果が起こったからです。

また、健康食品では、薬品に比べると効果がありませんが、使用者は効果があると感じている人も多いです。これは、テレビCMなどで効果があると謳っていることが多いことから、「その健康食品が自分の健康不安を解決する最適な商品」と信じ込み、効果を実感しているからです。これはまさしく、偽薬の効果を感じるプラシーボ効果そのものです。

プラシーボ効果の注意点

プラシーボ効果は、詐欺にも使われる心理効果です。実際に提供される製品やサービスが期待値を大幅に下回っており、マイナスに作用する情報の入手が簡単であれば、偽薬とばれてしまい、一気に評価が下がる恐れがあります。

また、景品表示法違反(優良誤認)に抵触してしまう可能性もあるため、製品やサービスが顧客にとって価値があることが大前提でなければ、プラシーボ効果はうまく作用しません。

最終更新日 : 2024年4月20日

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