路面店舗と空中店舗と地下店舗の集客の違いとは?
基本的に、店舗をオープンする場合は、できるだけ人の流れがある立地の路面店舗が良いです。しかし、それは全ての経営者にわかっていることで、当然人気がありますので、家賃が非常に高いです。
ビジネスにはそれぞれの適正家賃比率というものがあり、ほとんどの飲食店や美容室では約10%です。そのため、単純計算で、家賃の10倍の売上高がないと安定した経営になりません。家賃が100万円であれば、1,000万円を売上げる見込みがなければ、今その立地で考えているビジネスは適正と言えないことになります。
それでは各店舗のメリットとデメリットを考えていきます。
路面店舗とは?
路面店とは、1階部分のテナントのことです。
メリットとしては、通りすがりの人々からの集客が見込みやすい点です。路面店では外観のリニューアルを認められているケースも多く、通行客からは発見しやすいことがあります。飲食店を利用している顧客の4割は、何も理由がないと答えています。つまり、利用の意思があった時に、目の前にあった路面店を利用しようと思っている可能性が高く、客数を伸ばしたいのであれば、路面店を選択するのが良いでしょう。
家賃が高いこともあり、目標の月商を高く設定する必要性があります。また、路面店の強みは、路面の集客力を吸収できることにありますので、交通量が少なかったり、入りづらかったりすると路面店舗の強みを活かすことができません。
空中店舗の場合
空中店舗とは、2階以上にあるテナントを指します。
メリットは、路面店より家賃を節約することができます。また、地上にあるため、工夫次第では、路面店よりも目立つプロモーションをかけることができますし、ロケーションを活かした店舗作りができます。
デメリットは、路面店に比べると通りすがりの通行客が少ないことです。条例やテナントによっては、条例やテナントによっては厳しい制限が設けられていることもあり、目立つ位置に看板を設置したり、ポスティング広告が禁止になっていることもあります。そのため、集客はウェブマーケティングに依存しがちになります。
スタッフを外に立たせたり、暇で手持ち無沙汰にしてしまう可能性があります。つまり、節約した家賃の分、販促費と人件費が高くつきます。
地下店舗とは?
地下店舗とは、地下1階よりも下の階の店舗です。
メリットは、路面店より家賃を節約することができます。地下鉄や地下通路の路面に接している店舗では、路面店のような集客が見込まれます。窓がないことを利用して隠れ家のような内装の店舗を作ることが主流になっています。
デメリットは、やはり空中店舗と同様に視認性が低く、路面店舗に比べると通りすがりの通行客の回収効率が落ちます。そのため、店舗前にスタッフを立たせる必要性もあります。また、看板を目立つ位置に設置できるわけでもありませんので、ウェブマーケティングなどに力を入れる必要性があります。
店舗(テナント)を選定する時の注意点とは?
店舗の選択が集客に強い影響を及ぼします。特に迷いやすい「集客に有利な路面店舗を選ぶか?それ以外の店舗を選ぶか?」は以下のことを基準にして考えます。
目標月商は達成可能な数値であるかは検証が必要
路面店であることに勝ることはありませんが、好立地ほど家賃が高く、月商も高く設定しなければなりません。
店舗であれば、目標月商は家賃の10倍が一般的には適正です。例えば、家賃120万円の路面店舗であれば、1,200万円が目標の月商ですし、空中店舗であれば家賃26万円の店舗もあり、月商260万円が目標の月商になります。
顧客単価が予め設定できていると、1ヶ月の目標の客数を算出することができます。
例えば、顧客単価を5,000円に設定すると・・・
家賃120万円: 1,200万円/5,000=2,400人
家賃26万円:260万円/5,000=52人
つまり、この客数を獲得できる集客設計が必要になります。新規開店でブランド力が乏しい店舗であれば、空中店舗を選択し、目標月商を上げて、その分を販促費に投資する方法を取ります。また、ブランド力がある店舗では、回転率などを予めシミュレーションしていけそうであれば路面店に出店をします。
広告制限や退店時のルールの確認は必須
テナントによっては、広告の制限が設けられており、看板などを出せないところもあります。結局、路面とそれ以外で単純な比較をするだけではなくて、何ができて、何をやる必要があるのか、そして何ができないかを事前にピックアップしてから出店を決めるべきでしょう。
ロケーションを売りにする店舗は空中店舗を、隠れ家的な要素を重視する時は地下店舗をあえて選択するのも良い。
また、退店時には、スケルトン状態に現状回復する必要があるのかも確認します。特に現在の店舗ビジネスでは、環境が激変しやすく思わぬことで市場が激変してしまいます。退店時に費用がかかるのはリスクです。
また、空中店舗や地下店舗でも十分に集客ができる場合があります。例えば、シチュエーションを重要視するコンセプトの店舗をオープンする場合は、空中店舗でなければなりません。家賃次第ですが、裏道を行かないと辿り着けない路面店よりは、駅近の立地であれば地下店舗の方が売上が立ちやすいこともあります。熱心なファンの獲得が見込める商品力がある場合は、わざわざ路面に出なくても良いことがあります。
まとめ
良い立地で、路面店とそれ以外があった時に、家賃の差がわずかであった場合は、路面店を選択するのが良いでしょう。見込みの集客数が多いこと、販促費や人件費まで多くかかるからです。
店舗を出すということは安い買い物ではありません。居抜きなどにこだわりすぎてしまい、特に集客の難易度で後悔をする方も多いですので、注意が必要です。
最終更新日 : 2023年10月17日