Googleの口コミの自作自演が問題の理由を徹底解説
Googleマップ検索では、上位表示にはクチコミの件数や評価が大きく影響しています。また、Googleマップが口コミサイトの役割を担っているため、新規の集客に大きな影響があります。
クチコミが全くつかず、焦ってしまい自演をしてしまう人は少なくありません。まだ、クチコミの件数が少ない場合は、影響はそこまで大きくありませんが、自演の件数が増え出し、評価が異常に上がってしまうと自演が悪影響を及ぼす可能性があります。
なぜならば、自演のクチコミはGoogleのガイドラインの禁止行為のなりすましに該当するからです。また、Googleは、スマホから匿名の位置データを収集しています。そのため、お店にどの程度の来訪があるのかをGoogleは把握できるため、アカウント停止などのペナルティを受ける可能性があります。
1.自演のクチコミとは?
自演とは、なりすましのことです。他人になりすまし、客観的なレビューを書くことでクチコミの件数を増やし、評価を上げる行為を指します。
口コミサイトの検索では、SEOの要素に口コミの件数や評価が含まれています。そのため、口コミの件数を増やし、平均評価を高めることで、露出を高めることができ、新規の顧客の集客につながります。
しかし、自作自演した口コミは、過去にさまざまなサイトで問題になりました。
1-1.口コミの自作自演はステマに該当
ステマとは、実は広告であるにも関わらず、顧客になりすまして高い評価をつけることで、第三者の評価を偽るステルスマーケティングの略称です。ステマは、景品表示法違反の中の優良誤認に該当します。つまり、違法行為です。
食べログでは、評価が3.5であることで優良店と顧客からみなされます。つまり、この基準になるように、レビューを調整することで、高い集客効果を期待することができます。そこで、発生したのが、食べログのレビューのステマ事件です。
2012年1月に食べログは、金銭で口コミを書く業者の存在を公表し、話題になりました。景品表示法の不当表示に該当する可能性があるとして調査されましたが、業者への罰則適用には至りませんでした。現在でも口コミのステマ業者が存在しますが、影響力の高いレビュアーに報酬を提供して強制的に高い口コミを書かせるなど一部で行われています。しかし、これらは、インフルエンサー活用と区別がつかないサービスもあり、判定はさらに難しくなっています。
1-2.Googleビジネスプロフィールの高すぎる評価
整体、整骨院などでは、以前から口コミを購入する慣行がありました。例えば、エキテンなどでは、口コミを書くとその場でAmazonギフトが当たる仕組みがあります。
Googleビジネスプロフィールも同様の方法で口コミを購入していると考えられ、一般的に考えればあり得ない4.8~4.9などの口コミがついているケースもみかけれます。
しかし、これは、Googleの禁止ガイドラインに抵触する方法です。
つまり、口コミの自作自演は、景品表示法に違反する恐れだけでなく、Googleの禁止行為にも該当します。
2.Googleの口コミの自作自演はバレることはないのか?
Googleは以下の方法で情報を収集する手段を持っています。そのため、現在は容認されていても、突然ペナルティを受ける可能性があると考えるのが妥当でしょう。
2-1.ロケーション履歴
ロケーション履歴を使うことで、位置データを保存し、自分が実際に行った場所のデータを保存することができます。ロケーション履歴がオンになっていると、Google アプリが使用されていない場合でも、デバイスの正確な位置情報が定期的にGoogleのサーバー上に保存されます。
これらのデータをGoogleビジネスプロフィールにすでに反映されており、混雑の時間帯を表示するために使われている他、利用用途に、「不正行為や不正使用の検出と防止」にも使われていることが明示されています。
Google サービス全体の利便性の向上のために、ユーザーのデータは次の目的で使用される場合があります。
https://support.google.com/accounts/answer/3118687?hl=ja
- 匿名化された位置情報に基づいて、次のような情報を表示する。
- 混雑する時間帯
- 環境保護に役立つ分析情報
- 不正行為や不正使用の検出と防止
- 広告サービスなどの Google サービスの改善と開発
- 広告を見て来店しているかどうかを企業が判断するうえでのサポート(ウェブとアプリのアクティビティがオンになっている場合)。
顧客が常時ほとんどいないのに、口コミが急激に増加すれば不正であることがわかります。また、実際にその場所に行ったことのないアカウントばかりが口コミを投稿していれば、それは不正です。
2-2.Googleアカウント
なりすましに使われるGoogleアカウントは、使い捨てられているケースが多いです。口コミの件数が1件だけであることがほとんどです。そのため、長期ログインをしていないアカウントが大多数となり、実在している人物の口コミとしては信用性に欠けてきます。
3.口コミサイトの口コミ自演で起こる可能性があること
IPアドレスなどの判定によるランキング降下、いわゆるBANがあると説明しているサイトもありますが、自演は顧客に報酬を与えて顧客が行なっている可能性もあります。報酬の対価でクチコミを書くことは違反行為ですが、Googleがリアルなやり取りを知るには通報しかなく、物証がなければ判定は難しいでしょう。
結局、書き込まれた端末が全て同一だったなどの事情がなければ、ペナルティを課すこと自体が非常に難しいと考えられます。顧客にクチコミを書き込むようにお願いすること自体は推奨されており、そのため、同じWiFi回線が使われることもありえます。
実際に実物の商品やサービスと評価が乖離しているわけですから、以下のようなお客様行動が発生することがあり得ます。
3-1.低評価が次々とつきだす
これが最も可能性の高い事態でしょう。期待値が上がって来店したものの、実際の評価に見合わず失望してしまった客が、Googleに評価をつけるよう言われたら、その場では最高評価をつけるかもしれませんが、帰宅後に書き直したり、別のアカウントで本当のことを書く可能性は十分にあります。
実際、とある歯科医院では、短期間にクチコミが付き、評価が上がりました。しかし、その後に長文の星1のクチコミがつき、さらにそれに続いて多数の低評価が付きました。その結果、4以上だったその歯科医院の評価は3を割り込むまでに低下しました。
3-2.自演をしていることを書き込まれる。
中には、顧客に星5の評価をつける作業を要求している店舗もあるようです。
この行為自体が明らかな自演だとわかるため、Googleビジネスプロフィールにこの事実を書き込まれる可能性があります。ステマは落胆させるパワーワードです。この書き込みは運営者には削除できません。あまりに高い評価とこの書き込みがリンクし、ブランド価値が一気に低下します。ほかの口コミも嘘であるだろうと感じるからです。
3-3.結果的にランキングが下がり、顧客が激減する。
Googleビジネスプロフィールに表示されている評価は平均値です。そのため、新規のアカウントでもローカルガイドレベルの高いアカウントでも、評価への影響に違いはありません。
自演している店舗の特徴は、1件しかクチコミのないアカウントが大量の星5を供給していることです。将来的にローカルガイドレベルが評価に反映されるようになると、これらのアカウントのクチコミは信頼性が低いとみなされ、星の数が一気に低下する可能性があります。
どのような判定基準になるのかは実際にならないとわかりませんが、これらのクチコミはSEOでいう低品質なリンクに相当します。ローカルガイドの基準に満たないクチコミが大多数であることは不自然と判定されるのが妥当でしょう。
4.まとめ
クチコミによる評価は集客に大きな影響を及ぼすため、自然にクチコミがつくのを待つだけでは件数も質も安定して良くなりません。MEOの要因としてクチコミが挙げられているなら、無対策でいることの方が店舗運営者にとってはリスクがあります。
クチコミをお願いすること自体は推奨されているので、積極的にクチコミをお願いしましょう。
ただし、報酬を与えたり、否定的なクチコミを排除したりするのは明確な違反行為です。Googleのポリシーを理解し、遵守することが重要です。自演の誘惑に駆られるよりも、着実に良質なサービスを提供し、お客様の信頼を勝ち取っていく姿勢が長期的な集客につながるでしょう。
最終更新日 : 2024年4月6日