セラピストにおすすめの集客方法とは?具体的で確実性の高い方法を解説

セラピストには、学校、企業、病院などで心理療法を行うカウンセラーやエステサロンで施術を行うセラピストがあります。一部の勤務形態を除いて、セラピストには集客が必要です。また、企業や病院などと委任契約をする場合は、BtoBの営業をかける必要性があります。

セラピストの集客は、巷ではブログを書くことやSNSを投稿することが挙げられていますが、時間をかなり要するため、初年度に売上を上げることができずに廃業に至るケースも少なくありません。適切なターゲットにリーチすることができる広告を選定し、集客に要する時間をできる限り短縮することが重要です。

また、これ以外にも重要なポイントがあります。もし、あなたがセラピストで、今後の予約件数(つまり集客)を増やしたいのであれば、この記事を参考にしてください。

目次

1.セラピストとは?

セラピスト

セラピストとは、心身の健康や癒やしに関わる専門家の総称です。大きく分けると、以下の2つのタイプがあります。

  1. 心理療法を行うセラピスト: これは、心理学や精神医学に基づいて、クライアントの心理的な問題の解決や成長を支援する専門家です。カウンセリングやサイコセラピーなどの手法を用いて、クライアントとの対話を通じて介入します。臨床心理士や精神保健福祉士など、国家資格を有することが求められます。
  2. リラクゼーションを提供するセラピスト:こちらは、マッサージやエステティックなどの施術を通じて、身体の疲労やストレスを和らげ、リラクゼーション効果を提供する専門家です。医療行為ではなく、主に癒やしや気分転換を目的としています。マッサージ師やエステティシャンなどが該当します。

セラピストは、クライアントの心身の健康を改善し、質の高い生活を送れるようサポートする役割を担っています。的確な助言とそれに基づく介入、そして何より、クライアントとの信頼関係の構築が不可欠です。また、セラピストは、高い倫理観と専門性を持つことが求められます。守秘義務の遵守、クライアントの尊重、自己研鑽などは、セラピストにとって欠かせない要素です。

2.セラピストのビジネスモデルとは?

セラピストのビジネスモデルは、専門性や志向、ライフスタイルなどに応じて選択されます。リラグゼーションを提供するセラピストは、エステサロンに勤務するか、個人開業のどちらかになりますが、心理療法のセラピストには、病院や企業、オンラインカウンセリングの選択肢もあります。

クリニックや病院への勤務のビジネスモデル以外は、自分で集客をしなければなりません。個人開業であれば、セラピーやカウンセリングを受ける人を直接集客する必要があります。また、オンラインカウンセリングの際も同様です。EAPは、導入している企業にアプローチが必要です。

2-1.個人開業

  • セラピストが自ら事務所を開設し、独立して業務を行うモデルです。
  • カウンセリングルームやサロンの賃貸料や設備費用などの初期投資が必要です。
  • 時間の融通が利くため、ワークライフバランスを調整しやすいというメリットがあります。
  • 集客やプロモーションは自己責任で行う必要があります

2-2.クリニックや病院への勤務

  • 医療機関に所属し、給与所得者として勤務するモデルです。
  • 安定した収入が得られる一方、勤務時間や業務内容は組織の方針に従う必要があります。
  • 医療機関の信頼性やブランド力を活かして集客できるメリットがあります。
  • チーム医療の一環として、他の専門家と連携を取りながら業務を行います。

2-3.オンラインでのカウンセリング

  • インターネットを介して、オンラインでカウンセリングを行うモデルです。
  • 場所や時間の制約が少なく、柔軟に働くことができます。
  • オンラインツールの使い方に習熟する必要があります。
  • 対面での非言語的コミュニケーションが制限されるため、工夫が必要です。

2-4.EAP(従業員支援プログラム)の提供

  • 企業との契約に基づき、従業員のメンタルヘルスケアを行うモデルです。
  • 企業側が費用を負担するため、安定した収入源となります。
  • 企業の方針や社風に合わせたアプローチが求められます。
  • 社員の心理的健康を支え、生産性の向上に寄与することができます。

3.セラピストにおすすめの集客方法とは?

どのビジネスモデルの集客でも共通しているのは、「認知度が高まる→興味関心を持たれる→サービスを受けるきっかけを作る」の3つの段階をクリアすることです。当たり前のことですが、知らないサービスは受けることがそもそもできませんし、今抱えている問題や悩みを解決できないと思えば、選ばれません。

セラピストの集客は、「知ってもらうための対策」「興味を持ってもらうための対策」「サービスを受けるきっかけを作るための対策」の3つに分けて考えるのが良いでしょう。

3-1.知ってもらうための対策

認知度を高めるために時間を要するマーケティング手法は、集客までの時間も長くなる傾向があります。セラピストが早期に集客を実現するためには、即効性のある広告手法を併用することが賢明です。

広告手法を効果的に組み合わせることで、セラピストは短期間で認知度を高め、集客につなげることができます。例えば、SNS広告でターゲットオーディエンスにアプローチしつつ、地域でのチラシのポスティングや看板の設置を行うことで、オンラインとオフラインの両面から認知度を高めることができます。

ただし、広告手法の選択に当たっては、セラピストのビジネスモデルや提供するサービスの特性、ターゲットオーディエンスの属性などを十分に考慮する必要があります。また、広告の内容やデザインは、セラピストのブランドイメージと一貫性を保ちながら、顧客の興味関心を引き付けるものでなければなりません。

即効性のある広告手法を効果的に活用しつつ、並行して長期的なマーケティング戦略を築いていくことが、セラピストの持続的な集客と事業成長には欠かせません。短期的な施策と長期的な施策のバランスを取りながら、セラピストは自身のビジネスに最適な集客戦略を構築していくことが求められます。

3-1-1.チラシのポスティング

チラシのポスティングは、地域を絞って低コストで直接アプローチできる効果的な広告手法です。成功のポイントは、ターゲットオーディエンスの特性に合わせた配布エリアの選定、目を引くデザインと読み手のニーズに合致した内容、行動を促す仕組みの組み込みです。セラピストのブランドイメージと一貫性を保ちつつ、わかりやすい言葉で表現し、特典やクーポンを付与することで、問い合わせや予約を促進できます。

3-1-2.SNS広告

SNS広告は、ターゲットオーディエンスを詳細に設定でき、リアルタイムで効果測定と最適化が可能な柔軟な広告手法です。成功のコツは、セラピストのサービスに合致した適切なターゲティング、目的に沿った広告フォーマットの選択、魅力的な広告コピーと視覚素材の作成です。また、広告の表示頻度や予算配分を適宜調整し、効果的な運用を行うことが重要です。

セラピストが活用するSNSでは、女性のユーザーが多いInstagramや平均年齢が高いFacebook、また実名制のSNSとして成長しているLinkedinを活用するのが良いでしょう。

3-1-3.看板

看板広告は、地域での高い視認性と継続的な露出が期待できる効果的な広告手法です。24時間365日、不特定多数の人々にアピールできるため、幅広い層への認知度向上に役立ちます。成功のポイントは、ターゲットオーディエンスの目に留まりやすい戦略的な設置場所の選定、遠くからでも視認性の高いデザインの採用、セラピストのブランドイメージを反映したビジュアル表現です。シンプルで印象的なメッセージを盛り込むことで、通行人の記憶に残る看板広告を作成することができます。

3-1-4.同一商圏同一ターゲットとの店舗にクーポンを置いてもらう

同一商圏同一ターゲットの店舗にクーポンを置いてもらうことは、直接顧客になりうる他店の顧客にリーチすることができます。提携店舗の選定では、ターゲットオーディエンスの重複度や距離、関係性が重要です。自店舗でもクーポンを置くことで、相互に顧客を送客し合うのが良いでしょう。

その他の集客方法は、以下の記事を参考にしてください。

3-1-5.心理療法のセラピストに効果的な集客方法とは?

心理療法を行うセラピストが企業研修をとりにかかる場合は、詳細のわかるウェブサイトやランディングページを用意します。リスティング広告(Google広告など検索連動型広告)を活用することや、事業者が積極的に参加しているLinkedinでブログを書くなど距離を縮めていくことも重要なことです。

売りやすくするためには、企業のテーマに合致した講習のパッケージを作成します。例えば、ハラスメント研修、うつ病に対する研修など。パッケージ化することで、相手側は何を依頼できるのかが明白になり、依頼がしやすくなります。

3-1-6.エステサロンのセラピストに効果的な集客方法とは?

美容やリラグゼーション関連の集客は、予約サイトが影響力を強く持っています。例えば、ホットペッパービューティーや楽天ビューティーが該当します。

ホットペッパービューティーは、競争が激しいエリアでは、プランが高騰しやすいため、手が出せなくなる可能性がありますが、楽天ビューティーは成果報酬制です。顧客が取れるほど広告費は上がりますが、口コミ数を増やすためには客数を増やす必要がありますので、ブログやSNSばかりに頼って顧客が全く取れないよりかなりマシです。

また、個人指名を増やしたい時は、口コミが最も影響します。セラピストの口コミは、女性向けのコミュニティで広がることが多いので、コミュニティに積極的に参加する方法が地味に効くケースが多いです。

3-2.興味を持ってもらうための対策

認知度が高まった後は、潜在的な顧客の興味関心を引き付ける必要があります。セラピストの専門性や提供するサービスの価値を、顧客の視点から明確に伝えることが重要です。顧客の抱える問題や悩みに寄り添い、セラピストがどのように解決策を提供できるかを示すことが効果的です。

  • ターゲットオーディエンスに合わせたコンテンツの提供
  • 専門性や独自性の明確なアピール
  • 顧客の悩みや課題に対する共感の示し方
  • ケーススタディや成功事例の共有

3-3.サービスを受けるきっかけを作るための対策

興味を持った潜在的な顧客を、実際のサービス利用へと導くためには、きっかけづくりが重要です。無料相談や体験セッションを通じて、セラピストのサービスを実際に体験してもらうことで、信頼関係の構築とサービス利用への障壁を下げることができます。また、満足度の高い顧客からの口コミは、サービス利用への強力な後押しとなります。

  • 初回クーポンの配布
  • 無料相談や体験セッションの提供
  • イベントやワークショップの開催
  • 満足度の高い顧客からの口コミの活用

4.セラピストがリピーターを維持する方法とは?

セラピストだけではありませんが、リピーターを維持して、コンスタントな来店頻度を作ることは、売上を伸ばし、利益率を高めるために必要なことです。

ここで登場する重要指標が、LTV( Life Time Value)です。一人の顧客が企業との取引を開始してから終了するまでの期間に、その企業にもたらす総利益を表す指標です。

顧客生涯価値(LTV)
= 顧客一人当たりの平均利用期間(での取引数)× 顧客一人当たりの平均利用回数 × 平均単価 × 粗利率

この計算式を用いることで、セラピストは一人のクライアントがもたらす長期的な収益を把握できます。関係性を継続できるような対策を実行します。具体的な方法としては以下のようなことが挙げられます。

  1. サービスの質の維持と向上
    • 定期的な勉強会や技術向上のための練習を行い、提供するサービスの質を高く保ちます。
    • 新しい技術や手法を取り入れ、サービスの幅を広げます。
    • お客様からの意見や感想を積極的に求め、サービス改善に活用します。
  2. お客様一人一人に合わせたアプローチ
    • お客様一人一人のニーズや目標を理解し、個別のプログラムを提供します。
    • お客様の進歩状況を定期的に確認し、必要に応じてプログラムを調整します。
    • お客様との信頼関係を築き、長期的なサポートを提供します。
  3. 予約のしやすさ
    • お客様のライフスタイルに合わせた予約システムを導入します。
    • キャンセルポリシーを明確に定め、お客様の予約変更にも対応します。
    • オンラインでのセッションを提供し、利便性を高めます。
  4. 定期的なコミュニケーション
    • セッション以外でもお客様との定期的な連絡を維持します。
    • メールマガジンやSNS(特にLINE)で、関連する情報やアドバイスを提供します。
    • お客様の特別な日(誕生日など)を覚えておき、お祝いのメッセージを送ります。
  5. 特典やポイントの提供
    • 一定回数のセッションを利用したお客様に特典を提供します。
    • 紹介キャンペーンを実施し、新規のお客様を紹介してくれた方にポイントを提供します。
    • 長期契約を結んだお客様に割引を適用するなどの特典を用意します。
  6. コミュニティの形成
    • お客様同士が交流できる場を提供し、コミュニティを形成します。
    • ワークショップやイベントを開催し、お客様が学びを深められる機会を創出します。
    • オンラインでのコミュニティを作り、お客様同士の継続的な交流を促進します。

5.セラピスト業界の市場動向とは?

エステティック業界の市場規模は矢野経済研究所の調査結果から以下のように予測されています。

年度市場規模(百万円)前年度比(%)
2019年度361,680100.4
2020年度339,00093.7
2021年度328,50096.9
2022年度316,30096.3
2023年度(見込)313,90099.2
2024年度(予測)313,30099.8

リラグゼーション業界・混浴業界の市場規模は、同様に矢野経済研究所の調査を結果があります。

年度市場規模(百万円)前年度比(%)
2016年408,300
2017年403,90098.9
2018年404,600100.2
2019年378,00093.4
2020年275,90073.0
2021年(予測)306,000110.9

どちらも時間経過と共に市場規模は落ち込んでおり、エステティック業界は、コロナの自粛期間はあけているにもかかわらず、5年で年間500億円の市場規模が縮小しています。

これに対して、推移を見つけることができませんでしたが、2002年のエステサロンの店舗数は、5877件(経産省)であったのに対し、日本ソフト販売会社の統計データでは、2022年の店舗数は、18,000件程度だそうです。統計に誤差があると考えても、20年で3倍以上の店舗数に増加しているため、需要は低下しているのに対して、供給数は増えています。そのため、儲かりづらい業界であると言えます。

ただし、それでも人気の店舗は存在します。競争が激しいということは、特定の悩みや客層に絞り込み、深い顧客ニーズに対応できるサービスを用意して、他店との明確な差別化が重要であることを意味します。

まとめ

セラピストの集客方法は、「知ってもらう→興味を持ってもらう→来店のきっかけを持つ」の3つのプロセスを心がけます。また、知ってもらうことに時間をかけすぎてしまうと、顧客がコンスタントに集まらないので、適切な広告を活用します。

また、興味を持ってもらえるように、自分が提供するサービスの価値をわかりやすくプレゼンテーションができるようにしておくことも非常に重要です。これは、セラピストの業務の価値があまりにもイメージしづらいからです。

興味をもったら、サービスを申し込むきっかけを作るだけです。どのようにすれば、セッションや施術を受けることができるのか、わかりやすい申し込みの窓口を作成しましょう。

最終更新日 : 2024年4月3日

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