レストランの集客とは?プロが教える新規集客対策とリピーター対策

レストランは、ファミレスや居酒屋と大きく異なり、顧客単価が数万円ですので、集客の対象が他の飲食店の業態に比べると狭いです。そのため、居酒屋や顧客単価が低めに設定されている店舗と同じ集客方法を選定していると、思ったように集客ができないことがあります。

レストランの特徴的な集客方法を押さえることで、効果的なプロモーションを行うことができます。今回はレストランでよく使われる新規集客の方法、リピーター対策の方法、そして、それぞれに使われる具体なサービスを取り上げます。

目次

1.レストランの集客方法とは?

レストランの特徴は、料理を味わう目的だけではなく、家族や友人の談笑の場として選択される傾向があります。そのため、提供する料理の品質を訴求することも重要ですが、店内の空間の雰囲気や個室の有無、サービスについてもしっかり解説していきます。また、子連れが想定できるターゲットを含んでいる場合は、おむつを交換するスペースや離乳食への対応の記述も必要です。

1-1.レストランの集客の基本とは?

客数は、大きく分けると、全く来店経験のない新規顧客来店経験のあるリピーターに分類されます。これら2種類の顧客の流入方法は異なりますが、LTVという考え方が重要です。LTVとは、その1人の顧客がもたらす価値のことで利益額や売上額で換算されます。LTVは、大きいほどよく、1人あたりの平均来店回数が多いと大きくなります。

ここから言えることは、レストランの集客は、LTVの考え方のもとに、新規顧客を集客し、顧客離脱を防いで、リピーターとして顧客定着を図ることが基本になっています。

1-2.新規顧客の集客

全くレストランの存在を知らないターゲット顧客を対象にします。地域内での知名度を向上させるというよりは、顧客側の行動を逆算して、施策を行う媒体ごとに適切なアプローチを仕掛けることを重視します。

レストランを探しているターゲット顧客は、それぞれが持っている条件をもとにレストランを検索もしくは友人や知り合いにヒアリングするなどして探します。レストランを探す方法には、グルメサイト、Googleマップ、SNS検索が挙げられます。

これに対して、こちらから訴求し、記憶に定着させることで潜在顧客の来店を促す方法があります。これには、来店可能性が高い商圏内の顧客を集客する必要があるため、地域で指定できる広告が有効です。例えば、ポスティング広告やSNS広告が該当します。

1-3.リピーターの集客

サービスが良い記憶に残るレストランでも、次回に来店するとは限りません。記憶に残っていたとしても行く理由がなかったり、タイミングが掴めないと、リピーターにはなりえません。特に、レストランの場合は、そこを使う明確な理由が重要ですので、季節のメニューなどの訴求のほかにも、利用用途、クリスマス、おせち、おぼん、法事などの訴求を継続的に行い、次回の利用のタイミングを顧客に掴ませることが重要になります。

初回の顧客を100とすると、3回目に至る顧客は20程度です。おおよそ8割が2回目以降の来店までに離脱します。(パレートの法則

2.レストランに新規顧客を集客する方法

レストランを新規集客するためには、ターゲット顧客によく使われる検索サービスの対策潜在顧客にメッセージを到達するようにします。

そして、この時に重要なポイントは以下の通りです。

ターゲット顧客によく使われる検索サービス

  • 検索サービスはレストランを検索する用途に使われている
  • 検索で上位に表示することができる
  • 検索サービスの集客力がある

検索サービスでは、使っているユーザー層が一致していることや、競合が多くても検索で上位に表示ができる方法があることがとても重要です。また、グルメサイトの場合は、サービスの集客力の高さが、そのまま集客の効率に影響します。

潜在顧客にメッセージを到達させることができる

  • 地域をはじめとするターゲティングが可能か
  • ターゲット顧客に十分にリーチさせることができるか

この方法では、ターゲット顧客への到達度が高いことが重要です。興味を持ってもらえる顧客や来店が可能な地域などの絞り込みを行い、チラシ、ショート動画、画像を届けることによって、お店の存在を知ってもらった上で、予約を獲得します。

以下がレストランの新規集客に使えるサービスの一覧です。

2-1.食べログ

食べログは、日本最大のグルメサイトであり、飲食店の口コミサイトです。百名店などユーザーが飲食店を選択する基準を積極的に提供する企画を行なっています。食べログを有料化すると、地域の検索で優位に表示されたり、近隣の店舗の無料ページにバナーが表示されます。インバウンド顧客向けに、英語、中国語、韓国語に翻訳されており、これらの言語圏の対策にもなります。ウェブ予約を獲得することもできます。

グルメサイトの中では、ドメインパワーなどSEOに強い要素が揃っており、グルメサイトを導入する際には、最も優先して考えられます。その反面、競合がひしめく地域では、当然のように同じようなサービスで申し込んでいるレストランも多いため、上位表示がしづらいデメリットもあります。

導入する際は、上位表示の可能性を担当と模索し、見込めるのであれば、導入するのが良いでしょう。

2-2.一休.comレストラン

一休.comレストランの特徴は、ハイクラスで安心感のある店舗限定で掲載されている点です。レストランのサービス名がついている通り、高級レストランを専門的に集めたグルメサイトであるため、完全に客層が一致しています。

一休.comレストランは、アフィリエイト方式の媒体であり、コンセプトにマッチングするレストランのみが審査後に登録可能です。予約されたコースの料金に対する一定割合が手数料として支払う方式になっています。

掲載の申請は、こちらから行います。

2-3.OZmall

OZmallは女性向けの情報を主に発信している媒体で、ウェブではレストラン予約、ホテル予約、美容室予約を展開しています。記念日、女子会、おひとりさま利用に強いのが特徴です。エリアは、首都圏、関西、中部に限定されています。

OZmallも一休.comレストラン同様にアフィリエイト形式の媒体であり、予約されたプランの一定割合の手数料を支払う検索サービスです。

掲載条件

  • ディナーの平均客単価5000円以上
  • 首都圏エリア(東京、神奈川、千葉、埼玉)
  • 関西エリア(大阪、京都、神戸、奈良)
  • 中部エリア(名古屋)

2-4.ローカル検索広告

ローカル検索広告とは、Googleマップ検索で、特定の条件の検索結果に自分のレストランのGoogleビジネスプロフィールを上位表示させます。

Googleマップは、近隣や特定の地域を検索し、条件を指定したお店探しを行います。また、口コミも確認するため、最近は老若男女問わず、活用されている検索方法です。グルメサイトで上位に表示することができない場合の選択肢として挙げられます。

  1. Google広告アカウントを作成し、ローカル検索広告の資格を確認する
  2. ビジネスプロフィールを作成し、登録内容を100%にする。
  3. 必要な書類を提出し、Googleの審査を受ける
  4. 広告予算を設定し、入札戦略を選択する
  5. 広告を開始し、パフォーマンスを監視・最適化する

ローカル検索広告は、最終的な手段に近いです。クリック単価であるため、組単価1万円程度のディナーでは広告費が見合わない可能性が高いからです。基本は、MEO対策のためには、クチコミの収集を積極的に行います。

2-5.Instagram広告

複数の調査で、Instagramが飲食店探しに最もよく利用されるプラットフォームとして挙げられています。

今回の調査では、現役大学生が飲食店探しの際に最も利用するサービスを調査しました。その結果、「Instagram」を利用しているのは63.5%。「食べログ」を利用する大学生は13.0%との結果になりました。「Instagram」を利用する理由を自由回答形式で集めると、「同世代の口コミが見れる」という理由がほとんどでした。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000063.000033607.html

若年者がグルメサイトを使わずに飲食店を検索するのは、検索順位などの作為があるからで、Instagramで検索するとユーザーの視点での情報収集をしているようです。Instagramにも広告があるため、地域を限定した広告を出稿することで、近くに寄りかかった人にお店とお店のアカウントの存在を知ってもらうことができます。その際に、フォローしてもらうことやプロフィールを確認してもらうことで、来店のきっかけを付与することができます。

なお、Instagramには、リール動画やストーリーズなどの機能があり、適切に運用すれば関連性のあるユーザーに投稿が表示されるようになっています。上手に運用するため、ショート動画や写真をすぐにスマホで撮影し、投稿する習慣がつけた方が良いかもしれません。

2-6.ポスティング広告

ポスティング広告は特定の地域にチラシを投函します。ポスティングは、レストランの集客には不向きのように思われますが、オンライン集客が複雑化している中で、商圏内にチラシをばら撒くことはシンプルに知名度を向上させることができ、オンラインでは訴求できない層にもメッセージを到達させることができます。

現在は、チラシを作成するのも、CanvaやAdobeを使えば簡単に作成できるようになっており、チラシも業者に依頼すれば、印刷から投函まで全ての作業をやってもらえます。【スプリント】 は、オンラインで発注をすることができるサービスで、価格も業界では最安値帯に設定されています。

3.レストランのリピーターの対策を行う方法

レストランで失客率を低下させるためには、情報を定期的に配信し、来店のきっかけを作ることが重要です。これを行うためには、メッセージを定期的に届ける施策を行います。

メッセージを届ける方法は、携帯電話のキャリアメール向けにメールを配信することが主流でしたが、現在は、LINEが90%以上の利用率となっているため、LINE公式アカウントでメッセージ配信することが主流になりました。キャリアメールは、格安プランが一般化したため、持っていない人が増えています。

また、これ以外に、住所を登録してもらっている店舗であれば、DMを送ることも有効です。簡単なハガキや小冊子を作成し、お店にまた来たい気持ちを引き起こさせます。

3-1.LINE公式アカウント

レストランで独自お店アプリを導入してもダウンロードを要求してしまいます。また、使い方が分からないという問題が高い確率で起こってしまい、ドミナント出店で成功している店舗以外は、LINE公式アカウント一択です。

LINE公式アカウントとは、LINEのビジネス用アカウントのことです。LINEユーザー向けのメッセージ配信のほかに、ショップカード、クーポン、チャット、リッチメニューを追加することができます。すべての機能をすべてのプランで利用することができ、プランの差は、メッセージ配信数です。

メッセージ配信は何をすれば良いのか?

よくやってしまいがちなのは、日替わりランチのみの告知です。これは、集客率も良くのですが、日替わりランチの顧客のみの対応になってしまい、そもそも顧客が集まりやすいランチタイムのみの集客対策になりがちです。

そのため、ディナーでの新規メニュープレゼンテーションを中心に行います。新規メニューを開発するたびに、写真を撮影し、週に1回のペースでメッセージ配信をします。プロに撮影してもらった画像や作成したショート動画にリンクさせ、来店動機を付与します。

メッセージの配信頻度はどのくらいが良いのか?

店舗によって意見が分かれるところですが、レストランでは、月2〜4回配信が良いでしょう。日替わりランチの情報を含めるのであれば、週1回のみで、特にそういった情報発信がないのであれば、隔週に1回が良いとされています。

メッセージの配信のタイミングはいつが良いのか?

繁忙の曜日から逆算して、5日前。ほとんどの場合は、週末の金曜日・土曜日が繁忙になるため、月曜日の配信がタイミングとしては良いことになります。水曜日などに配信しても、その直後の週末はすでに予約を入れている可能性も高いです。

リッチメニューに予約システムを必ず組み込む

LINEでメッセージを見た時に、すぐに予約ができるようにすることも重要になります。そこで、予約システムに直接アクセスできることが重要になります。

3-2.DM

DM(ダイレクトメール)は、いわゆるお手紙を送ることです。シェフの個人ブランドを重視している場合は、LINE公式アカウントよりも有効な再来店対策といえます。季節の変わり目や、半年に1回、リピーターに送ることで、忘れることを防ぐ効果と予約のタイミングを掴ませる効果があります。

DMは手書きのハガキから冊子まで作り込み方はコンセプトによります。DMを送るためには、住所が必要ですので、名刺交換ができるように名刺もしくはショップカードを用意するようにしましょう。

4.レストランの集客に必要なツールとは?

レストランの集客で施策を行うためには、必要なツールがいくつかあります。これらのツールについて解説をしたいと思います。

4-1.予約システムを用意する

レストランでは、電話だけの予約受付になると、店舗の営業時間中に電話をしなければならず、それ以外の時間で予約が検討されている時に、予約を受け付けることができません。また、接客中に電話が鳴り続け、予約を受け付けることができないこともあります。

基本的にレストランの予約は、予約システムを導入し、オンラインで24時間いつでも予約を受け付けた方が、集客を無駄にしません。

ウェブ予約は、グルメサイトでもできますが、食べログやぐるなびは固定の手数料がかかりますし、一休.comレストランなどのフォームを使うと、成果報酬費用が発生します。そのため、これらの費用がかからない予約システムを導入します。

予約システムの中では以下がおすすめです。

予約システム主な特徴
TableCheck• 18ヶ国語対応のグローバル対応
• 送客手数料なしの公式ウェブ予約
• 無断キャンセル対策
• データ分析機能による戦略的経営支援
• POS連携による詳細な顧客情報管理
トレタ予約台帳• 直感的な操作性
• 無料のオンライン予約ページ作成
• POSレジとの連携
• 電話予約改善機能「トレタフォン」
• 顧客管理機能の充実
ebica(エビカ)• グルメサイトからの予約一括管理
• AI電話対応サービス
• 複数グルメサイトの在庫連携
• Google、SNSとの連携
• データ分析機能
UMaT(ウマッタ)• 低価格(月額5,000円から)
• 初期費用・解約金無料
• ネット予約・電話予約の一括管理
• 顧客情報の蓄積機能
• 独自の予約ページ作成機能
SelectType• 170種類以上のテンプレート
• ホームページ作成機能付き
• 多様な予約タイプ(6種類)
• 顧客管理・メール配信機能
• 無料プランあり

特に、TableCheckでは、予約の段階でキャンセルポリシーに同意してもらい、クレジットカード番号を登録してもらう機能があります。これによって、万が一、ノーショーによる無断キャンセルが発生したとしても、キャンセル料を回収することができます。

導入する予約システムは、POSシステムとの連携ができることが望ましいです。そのため、何のPOSシステムと直接連携ができるのか前もって調査して選びましょう。

4-2.ホームページを制作する

ホームページは、レストランでは必須です。メニューだけではなく、空間などの情報を伝えると共に、Web予約の方法を紹介するなど利用用途があります。

レストランのホームページは基本的にWordPressで構築し、コース予約をリニューアルするたびに情報を掲載したりします。ホームページの制作は、集客率には関わってくる部分ではありますが、客数を積極的に増やすためには節約しなければならない箇所ではあります。

ホームページに掲載する情報で、様々な機会を創出することができます。

集客のかちプロジェクトではホームページ制作もやっています!

4-3.プロに写真の撮影を依頼する。

カメラの性能が上がり、素人でも綺麗な写真を撮影することができるようになりましたが、「シズル感が溢れる写真」の条件で考えると、素人ではなかなか撮影することができません。写真の活用用途もチラシ、ホームページ、グルメサイトとほぼすべてに使いますので、ケチらず良い写真をとるのに費用を使いましょう。

4-4.ショート動画を作成する。

ウェブ集客をする上で、画像よりもショート動画を活用するケースが多くなりました。ショート動画とは、15秒程度の尺のCMサイズの動画のことです。多くの情報を掲載せずに、食欲をそそる音や料理、雰囲気を伝えて興味を持ってもらうことが目的で作成し、そこからプロフィールを確認してもらい、ストーリーズなどほかの動画の確認や予約を促します。

興味を持つ用のショート動画もプロに作成してもらった方が反応率が高くなります。ノバセルなどの出張撮影サービスを活用することで、55,000円〜の料金でプロ品質のショート動画を作成することができます。

まとめ | レストランの集客はあまり考えすぎずシンプルに。

レストランの集客の相談は、基本的には新規顧客の集客がうまくいかないことに悩みを抱えている方が多く、ヒアリングすると、うまくいっていない理由は、適切な施策の選択ができていないことと、上位表示がうまくできていないなどのリーチが不十分であることが多いようです。

気づかない部分が致命的なことになっており、なかなか集客ができない状況に陥っていることは多いようです。

もし、集客で悩んでいる場合は、次のサービスがおすすめです。

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最終更新日 : 2024年7月1日

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