リスティング広告とSNS広告ではどちらが集客に効果があるのか?【B2C編】
現在の集客では、Web広告を積極的に活用することが王道です。認知までに長い準備期間を必要としないため、購買までの期間を短縮化できるからです。
そして、広告の運用担当者として、予算が制約されている場合迷うことがあります。それは、リスティング広告を重視するのか、もしくはSNS広告を重視するのかです。BtoCでも何を訴求するのか、何をコンバージョンとするのかでどちらを重視するのかは変わってきます。
リスティング広告とSNS広告の違いとは?
リスティング広告は、検索連動型広告のことを指し、検索エンジンで検索したキーワードに関連性のある広告が表示されます。これに対して、SNS広告は、用意した広告用の投稿を予め設定したターゲット(オーディエンス)に向けて配信します。
リスティング広告の場合は、文言が表示されますが、SNS広告の場合は、テキスト、画像、動画などを表示することが可能です。
顕在的ニーズなのか潜在的ニーズなのか?
リスティング広告の場合、見込み客側では、キーワードを検索する行動が起こらなければ広告を表示することがありません。つまり、今その情報を求めているため、ニーズを強く感じている可能性が高いことになります。これを顕在的ニーズと呼びます。
ただし、ニーズは顕在化しているものばかりではありません。検索しなかったり、ニーズがキーワード化できていなかったり、生活をしているので、ニーズは持っているけれど他のことを考えていて、後回しになっているパターンも多いです。これを顕在的ニーズに対して、潜在的ニーズと呼びます。
潜在的ニーズは、ふとした情報が目に入った時に、ニーズが呼び起こされることがあります。例えば、宝石の画像が目に入った時に、奥さんの誕生日や結婚記念日を思い出すことがまさしく該当します。
その商品を積極的に探す人が多ければ、リスティング広告を活用し、誰しもが持っているニーズがあるんだけれどついつい忘れてしまいがちのことを想起させたければ、SNS広告を活用します。
成果がECサイトでの決済なのか、来店なのかでも変わってくる。
広告はなんらかの行動を見込み客に起こしてほしくて出稿するものです。
例えば、ECサイトの場合、広告を出稿する理由は、購入が目的になります。(たまに、会員登録を目的に広告出稿をする場合もあります。)
この場合は、①広告をクリックしてもらう。→②商品をカートに入れてもらう。→③カゴ落ちせずに決済を完了してもらう。とこの行動を見込み客側に求めることになります。そのため、顕在的ニーズを持っている人の方が最後の行動まで至る可能性が高いため、リスティング広告を主軸にする判断に至ります。
これに対して、飲食店やマッサージ店などの場合は、来店が目的になります。この場合、Webサイトの閲覧を特に促す必要がなく、手短なメッセージで興味を引き起こすことを重視した方が良いです。そのため、広告はインプレッション重視になり、より多くの人にリーチするのはSNS広告であるため、こちらを主軸で運用することになります。
現在実施している他の集客手法でも導入する。
例えば、グルメサイトの場合は、幹事が宴会の予約をするために探す用途として活用される傾向があります。顕在的ニーズの見込み客をグルメサイト側が囲い込んでいるため、潜在的ニーズの見込み客は未着手であるため、SNS広告を活用してみようと考えます。
逆に、SNSを既存顧客向けにしか行なっていない店舗の場合は、顕在的ニーズの見込み客は未着手であるため、予算があればリスティング広告を検討します。店舗の場合は、MEOもありますが、クチコミを購入するなどはアカウント停止のリスクもありますので注意が必要です。
リスティング広告とSNS広告の費用感
費用感に関しては、目的によって大きく変わります。前述しました購入を求めるのか、閲覧を求めるのかでは見込み客に課すハードルの高さが異なります。リスティング広告は、クリック課金です。そして、SNS広告は、インプレッション(表示回数)とクリック課金などを選択することができます。
リスティング広告は、入札価格を設定します。この価格を最大として予算内で表示可能な箇所に表示されます。予算に合わせて自由に金額の設定ができます。しかし、競合が多いキーワードではクリック単価が高騰する傾向にあるため、想定以上に早く予算を消化してしまったり、そもそも入札に負けてしまい広告が表示されなかったりすることがあります。例えば、閑散期の水回りの工事では、業界の大手が案件を独占するために、入札価格を釣り上げるということが実際にありました。
Facebook広告では「1日当たりの上限」や「通算予算」を設定しておけます。Twitter広告では、「フォロー」「リポスト」といったエンゲージが発生した際に費用が発生する仕組みがあります。Instagram広告は、Facebook広告からも出稿することができ、Facebook広告と同様オーディエンスの設定をすることが可能です。
予算感では、SNS広告の方が安価で運用ができる傾向にあります。そのため、販促費が制限されやすい店舗ではSNS広告の方がコスパが良いです。コンバージョンが重視される通販の場合は、リスティング広告を優先します。ただし、CPA(顧客獲得単価)を想定値以内に収める必要があります。そのため、単価が低い場合は、リスティング広告が使えませんので、高単価の商品を開発するかサブスクのサービスにするかを検討しなければなりません。
業界別のリスティング広告とSNS広告の運用例
飲食店
リスティング広告:幹事向けに宴会の訴求
SNS広告:個人向けに記念日のお祝いをさせる目的での運用
美容室
リスティング広告:運用しない
SNS広告:カラーリングやスタイリングの技術を訴求する目的で運用
整体院・マッサージ店
リスティング広告:特定の部位の痛みの緩和についての訴求
SNS広告:特定の部位の治療方法について訴求
アパレル
リスティング広告:顕在的ニーズの見込客に対して自社ECサイトの認知度向上
SNS広告:特定ニーズに絞り込んだ特設ページを訴求。紹介商品の
通販・小売店
リスティング広告:特定の商品の販売もしくは通販サイト全体の売上アップを目的に運用
SNS広告:特定の企画の紹介記事を紹介し、潜在的ニーズを喚起し、取り上げた商品の販売数を増やす
まとめ
広告は集客で最も重要な情報の認知を促すものです。その役割を満たす上で、顕在的ニーズの見込み客か潜在的ニーズの見込み客を対象にするのかで広告を使い分けます。
この時に、投資する予算があまりにも小さいと成果が出なかったという誤った結論を出してしまいがちになります。PDCAで評価する場合は、ある程度まとまった予算をつけて評価することも必要になります。
最終更新日 : 2020年9月18日